2017年6月26日 (月)

なぜかロメールに通う:その(2)

もう終わってしまったが、ロメールについてまた書く。これまで(たぶん)見ていなかった『モンソーのパン屋の女の子』と『シュザンヌの生き方』を見た。ともに1963年の白黒作品で、28分と52分という中編で〈6つの教訓物語〉の1本目と2本目にあたる。

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2017年6月25日 (日)

困ったお客さんの話:その(1)

元『レオン』編集長の「ちょい悪おやじ」こと岸田一郎氏が、美術館ナンパを指南してネットで非難を浴びたというのを読んだ。「熱心に鑑賞している女性がいたら、さりげなく「この画家は長い不遇時代があったんですよ」などと、ガイドのように次々と知識を披露する」といいと言ったようだ。

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2017年6月24日 (土)

『家族はつらいよ2』の強さ

ようやく山田洋次監督『家族はつらいよ2』を劇場で見た。いかにも二番煎じな題名の続編だが、新聞の映画評では評価が高かったので気になっていた。見てみると、確かにぐいぐい引っ張られた。

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2017年6月23日 (金)

ジャコメッティの変容

ジャコメッティはいつも気になる彫刻家だったが、これまでその作品をまとめて見たことがなかった。国立新美術館で個展が始まったので、すぐに行ってみた。

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2017年6月22日 (木)

山村アニメの新世界

8月5日公開の山村浩二の新作短編9本を集めた「山村浩二 左目と右目で見る世界」の試写を見た。この監督の作品は米アカデミー賞にノミネートされた『頭山』を初めとして数本しか見ていないが、今回は新しい世界に入りつつあると思った。

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2017年6月21日 (水)

オラファー・エリアソンを見た

かつては好きだった現代美術も、今では大半がわからなくなってしまった。その中でオラファー・エリアソンは作品を見る機会があれば、今でも万難を排して出かけたい作家の1人。昨年パリにいた時は、ルイ・ヴィトン財団の常設展示と、ヴェルサイユ宮殿の企画展を楽しんだ。

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2017年6月20日 (火)

小説『流れる』を読む

成瀬巳喜男の映画『流れる』は何度か見ているが、幸田文の原作は読んだことがなかった。ある時気になって読んでみると、「文学」ならではの芸者置屋の匂いのするような文章で、ちょっと驚いた。

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2017年6月19日 (月)

『残像』に考えたこと

アンジェイ・ワイダ監督の遺作『残像』を劇場で見た。ワイダは、20代後半で作った『世代』(1954)から最近まで休むことなく映画を作り続けてきた。『カティンの森』(2007)で終わりかと思ったが、その後に何本もあった。『菖蒲』(09)の時、私はパンフに「枯れて澄んだワインを思わせる、巨匠の一筆書き」のようなことを書いた。

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2017年6月18日 (日)

予想と違った展覧会2つ

私は映画を見るついでに展覧会に行くことが多い。有楽町で映画を見た後で出光美術館で見たのが、「水墨の風」展。実は副題の「長谷川等伯と雪舟」の方がメインの題名だと勘違いしていたので、予想と少し違った。つまり、この2人の画家の作品はそれほど多くはなかった。

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2017年6月17日 (土)

なぜかロメールに通う:その(1)

ふと思い立って、エリック・ロメールの映画祭で『獅子座』を見に行った。前に見たのは80年代半ばのパリで、実は途中で寝てしまったのを覚えている。90年代初頭に日本で公開された時は、忙しくて見られなかった。

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2017年6月16日 (金)

ヌーヴェル・ヴァーグの功罪:その(1)

大学で映画史を教えて8年を超すが、最近「ヌーヴェル・ヴァーグの功罪」ということをよく考えるようになった。トリュフォーやゴダールなど、ヌーヴェル・ヴァーグの監督たちはよく知られている通り、最初は評論家だった。彼らは将来自分たちが映画を撮ると考えて、かなり大胆な批評をした。

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2017年6月15日 (木)

『セザンヌと過ごした時間』を楽しむ

去年9月パリから帰る日に、Cezanne et moi=「セザンヌと私」という映画が封切られた。夜便だったので昼間に見ようかと思ったが、アパートの掃除などで時間がなかった。それが『セザンヌと過ごした時間』という邦題で9月2日から公開されるというので、試写を見に行った。

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2017年6月14日 (水)

『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』を読む

水野和夫氏の本は2年ほど前に『歴史の終焉と資本主義の危機』を読んだが、新著の『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』を買った。「閉じてゆく帝国」とはもちろん今のアメリカやイギリスのことだろうが、それと資本主義がどんな関係になるのか知りたいと思った。

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2017年6月13日 (火)

『オリーブの樹は呼んでいる』でわかること

オリーブの実もオイルも、大好きだ。昔はどちらも今ほど日本では売られていなかった。30年以上前にパリに留学してすぐに、帰国する方からほとんど使っていないオイルを1瓶をもらったのが、自分で料理に使うようになったきっかけだった。

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2017年6月12日 (月)

学会について考える

今はいわゆる学会シーズンで、私も映像関係の学会のために地方に行ってきた。大学に移って8年が過ぎたが、まだ大学という環境に違和感がある。それ以上に不思議なのが「学会」という世界。

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2017年6月11日 (日)

『静かなる情熱』の声を聴く

テレンス・デイヴィスという監督は、かつて『遠い声、静かな暮らし』(1988)という傑作で我々を驚かせた。繊細な語りの巧みさと共に、ふんだんに挟み込まれた歌の美しさに惚れ惚れした記憶があった。今回、久しぶりにこの監督の新作をやるというので、試写に出かけた。

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2017年6月10日 (土)

『『新しき土』の真実』に驚く:その(1)

瀬川裕司さんは、かつて新聞社時代に「ドイツ映画祭」などでお世話になったが、新著『『新しき土』の真実』が抜群におもしろかった。『新しき土』(1927)は、ドイツと日本による初めての国際的合作だが、実に奇妙な映画であることは、このブログでも書いた。

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2017年6月 9日 (金)

石井輝男を2本見る

石井輝男監督のファンではないが、友人がおもしろいというので『実録三億円事件 時効成立』(75)と『黒線地帯』(60)の2本立てを渋谷に見に行った。さすがに平日昼間だと高齢者が多く、昔の並木座や文芸座を思い出した。

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2017年6月 8日 (木)

『ローサは密告された』の圧倒的迫力

最近は去年のカンヌやベネチアで見た映画を見直すことが多い。7月に公開されるブリランテ・メンドーサ監督の『ローサは密告された』も去年のカンヌで主演女優賞を取った。今回改めて見ると、何倍もよく見えた。

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2017年6月 7日 (水)

『敗者の想像力』に考える

加藤典洋という評論家の本は、今まで読んだことがなかった。なぜか、自分とは合わない気がしていた。今回彼の新著『敗者の想像力』を読んだのは、本屋で立ち読みしたら冒頭に小津安二郎の話があったから。

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2017年6月 6日 (火)

『光』の思い入れとうまさ

公開中の河瀨直美監督『光』を試写で見たのは4月の始めだが、今日までアップしななかった。相変わらずの力作だけど、個人的には前作『あん』の方がずっといいと思ったから。カンヌは無理だと思っていたら、コンペに入ってしまった。

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2017年6月 5日 (月)

汐留を歩きながら考える

私は実はタダや割引に弱い。無料の景品をもらうために店に行き、セールで必要のないものまで買ってしまう。先日、野村証券の新橋支店から、「ご来店キャンペーン」として「図書カード(500円分)プレゼント」と書かれた郵便が来た。そこで無駄に電車賃を使わないために新橋に行く機会を探していたが、新橋駅前の試写室TCCに行く機会があった。

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2017年6月 4日 (日)

『夜明けの祈り』の巧みさ

フランスのアンヌ・フォンテーヌという監督は、実に芸達者だ。『ココ・アヴァン・シャネル』(09)のような歴史ものを重厚な演出で作ったかと思うと、『ボヴァリー夫人とパン屋』(14)のような笑いが止まらないエロチック・コメディも作る。8月5日公開の『夜明けの祈り』は、修道女たちの話だった。

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2017年6月 3日 (土)

たまに日本の政治を考えると

新聞や週刊誌を読んで、「そうだ」と頷くことがたまにある。そんな「小さな納得」が最近の『アエラ』にいくつかあったので書いておく。東浩紀氏は、無茶苦茶な安倍政権がなぜ続くかについて、「政権交代可能な現実的野党はなく、自民党内にポスト安倍の候補もいないからだ」と書く。

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2017年6月 2日 (金)

『美しい星』の不思議な魅力

予告編が気になったので、『美しい星』を見た。『桐島、部活やめるってよ』や『紙の月』の吉田大八監督の新作でもあるし。この2本と同じく、やはり才気煥発の演出だが、今回の三島由紀夫原作の物語は本当にヘンだ。

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2017年6月 1日 (木)

ダヤニータ・シンの写真に吸い込まれる

東京都写真美術館で7月17日まで開催の「ダヤニータ・シン インドの大きな家の美術館」展を見た。名前を初めて聞くインドの女性写真家だが、吸い込まれるような魅力があった。冒頭の《マイセルフ・モナ・アハマド》で、男なのか女なのかわからない1人の人間が、時間をかけて撮られている。

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2017年5月31日 (水)

『パターソン』の自己模倣を楽しむ

今年のカンヌでは「ちぇっ、コンペはいつもおんなじ」"Pfff...c'est toujours les memes en Compet"というバッジがオフィシャルの売店で売られていたという。それを付けた友人が写真を送ってくれた。つまり主催者もわかってやっているのだろう。

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2017年5月30日 (火)

なぜブログを書くのか:その(2)

ブログを書く理由の1つに、教えている学生へのメッセージという面がある。最初は考えもしなかったが、次第に彼らが読んでいることがわかった。今、一番多い授業で200人近い学生がいるが、そのうち卒業までに親しくなるのはゼミの学生を中心に1割程度。多くは向こうは顔を知っているが、こちらは覚えられない状態だ。

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2017年5月29日 (月)

『ラ・ポワント・クールト』に驚く

最近必要があってヌーヴェル・ヴァーグの初期作品を見ているが、一番驚いたのはアニエス・ヴァルダ監督の『ラ・ポワント・クールト』(1955)だった。これは日本未公開で、DVDもフランスやアメリカでしか出ていない。私も一度も見たことがなかった。

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2017年5月28日 (日)

『エルミタージュ美術館 美を守る宮殿』を見た

最近、やたらに美術館や画家や彫刻家をめぐる映画の公開が増えた。いわゆる映画ファンが減るなかで、もっと裾野の広い美術ファンを何とか取り込もうという算段のような気がして、最近はあまり見ていない。『エルミタージュ美術館 美を守る宮殿』を見たのは、配給会社から連絡があったから。

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