2018年1月19日 (金)

『観光客の哲学』を読む

私より10歳若い評論家・東浩紀の本は、実は一度もちゃんと読んだことがなかった。最初の『存在論的、郵便的』(1998)から、本屋でめくったり、書評を読んだりはしたが、買ってさえいない。なぜかその気にならなかったのは、彼の風貌や雰囲気によるかもしれない。

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2018年1月18日 (木)

『デトロイト』の緊張感

今月26日公開のキャスリン・ビグロー監督『デトロイト』を試写で見た。この監督は『ハートロッカー』も『ゼロ・ダーク・サーティ』も極限状態に置かれた人々を恐るべき緊張感で描いてきたが、今回は密室劇でそれがさらに高まった感じ。

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2018年1月17日 (水)

高崎で展覧会2つ

高崎の映画館に講演に行ったついでに、美術展を2つ見た。高崎は25年ほど前に、最初の職場の仕事で群馬県立近代美術館に行ったきり。この美術館は駅から少し離れているので、駅周辺を回ろうと思ったら市立美術館が2つもあった。

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2018年1月16日 (火)

『キングスマン』続編に考える

最近、邦画もアメリカ映画も続編ものが増えた。昔から「007」や「寅さん」などはあったけど、それらは急に1本だけ見てもわかるようにできていた。ところが例えば今回の「スターウォーズ」は、ある程度その物語を知っていないと、とても楽しめない。いわばオタク向けだ。

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2018年1月15日 (月)

バーゲンにうろたえる:続き

先日「私学共済」で(ほんの少し)安く買った話を書いたら、学生から「先生はそんな特権があるんですね」と言われた。そこで誤解のないように説明しておく。50人以上で10年以上続く会社や省庁から区役所まで役所には、だいたいそういう「特典」がある。

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2018年1月14日 (日)

『ノクターナル・アニマルズ』を再見

友人があまりにおもしろいと言うので、トム・フォード監督の『ノクターナル・アニマルズ』を劇場で再見した。一昨年のベネチアのコンペで見ていたが、それほど印象がよくなかった。その年のコンペだと、『立ち去った女』のリアリズムや『メッセージ』の巧みさや『笑う故郷』の皮肉に惹かれたのかもしれない。

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2018年1月13日 (土)

裏方から表へ出てみると

長い間、裏方だった。何となく文化に関わる仕事がしたいと思って就いた職業が、今風に言うとコーディネーター業だった。最初に勤めた政府機関で先輩からよく言われたのが、「君たちは専門家になる必要はないんだ。専門家との人脈があればいい」

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2018年1月12日 (金)

世界のヌーヴェル・ヴァーグを追って:吉田喜重

吉田喜重監督の映画はたぶん『人間の約束』(86)から同時代的に見た。『嵐が丘』(88)や『鏡の女たち』(02)まで。以前の作品は『エロス+虐殺』(69)など70年代前後の難解な作品を30年ほど前に数本見たくらいだった。

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2018年1月11日 (木)

バーゲンにうろたえる

いつもだが、1月になるとうろたえる。冬物のバーゲンの季節だから。毎年何か買わないと落ち着かない。だいたい12月から探し始める。去年はコール・ハーンの赤い底の皮スニーカーを、狙い通りに30%オフで買った。

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2018年1月10日 (水)

『嘘八百』がピンと来なかった

最近予告編を見て、一番「見たい」と思ったのが武正晴監督の『嘘八百』。中井貴一と佐々木蔵之介の掛け合いがおもしろそうに見えた。この監督は『百年の恋』がなかなかだったし。そこで公開数日後に劇場に行った。

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2018年1月 9日 (火)

アジェの亡霊

今年最初に見た展覧会は、東京都写真美術館で1月28日まで開催の「アジェのインスピレーション」展。実はアジェの個展だと思っていたら、副題は「ひきつがれる精神」でアジェと彼の影響を受けた人々の写真を合わせたものだった。

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2018年1月 8日 (月)

『女の一生』の新しさ

ステファヌ・ブリゼ監督の『女の一生』を劇場で見た。有名なゾラの小説を映画化したフランス映画で、岩波ホールでの公開だからいかにも教養主義的な映画に見えるが、それが実は相当に新しい前衛的な映画なのだ。

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2018年1月 7日 (日)

「ワインスタイン効果」とは

昨年末からアメリカの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ事件を巡って、世界中が大騒ぎになっている。木下千花さんが書いたエッセーによれば「ワインスタイン後」After Weinsteinとか「ワインスタイン効果」Weinstein Effectという言葉もあるようだ。「効果」はもう英語のwikiに膨大な例と共に載っている。

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2018年1月 6日 (土)

『否定と肯定』の現代性

今年最初に劇場で見たのはミック・ジャクソン監督の『否定と肯定』。その驚くほど硬い題名が気になったし(原題はDenial=否定)、知り合いがおもしろかったとFBで書いていた。

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2018年1月 5日 (金)

正月に見る熊谷守一

年末年始は家に籠って年賀状を書いたり、親戚の家に行ったり呼んだりして酒を飲む。その合間に原稿を書いたり、授業の準備をしたり。そんな日々の運動不足の解消のために見に行ったのが、東京国立近代美術館で3月21日まで開催の「熊谷守一展」。

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2018年1月 4日 (木)

世界のヌーヴェル・ヴァーグを追って:カヴァロレヴィッチ

1950年代後半から始まった「ヌーヴェルヴァーグ」を世界的な視点でとらえようと、年末年始に数本の映画をDVDで見た。たまたまフィルムセンターでチェコのヌーヴェル・ヴァーグの映画を数本見たのがきっかけだった。

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2018年1月 3日 (水)

『ロシア革命100年の謎』の謎

亀山郁夫と沼野充義の両氏による対談を新書にした『ロシア革命100年の謎』を読んだ。知り合いがフェイスブックで紹介していたからだが、久しぶりに完全に理解を超えた謎の本を読んだ気がした。

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2018年1月 2日 (火)

『ゴッホ 最期の手紙』のユニークさ

昨年はスクリーンで219本を見た。そのうち試写と映画祭がたぶん100本を超すだろうが、大学の授業でDVDやブルーレイをスクリーンで見たものは含んでいない。年末最後に映画館で見たのは、『ゴッホ~最期の手紙』。

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2018年1月 1日 (月)

学閥も地縁も血縁もなく

最近気づいたことだが、大学教員には父親も同じ職業だった人が多い。ある教員とほかの大学で教える共通の友人について話していたら、「彼のお父さんは私の父の東大の後輩だから、小さい時から知っていたんです」と言われた。そんな時は、「毛並み」がいいなあ、と思ってしまう。

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2017年12月31日 (日)

「スター・ウォーズ」はこれでおしまい

年末にふさわしい映画と考えて『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を満員の劇場で見た。去年末に『フォースの覚醒』を見て、いいような悪いような感じだったが、今度は基本的な部分に妙に疑問を持った。もうこれでおしまいにしようと思う。

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2017年12月30日 (土)

年末年始の人々

年末年始に出会う人々は、顔が違う。家の近所でも繁華街でも。ふだんは会社員とかOLとかフリーランスとかそれぞれの仕事の匂いをさせている人々が、一挙に日常の顔を見せる。

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2017年12月29日 (金)

『勝手にふるえてろ』は新しいか

12月23日に公開された大九明子監督『勝手にふるえてろ』について書く。東京国際映画祭のコンペに選ばれた作品だが、その前に見ていた。最近は公開前にあまり否定的なことを書かないように一応気をつけているので、今になってアップする。

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2017年12月28日 (木)

「多々ある」への違和感

昔、パリで言語学の授業を受けた時、「あらゆる言葉に間違いはありません。誰かが書いたり話したりするすべての言葉は正しいのです。ただし、これまでの言い方に比べると違うと感じることはよくあります」という話を聞いて、なるほどと思った記憶がある。若い女性の先生だった。

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2017年12月27日 (水)

チェコのヌーヴェルヴァーグを見る:続き

ヴラーチルの『鳩』(1960)があまりにおもしろかったので、最終日にもう一度フィルムセンターに行った。見たのは、ヤン・ニェメツの『夜のダイアモンド』(64)とヴィエラ・ヘチローヴァの中編2本『天井』(63)と『袋いっぱいの蚤』(63)。

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2017年12月26日 (火)

新聞の「年末回顧」評

いつ頃からか知らないが、新聞の映画の年末回顧で興行収入(興収)のことばかり書くようになった。邦高洋低とか、去年は興収が歴代最高とか。そんなことはたまたま当たる映画があっただけのことで、読者にとっても作り手にとっても関係ないのではないか。

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2017年12月25日 (月)

チェコのヌーヴェルヴァーグを見る

フィルムセンターの「チェコ映画の全貌」を終盤間際に行ったが、そこで見たフランチシェク・ヴラーチル監督『鳩』(1960)が抜群に面白かった。チラシに「チェコヌーヴェルヴァーグの嚆矢」と書かれていたし、大島渚の第一回長編『愛と希望の街』の原題「鳩を売る少年」を思い出したから選んだ。

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2017年12月24日 (日)

クリスマス撲滅キャンペーン中

昔から12月が嫌だった。テレビを見ても街に出ても「ジングルベル」が鳴る。何が嬉しいのかさっぱりわからない。中学生の時から、早く正月になって欲しいと思っていた。

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2017年12月23日 (土)

『スリー・ビルボード』の展開に驚く

映画祭で一日に何本も映画を見ると、当然ながら1本1本の記憶が危ない。そのうえ、外国の映画祭だと日本語字幕がないので理解度も低くなる。去年ベネチアで見た『スリー・ビルボード』が2月1日から公開というので、試写を見に行った。

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2017年12月22日 (金)

『あのころ、早稲田で』を読みながら

中野翠さんの新作エッセー『あのころ、早稲田で』を読んだ。どこかの書評で紹介されていたからだが、本屋で手に取っていい感じの表紙だった。この著者の映画評論はいつも気にしている。アカデミックではなく、感覚的に鋭いから。

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2017年12月21日 (木)

『幼な子われらに生まれ』への違和感

毎年のことだが、年末から年始にかけて映画賞が発表される。見ていない日本映画が賞を取っていると見たくなる。ちょうど名画座ではそういう作品をやっていることが多いので、あわてて見に行く。そんな感じで『幼な子われらに生まれ』を見に行った。

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