2024年2月26日 (月)

『落下の解剖学』を楽しむ

フランスのジュスティーヌ・トリエ監督『落下の解剖学』を劇場で見た。最近は原稿書きで忙しくブログ更新も昨年9月末から2日に1回にしたので、新作映画を見る回数も減らしている。ただこれはぜひ見たいと思った。

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2024年2月24日 (土)

#MeToo告発されるフランスの監督たち

フランス映画のヌーヴェル・ヴァーグはあまりに有名だが、その後に出てきた監督たちは「ポスト・ヌーヴェル・ヴァーグ」と呼ばれる。具体的にはジャン・ユスターシュ、フィリップ・ガレル、ジャック・ドワイヨン、ブノワ・ジャコー、シャンタル・アケルマンといった監督たちだ。

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2024年2月22日 (木)

途中で元気がなくなる

私は昔から「いつも元気」で有名だった。いつも笑顔で悩みが一切なさそうだし、体力的にも、駅の階段は走って駆けあがり、青信号が点滅を始めると慌てて走った。つまりは力が余っていて、疲れ知らずだった(少なくとも見た目は)。

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2024年2月20日 (火)

恵比寿映像祭にまた行く

毎年この季節には東京都写真美術館を中心に「恵比寿映像祭」が開かれる。入場無料のこともあってたぶん毎年行っているが、いつも失望する。まず毎年のテーマを聞いただけで気が遠くなる。今年は「月へ行く30の方法」で例年に比べると具体的なので少し期待した。

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2024年2月18日 (日)

『ビニールハウス』の描く現代の韓国

3月15日公開のイ・ソルヒ監督『ビニールハウス』を試写で見た。まずチラシやポスターの「半地下はまだマシ」というキャッチコピーに惹かれた。もちろん「半地下」は大ヒットの韓国映画『パラサイト』が見せた世界だったが、確かにあの映画の調子の良さよりももっとダークな世界がありそうな気がしていた。

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2024年2月16日 (金)

『日本の裸体芸術』を読む

宮下規久朗著『日本の裸体芸術 刺青からヌードへ』を文庫で読んだ。著者の宮下氏は昔、東京都現代美術館の学芸員だったので面識はあるが、仕事をしたことはない。しかしその旺盛な執筆活動は知っていたので、いつか読んでみたいと思っていた。

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2024年2月14日 (水)

『夜明けのすべて』の大きさ

三宅唱監督の『夜明けのすべて』を劇場で見た。小さな会社で働く人たちのほとんど何も起こらないようなドラマなのに、まるで社会を揺るがすような大きな映画に見えた。久しぶりにとんでもないものを見た感じ。同じ監督の『ケイコ 目を澄ませて』にも驚嘆したが、なぜかそれを上回る。

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2024年2月12日 (月)

昭和40年代の温泉

自宅近所の書店「かもめブックス」で見てすぐに買ったのが文庫『つげ義春の温泉』。まず、表紙のひなびた温泉に老婆が2人、裸でくつろいでいる白黒写真にやられた。筆者はつげ義春なので『ねじ式』のあの退廃的な雰囲気と結びつく。

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2024年2月10日 (土)

『エドガルド・モルターラ』の俳優たち

4月26日公開のマルコ・ベロッキオ監督『エドガルド・モンターラ ある少年の数奇な運命』を試写で見た。この映画のすばらしさ自体については公開前に書くが、今日は印象に残った俳優たちについて書き忘れないうちに書き留めておきたい。

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2024年2月 8日 (木)

初台で昔を思い出す

最近は何を見ても昔のことを思い出すが、初台で転んだ後にソファでじっと時間をつぶしながら思い出したのは、中村敬冶さんのことだった。前回、1990年に日本のビデオアートの1980年代アンソロジーを作ってダムタイプの「Pleasure Life」を選んだと書いたが、その時の作品選考委員の一人が中村さんだった。

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2024年2月 6日 (火)

『Here』のいい感じ

ベルギーのバス・ドゥヴォス監督の『Here』を映画館で見た。「朝日」で月永理絵さんが、「日経」で古賀重樹記者が絶賛し、劇場のHPではエリック・ロメール、アピチャッポン・ウィーラセタクン、ケリー・ライカートなどと比較していたから。

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2024年2月 4日 (日)

初台で転ぶ

自宅で一日中卒論や修論を読んで煮詰まったので、夕方に初台に行った。オペラシティで3月10日までの坂本龍一の展覧会を見るために。実は行く前から私には向いていないだろうという予感はあったけれど、一応、坂本龍一だし。

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2024年2月 2日 (金)

「させる」「使う」人生

茨木のり子のエッセー集『言の葉さやげ』を読んで、「あっ」と声を出しそうになった。この中の3つ目の「「させる」と「使う」」という文章を読んでいた。この著者は詩人だが、私はまともに彼女の詩を読んだことはない(というか「現代詩」は全く知らない)。

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2024年1月31日 (水)

『哀れなるものたち』はおもしろいか

ギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス監督の『哀れなものたち』を劇場で見た。去年のベネチア国際映画祭で金獅子賞を取ったが、そこで見た「朝日」の石飛徳樹記者が「数年に1度あるかないかの傑作」と書いていたのを覚えている。

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2024年1月29日 (月)

麻布台ヒルズに壊れゆく東京を見た

もともと私は森ビルとは相性が悪い。アークヒルズはどこかペカペカで底の浅い感じがしたし、六本木ヒルズは成金趣味でどこにも居場所がない。表参道ヒルズは安藤忠雄建築の低層ビルだからマシだが、中に入ると安藤建築特有の不吉な感じが澱んでいる。

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2024年1月27日 (土)

「チネマ・リトロバート」何か:その(4)オルミ

エルマンノ・オルミの初長編『時は止まりぬ』(1958)を見た。DVDはイタリアでも出ていないので、『永遠の映画大国 イタリア名画120年史』を書いた時はユーチューブでは見た。本には「これは冬のダムの管理事務所で働く中年と若い学生をドキュメンタリー風に追ったもので、随所にユーモアと詩情が込められている」と書いた。

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2024年1月25日 (木)

小津百年の頃

昨夏の暑い頃、小津安二郎生誕120年で『父ありき』のデジタル復元版を試写で見た時に、松竹の担当者のFさんと「あれから20年もたったのですねえ」と話した。「あれ」とは「小津安二郎生誕百年記念国際シンポジウム」のことである。

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2024年1月23日 (火)

「チネマ・リトロバート」とは:その(3)『シシリーの黒い霧』の新しさ

フランチェスコ・ロージの『シシリーの黒い霧』(1962)を見た。これは2001年の「イタリア映画大回顧」で上映したし、あまり状態のよくない日本版DVDも持っているが、デジタル修復版であの迫力を確認したいと思った。

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2024年1月21日 (日)

名刺を配ること

先日、ある著名な美術史家にパーティで会う機会があり、私は彼の本の書評を書いたことを伝えると「ああ、あなたでしたか。書評が出なかったので嬉しかったです」と感謝された。その勢いで私は自分の名刺を出したが、先方は「すみません、名刺は持ち歩いていないので」と言われた。

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2024年1月19日 (金)

『燈火は消えず』の香港

香港の新人監督アナスタシア・ツァンの『燈火(ネオン)は消えず』を劇場で見た。香港のネオン職人の話と知って、見たいと思った。私は香港は1度しか行ったことがない。1989年か翌年の香港映画祭の時期で、すばらしい映画のセレクションとともに、香港の独特の雰囲気を楽しんだ。

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2024年1月17日 (水)

久々の印刷博物館

私の自宅から一番近い美術館・博物館は永青文庫と印刷博物館で、歩いて15分ほど。どちらも私立の美術館で一般にはあまり知られていないが、実は密かに渋い展覧会をやっているので時々足を運ぶ。今回、印刷博物館で見たのは2月12日までの「明治のメディア王 小川一眞と写真製版」展。

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2024年1月15日 (月)

「チネマ・リトロバート」とは:その(2)デ・セータ

「蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭」で次に見たのは、「ヴィットリオ・デ・セータ作品集」。ヴィットリオ・デ・シーカと紛らわしいが、De SetaとDe Sicaで何の関係もない。この監督の映画を初めて見たのは2001年の「イタリア映画大回顧」。

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2024年1月13日 (土)

対談の難しさ

先日、初めて国立映画アーカイブの舞台に上がった。1月5日に始まった「蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭」でサイレント短編集及び『サタン狂想曲』の上映後に小松弘さんと対談をした。

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2024年1月11日 (木)

『彼方のうた』の奇跡

杉田協士監督の『彼方のうた』を劇場で見た。前に見た『春原さんのうた』(2021)が抜群によかったから。今度はオリジナル脚本ということもあってさらに物語がわからず、ある種の切羽詰まった感情だけが続いてゆく。

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2024年1月 9日 (火)

野菜の気持ち、紙の気持ち

前に書いたように、コロナ禍が始まった2020年春に偶然にコンポストを始めた。もうすぐ4年になるが、何とまだ続いている。コンポストとは生ゴミを溜める装置だが、これがやってみるとなかなか楽しい。3カ月に1度、「基材」と呼ぶ木屑のようなものが送られてくる。

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2024年1月 7日 (日)

「チネマ・リトロバート」とは:その(1)

国立映画アーカイブ(NFAJ)で「蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭」が始まった。いったい「チネマ・リトロバート」とは何なのか。「リトルバード」でない。「チネマ」からわかる通りこれはイタリア語で、「リトロバート」は「再び見出された」という意味。

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2024年1月 5日 (金)

正月に現美に行く

正月三が日は、どこにも外出しなかった。元旦に近所の小さな神社にお参りした以外は、ひたすら家に籠ってDVDや配信で映画を見て原稿を書いた。こうなると映画を見に行く気になれない。そこで何か気分転換になるような展覧会はないかと探した。

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2024年1月 3日 (水)

『ファースト・カウ』を思い出しながら

年末にケリー・ライカート監督の『ファースト・カウ』を劇場で見た。ブログを毎日書いていた頃ならばすぐにアップしたが、隔日となったので忘れていた。ところが、この映画はしばらくたってだんだん良く思えてきた。

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2024年1月 1日 (月)

正月に思うこと

昨年1年でずいぶん自分の生活が変わった気がする。何より9月にブログを毎日書くのをやめたことが大きかった。結局2日に1回に落ち着いたが、これもだんだん負担になってきたので、今年はいずれ週2回とか1回とかになるかもしれない。

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2023年12月30日 (土)

今年のベスト5

去年末までは朝日新聞デジタル『論座』があったので、毎年12月初めには「映画」と「美術」でベスト5を選んでいた。そうなると11月くらいから何にしようかと気になりだし、見逃した話題作を慌てて見に行くことも。今年はすっかり忘れていたが、昨日の朝刊で「日刊スポーツ映画大賞」が出ていて気になった。

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