2024年12月10日 (火)

ドキュメンタリーを追う:その(1)ワイズマンからランズマンへ

やはりドキュメンタリー映画はおもしろい。現在開催中の学生企画の映画祭では15本のうち、9本がドキュメンタリーだ。「声をあげる」というテーマで100本くらいから選んでいくうちに、やはり本物の声というものに行きついたようだ。

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2024年12月 8日 (日)

還暦を過ぎて髪は増えるか:その(2)

9月22日に書いたように、増毛のクリニックに行って薬をもらってきたが、それから2ヵ月半が過ぎた。今日はとりあえずの「途中経過」を書こうと思う。最初、先方から提案された一番確実なプランというのは、年間140万円ほどだった。

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2024年12月 6日 (金)

今頃読む『苦海浄土』:その(1)

明日から学生企画の映画祭がユーロスペースで始まる。今年は「声をあげる」がテーマで15本が上映される。その中で土本典昭監督の『水俣ー患者さんたちとその世界―』が上映されるが、40年ぶりくらいに見て感動した。

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2024年12月 4日 (水)

『オークション』を楽しむ

1月10日公開のパスカル・ボニゼール監督『オークション 盗まれたエゴン・シーレ』を試写で見た。これはいろいな意味で楽しんだ。まずは何といってもオークションの世界は、短い美術記者時代に取材したことがあってあのハンマーを叩くバブリーな感じが懐かしかった。

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2024年12月 2日 (月)

東京フィルメックスも少し:その(2)

東京フィルメックスは3本しか見なかった。いろいろ言いながらも、東京国際映画祭は15本も見たのに。あるいは15本見て、もう映画祭はいいやと思ったからかもしれない。それにフィルメックス定番のツァイ・ミンリャンやリティ・パンのアート系エッセー映画はもういい、というのもあった。

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2024年11月30日 (土)

映画ばかり見てきた:その(2)

昔、フランスの記号学者で小説家のフィリップ・ソレルスが「映画で感動するというのは、大半は作り手の計算に乗せられることで、私は今はその「操作されている」感じが嫌で映画に行かなくなった」と語っていた。

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2024年11月28日 (木)

東京フィルメックスも少し:その(1)

去年に引き続き、今年も東京フィルメックスは東京国際映画祭と時期をずらした。2020年から同じ時期にしたが、2年やってみたら集客が難しかったというところだろうか。今年は去年よりさらに時期をあけている。見る側としてはその方がいいのは間違いないが。

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2024年11月26日 (火)

深田晃司『日本映画の「働き方改革」』に考える

深田晃司監督の新書『日本映画の「働き方改革」 現場からの問題提起』を読んだ。彼が2020年に濱口竜介監督らと「ミニシアター・エイド基金」を立ち上げ、22年には是枝裕和監督たちと「action4cinema 日本版CNCを求める会」に参加したあたりの文章は読んでいるので、彼の主張はわかっているつもりだった。

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2024年11月24日 (日)

少しだけ東京国際映画祭:その(6)

フェイスブックには数年前の同じ日の投稿を見せる機能があって、昨日挙がってきたのは10年前、2014年11月23日の「朝日」のオピニオン面の「私の視点」に私が投稿した原稿だった。

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2024年11月22日 (金)

『ヴァラエティ』の見せる80年代ニューヨーク

私は毎週金曜日の夕刊各紙を買う。映画評や広告が載っているからだが、先週末にある写真にドキッとした。アメリカ映画『ヴァラエティ』のもので、どこかで見覚えがあった。読んでみると、1983年のベット・ゴードン監督の作品という。

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2024年11月20日 (水)

アーティゾン美術館の毛利悠子

ブリヂストン美術館がアーティゾン美術館となってオープンしたのはコロナ禍が始まった2020年初めだったが、今やすっかり京橋に馴染んでいる。とりわけ最近は隣のビルも完成して周囲にベンチがたくさんできて、いい感じになってきた。

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2024年11月18日 (月)

『ルート29』に目が点になる

森井勇佑監督の『ルート29』を劇場で見た。この監督の第1作『こちらあみ子』は見ていないが、日本に遊びに来ていたフランス人が『ルート29』がおもしろかったと言ったので見に行った。冒頭の修学旅行中の中学生が隠れて煙草を吸うシーンから目が点になった。

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2024年11月16日 (土)

田中一村展の混雑に考える

上野の東京都美術館で「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」を見た。私はかつて10年以上美術展の企画の仕事をして『美術展の不都合な真実』という本まで書いたにもかかわらず、この画家は名前さえ知らなかった。

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2024年11月14日 (木)

映画ばかり見てきた:その(1)

もう15年以上大学で映画を教え、定年まであと2年と少しになった。若い頃から大好きだった映画を仕事にできて、本当に運がよかったと思う。しかし同時に、これでよかったのかと考えることもある。

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2024年11月12日 (火)

『動物界』に考える

フランス映画はSFやホラーが苦手である。恋愛や子供の世界や社会問題は得意だが、「リアル」を離れた表現はうまくいかない。従来はアクションもヘタだったが、最近はリュック・ベッソンなどの活躍でそうとも言えない。

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2024年11月10日 (日)

最近の展覧会いくつか

映画は見たすぐに書かないと印象が日々薄れていくが、本や展覧会の場合はだいぶたってからでも書ける。本は現物が目の前にあるし、展覧会はチラシやHPの絵を見れば思いだすことができる。だから書くのが遅くなるのも出てくる。

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2024年11月 8日 (金)

イスタンブール残像:その(6)

現在、大阪で塩田千春の個展が開かれている。それで思い出したのはイスタンブールの最終日のことだ。前日に遊覧船でボスポラス海峡めぐりをした時に、船からIstanbul Modernという大きなロゴが見えた。ヨーロッパ側の新市街、カラキョイ地区にあって近くには豪華なペニンシュラ・ホテル。

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2024年11月 6日 (水)

少しだけ東京国際:その(5)

今日で4日連投だが、やはり映画祭は早く書いた方がいい。今日の夜に受賞結果が出た後だと間が抜けてしまう。作品評の前に会場問題について一言。これは最終的には「専用会場」が必要になる。カンヌなど三大映画祭にはあるし、釜山も作った。もちろんこれらの映画祭も通常はほかのイベントに使っている。本当は東京都が都庁跡地に国際フォーラムを作る時に考えるべきだった。

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2024年11月 5日 (火)

少しだけ東京国際:その(4)

昨日、久しぶりに連日で文章をアップした。昨年9月末の毎日ブログ更新停止宣言からだいぶたつが、東京国際映画祭なので書くネタはたくさんある。この映画祭は数年前に六本木から銀座・日比谷に移った。これはもともと私が希望していたことなので大歓迎だった。

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2024年11月 4日 (月)

少しだけ東京国際:その(3)

東京国際映画祭で相変わらずダメなものの1つに、「デイリーペーパー」がある。これは国際映画祭には必須で山形国際ドキュメンタリー映画祭は最初からあったが、東京国際には長らくなかった。できたのは2000年頃からか。それから全く進化していない。

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2024年11月 3日 (日)

少しだけ東京国際:その(2)

東京国際映画祭といえば、今年のメインビジュアルはいかにもヘンだ。まるで女性誌の表紙風だし、あまりに着飾っているので誰も菊地凛子だとはわかるまい(私もわからなかった)。これは数年前から同じで、これだけで観客を失っているのでは。

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2024年11月 1日 (金)

『目まいのする散歩』を読んで

先日、道を歩く時に目まいがしたことを書いて武田泰淳の『目まいのする散歩』に触れたが、実際に読んでみた。手軽な文庫版を買って読むと、これが妙におもしろい。小説家が夫婦であちこちを散歩する話である。

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2024年10月30日 (水)

少しだけ東京国際:その(1)

不思議なもので、朝日新聞デジタル「論座」2023年4月になくなって映画祭について自由に書く場所がなくなると、コンペ作品をすべて見ていた東京国際映画祭に対しての情熱がなくなった。理由はほかにもある。

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2024年10月28日 (月)

『破墓/パミョ』を楽しむ

韓国映画『破墓/パミョ』を劇場で見た。予告編を見て気になったからだが、韓国で1200万人が見て今年一番のヒット作というのも理由の一つ。そして監督は今年43歳のチャン・ジェヒン。

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2024年10月26日 (土)

高木希世江さんが亡くなった

昨日、映画業界の友人たちと4人で酒を飲んでいたら、日活の高木希世江さんが亡くなられたという知らせが飛び込んだ。みんな急にあちこちに連絡をして確認していたが、どうも確かなようだ。

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2024年10月24日 (木)

「チコちゃん」に出る

先日、NHKの「チコちゃんに叱られる」に出た。これまでNHKは2000年の7月頃、『美術展の不都合な真実』を出したことがきっかけで「おはよう日本」に出たことがあった。本のパブリシティになるかと大張り切りだったが、あらゆる「宣伝」を拒むNHKらしく、あくまで一般論として美術展について語らされた。

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2024年10月22日 (火)

『ジョーカー2』を堪能する

トッド・フィリップス監督の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』を劇場で見た。もともと前作は好きだったし、「賛否両論」というので見たくなった。結論から言うと、前作に比べるとドラマ的な面白味は減ったかもしれないが、そのムードや音楽を十分に堪能した。ちなみにこのブログはいつもネタバレだが、今日はとりわけそうかも。

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2024年10月20日 (日)

東博の「はにわ」展に考える

ある夕方、ちょっと不愉快なことがあり、気分転換と思って上野の東京国立博物館の「はにわ」展を見に行った。東近美で「ハニワと土偶の近代」を見て近現代のハニワの氾濫ぶりに驚いて、本物の埴輪を見たいと思ったこともある。

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2024年10月18日 (金)

東宝のDVDに慌てる

最近、新発売の東宝のDVDに慌てている。東宝といえば、黒澤明とゴジラ作品以外は有名作品でなければ秀作であってもDVDを出さないことで有名だ。一説には、あの会社は1万枚売れないDVDは出さないとか。例えば戦後の成瀬巳喜男作品でDVDで出ていないものはたくさんあった。

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2024年10月16日 (水)

「ハニワと土偶の近代」に驚く

東博と東近美の両方でこの10月にハニワの展覧会が始まる、と聞いて驚いた。東博はともかく、なぜ明治以降を扱う東近美なのかと思った。ところが展覧会に行ってみたら納得。日本の近現代美術のあちこちにハニワがいるのだから。

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