2016年9月29日 (木)

晩節を汚すべし

講談社の読書誌「本」がなぜか毎月送られてくる。意外に読むところが多い。不在中の半年分に一挙に目を通すと、ある号に桐野夏生の「晩節汚すべし」という文章があった。講談社から出た彼女の新刊『猿の見る夢』について自ら語ったものだが、実におもしろい。

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2016年9月28日 (水)

パリは移動祝祭日:その(1)

32年前に1年パリで過ごしたことは、その後の私の人生に大きな刻印を残した。つまりは、ヘミングウェーの「もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ」というやつ。今回の半年も、長く尾を引きそうだ。これからも時々、パリについて書く。

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2016年9月27日 (火)

『シン・ゴジラ』について、いろいろ考えた

やっと、『シン・ゴジラ』を見た。当たっているようだし、何よりこの映画をめぐって話題沸騰らしい。日本にいなかったので、何が話題なのかはわからないが、見ておもしろかったのは事実。そのうえ、確かに語りたくなる。

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2016年9月26日 (月)

生暖かい日本で:その(2)

帰国して数日になるが、まだ自宅でオロオロしている。まず、スーツケース2個分の荷物がある。空港で測ったら、ともに24キロ強。プレミアムエコノミーで23キロ2個まで可能だったが、何とか大目にみてもらった。いかにもゲイの荷物係を選んだのが良かったのだろう。

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2016年9月25日 (日)

『怒り』への怒り

帰国して最初に見たのは、李相一監督の『怒り』。前評判がいいし、現在開催中のサンセバスチャン映画祭のコンペにも出ている。見てみると、確かに相当の力作だった。

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2016年9月24日 (土)

生暖かい日本で:その(1)

飛行機が羽田に着いて、一番最初に思ったのは、「生暖かい」ということ。たまたま雨の後の曇りだったから、空気が湿っていただけかもしれない。しかし、その感覚は翌日も続いた。

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2016年9月23日 (金)

冬の終わりに来て、冬の始めに帰る

ようやく、帰国した。帰る数日間に急に寒くなった。シネマテークでの「フランスにおける日本映画の受容」を巡る座談会に参加した日、朝起きると寒かった。明らかに夏が終わった感じで、夏用の麻のシャツではもたないと思った。冬の兆しがそこにあった。

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2016年9月22日 (木)

もう、映画を見るヒマもない:その(5)

パリ滞在のマイナス面を書き過ぎたので、よかったことも書いておこう。一番嬉しかったのは、友人たちと再会できたこと。32年前の留学時代の友人を始めとして、フランス国内とかドイツとかイタリアとかアメリカに住む友人たちとじっくり会えた。

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2016年9月21日 (水)

パリのささいなこと:その(7)

パリに半年滞在して思ったのは、フランス人女性があまり美しくないことである。というかお洒落でない女性が多すぎる。これまでパリに来るときは1区や6区のような観光地=繁華街に泊まっていたので、パリの男女はもっと着飾っていた。

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2016年9月20日 (火)

もう、映画を見るヒマもない:その(4)

もうすぐ帰国するとフランス人に言うと、必ず聞かれるのが「滞在はうまくいったか、満足か」「日本に帰るのは嬉しいか、寂しいか」。はっきり言うと、日本に帰るのは実に嬉しい。もう、早く帰りたくてしかたがない。

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2016年9月19日 (月)

「ノクチュラマ」の怖さ

映画を見るヒマがないと思っていたが、ある日シネマテーク図書館の研究者スペースでその日分に用意してくれた資料がピントはずれで、4時間の予定がわずか1時間で済んだ。次のアポまでの空いた時間を使って見たのが、ベルトラン・ボネロ監督の「ノクチュラマ」Nocturama。

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2016年9月18日 (日)

もう、映画を見るヒマもない:その(3)

ラジオ番組に出た話を、忘れないうちに書いておきたい。もともと私はイベント屋だから、裏の人間である。実際には自分がほぼ一人で作った企画でも、あくまで無名を通すが暗黙のルール。短い記者時代には記事には名前は出したが、あくまで新聞社の会社員。

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2016年9月17日 (土)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(11)

ベネチアについてはこれで最後にするが、いくつかの作品について簡単にまとめたい。「監督ばんざい」賞を取ったアミール・ナデリ監督の「山」は、イタリア人俳優を使ったイタリア映画。陽の当たらない山村で、山を砕く男を描く。

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2016年9月16日 (金)

もう、映画を見るヒマもない:その(2)

前に書いたように、帰国までの日程がタイヘンなことになってきた。念願のシネマテークのノン・フィルム資料(つまり映画以外のポスターとかシナリオとか手紙とか)の倉庫で調査する段取りがついたが、自宅から遥か離れた郊外に近い場所に、朝8時半集合という。

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2016年9月15日 (木)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(10)

今年もまたコンペに日本映画が出なかった。出たのはオリゾンティ部門に石川慶監督の第1回長編『愚行録』と、アウト・オブ・コンペのアニメ『GANTZ:O』、クラシック・部門に『ざ・鬼太鼓座』と『七人の侍』。実は去年のベネチアから今年のベルリン、カンヌ、ベネチアと日本映画が1年以上コンペに出ていない。

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2016年9月14日 (水)

もう、映画を見るヒマもない:その(1)

帰国に向けて、大変なことになってきた。秋の新作映画で見たいものがあるが、もうそのヒマはなさそう。ベネチアで32本も見て、映画にはうんざりしてはいるにしても。まず、ベネチアの原稿書きがあった。

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2016年9月13日 (火)

これで最後か、ベネチア映画祭(9)

もちろんベネチアではイタリア映画をたくさん見た。コンペの20本だけでもイタリア映画は3本ある。映画祭ディレクターのバルベラ氏が地元紙に「今年は巨匠の作品が既に発表済みだったり、まだできていなかったりで、難しかった」と述べているように、確かにレベルはいま一つかも。

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2016年9月12日 (月)

これで最後か、ベネチア映画祭(8)

国際映画祭の受賞結果はいつも番狂わせだ。今年のカンヌもロカルノもそうだったし、去年のベネチアも驚いた。理由は簡単で、審査員は監督や俳優が大半だから。だからカンヌでのケン・ローチ作品のように、批評家は彼の映画では中くらいと思っても、映画をさほど見ていない審査員はパルムドールをあげてしまう。

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2016年9月11日 (日)

いまさらながら『祇園囃子』

もうベネチアの結果が発表されたが、それについて書く時間はないので、最近パリの劇場で見た溝口健二の『祇園囃子』(1953)の話をしたい。この映画はHDリマスター版ではあるが、最近流行りの4Kではない。だから始まった時にバチバチと音がして、ちょっとがっかりした。しかし、物語が始まればぐんぐん引っ張られる。

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2016年9月10日 (土)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(7)

コンペ外にも興味深い映画は多い。まず、「アウト・オブ・コンペ」のパオロ・ソレンティーノ監督「若き法王」The Young Popeは、テレビシリーズの最初の2話だけを上映したが、それでもさすがにソレンティーノだけあって、国際映画祭の作品として風格十分。

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2016年9月 9日 (金)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(6)

去年も今年も日本映画がコンペにないが、その代わりに中南米の映画が目立っている。コンペでおもしろかったのは、マリアノ・コーンとガストン・デュプラ共同監督のアルゼンチン映画「名誉市民」El Ciudadano ilustre。ノーベル賞を取ったアルゼンチンのサラスという村出身の作家、エドアルド・モンテヴァーノは、長年バルセロナに住んでいた。

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2016年9月 8日 (木)

映画以外のベネチアの話:その(1)

今回のベネチアの最大の失敗は、ペットボトルをきちんと閉めずにバッグに入れて、中が水びだしになったことだろう。バッグの下がジメジメするなと思って中を見ると、小さなペットボトルの水がすべて外に出ていた。シャツも、ノートも、新聞もすべてしわくちゃ。

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2016年9月 7日 (水)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(5)

コンペの作品でまだ触れていない映画について、忘れないうちに書いておく。フランソワ・オゾンの「フランツ」は、第一次大戦直後のドイツを中心に、同世代のドイツ兵と戦ったフランスの若者アドリアンと、戦争で婚約者フランツを亡くしたドイツ女性アンナの恋愛を描く。

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2016年9月 6日 (火)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(4)

今年のベネチアは、コンペ外の数を断然に増やしている。いわゆる「アウト・オブ・コンペ」がコンペと同数の20本。さらにキム・ギドクがオープニングを飾った「ジャルディーノの映画」に8本。パオロ・ソレンティーノの「若き法王」The Young Popeのようなかなりの話題作もこの28本に含まれる。

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2016年9月 5日 (月)

パリのささいなこと:その(7)

映画祭の話ばかりで自分でも飽きてきたので、パリの話に戻る。最近気がついたが、ゴミ箱を漁る人が多い。前に書いたようにゴミは瓶、リサイクル可、そのほかの3つに分かれていて、それぞれ週に2、3回、回収車が来る。その日はアパートの管理人は表に大きなゴミ入れを出す。

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2016年9月 4日 (日)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(3)

朝8時からの上映というのはカンヌでもなかったが、今回ベネチアで始めて経験した。コンペのドニ・ヴィルヌーヴ監督「到着」Arrivalで、その上に会場は少し遠いPalaBienale。ホテルの朝食は7時半なので、リンゴだけ掴んで出た。

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2016年9月 3日 (土)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(2)

国際映画祭というものは膨大な数の映画を上映しているので、参加者は各自が目的に応じて見る作品を選ぶ。例えば買い付けの担当者は、日本でのヒットの可能性がありそうなものを見る。私のように文章を書く者は、コンペを中心に見る。

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2016年9月 2日 (金)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(1)

また、ベネチア国際映画祭に来てしまった。3月にパリに来てから、カンヌ、ボローニャ、ロカルノと行って4つ目の映画祭。前にも書いた通り、もう映画祭には飽きてしまったが、ベネチアは既に某新聞に書く約束をしてしまったので行かないわけにはいかない。

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2016年9月 1日 (木)

パリのささいなこと:その(6)

フランスの映画館は、上映直前にならないと入れない。だから15分前に着こうものなら、居場所もない。むしろ時間ちょうどに着くと、コマーシャルや予告編があるからちょうどいい。かと思うと人気のある旧作の復元版上映などは、長い列を作らせておいて、入れないこともある。

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2016年8月31日 (水)

「垂直のままで」の過激さ

カンヌのコンペで見たアラン・ギロディ監督の「垂直のままに」Rester Verticalを再び見た。この監督は前作の「湖の見知らぬ男」L'inconnu du lacが、男性が集まるハッテン場の湖を描いたストレートなゲイ映画だった。1本の映画で、男性器をこれほどたくさん見たことはたぶんない。

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