2017年1月19日 (木)

いまさら押井守:その(3)

押井守も5本も見るとだいたいわかったが、この監督の映画では極端な設定のなかにいる主人公が、日常を反復する。ドラマはいつも停滞し、結局は何も起こらない。しかしながら『アヴァロン』(2001)や『イノセンス』(04)では、その退廃的な美学が全面を覆っていた。

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2017年1月18日 (水)

デザイナー・ノスタルジア:その(3)

新聞社で企画する美術展のポスター、チラシ、カタログなどのグラフィックデザインは、私が美術展を始めた1990年頃は「美術出版デザインセンター」を始めとした、いわゆる「美術カタログ会社」に丸投げをしていた。こういう会社は社内デザイナーがいて、実にうまく仕上げてくれた。

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2017年1月17日 (火)

いまさら押井守:その(2)

フィルムセンターで1日のうちに、押井守が海外で撮影した実写映画を2本見た。台湾ロケの『StrayDog Kerberos Panzer Cops ケルベロス 地獄の番犬』(1991)と、ポーランドで現地の俳優のみで撮った『AVALON アヴァロン』(2001)。

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2017年1月16日 (月)

小津と文学について考える

川本三郎氏の『銀幕の東京』を読んでいたら、小津と文学について気になったので、本棚から貴田庄著『小津安二郎 文壇交遊録』を取り出して読んだ。前に読んだはずだが、今読むとこれがなかなかおもしろかった。

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2017年1月15日 (日)

いまさら押井守:その(1)

もともとアニメは苦手だが、このブログでもお分かりのように最近は少しは見ている。押井守は見かけも発言もどうも元祖オタクのような気がして避けていたが、今回フィルムセンターで「自選シリーズ」が始まったので、見ることにした。そのきっかけは「ニューズレター」で彼の発言を読んだから。

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2017年1月14日 (土)

『未来よ こんにちは』の抒情

3月公開のミア・ハンセン=ラヴ監督『未来よ こんにちは』をまた見た。去年4月のパリで見てここにも書いているが(その時は直訳の「未来」)、また見たくなった。最近、この映画と共に同じイザベル・ユペール主演の『エル』が賞レースで好調で、彼女の名前をよく見たこともあった。

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2017年1月13日 (金)

「日本におけるキュビズム」のインパクト

埼玉県立近代美術館で1月29日まで開催されている「日本におけるキュビズム―ピカソ・インパクト」展を見に行った。北浦和まで行ったのは、鳥取県立博物館の尾崎信一郎さんから年末に招待券が送られてきたから。

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2017年1月12日 (木)

『アイヒマンを追え!』に学ぶ

映画は娯楽だが、時には知らないことをおおいに学ぶことができる。そんな当たり前のことを考えたのは、ドイツのラース・クラウメ監督『アイヒマンを追え!ナチスがもっと畏れた男』を劇場で見たから。実に勉強になった。

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2017年1月11日 (水)

卒論の話:その(2)

前に、自分が大学生の時には一切卒論指導を受けなかったと書いた。その頃のことを思い出したので、今日は卒論ノスタルジアを書く。提出は、今の私の大学と同じく1月10日頃だった。仏文学科なので、仏語の要旨も添付する必要があった。

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2017年1月10日 (火)

「アエラ」の邦画特集が迷走

現在発売中の1つ前の正月合併号の「アエラ」の邦画特集が、迷走して物議を醸しているようだ。記事の一部がライブドア・ニュースなどで流れたこともあって、フェイスブックにも反発の声があった。表紙のコピーは「5つの決断で日本映画は頂点へ」

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2017年1月 9日 (月)

梅原龍三郎の爽快さ

山田正亮の「やがて悲しい」絵画のことから、日本の近代美術が本質的に持つ「模倣性」について考えていた。すると、丸の内の三菱一号館美術館でルノワールと梅原龍三郎の展覧会が終わりかけていることに気がついて、見に行った。今日までの開催なので、すぐに書く。

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2017年1月 8日 (日)

映画『おとなの事情』のリアルさ

今年、最初に見た試写は、3月18日公開のイタリアのパオロ・ジェノヴェーゼ監督『おとなの事情』。実はその時間にもっと有名な監督でスターの出る映画の試写を見るはずだったが、地下鉄の中で試写状を見たら、「妻の死後、夫はすべてを破壊する」というあらすじに見る気が失せた。

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2017年1月 7日 (土)

年末年始に考える:その(4)

年末に映画館で妙なものを見た。開始直前に大声で「ここはJ列ですよね」と叫ぶ中年男がいた。そんなことは、普通は人に聞かずに自分で探すものだが。誰かが小さな声で「そうですよ」と言うと、その男はずいぶん大きな鞄を文字通り振りかざして、みんなの手や足にガンガン当てながらお詫びも言わずに中に押し入った。

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2017年1月 6日 (金)

やがて悲しき山田正亮

竹橋の東京国立近代美術館は、私にとってもっとも近い美術館だ。ドア・ツー・ドアで20分くらい。ふと思い立って2月12日まで開催の「endeless 山田正亮の絵画」展を見に行った。この画家は、かつて妙な噂があったことで有名だ。

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2017年1月 5日 (木)

アメリカ映画の大作2本

年賀状書きと卒論読みに疲れたので、気分転換にアメリカ映画の大作を2本見た。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。『ローグ・ワン』は連作の8本目(たぶん)で、『ファンタスティック・ビースト』は『ハリー・ポッター』シリーズの続きのようなものらしい。

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2017年1月 4日 (水)

卒論の話:その(1)

大学の教師になってわかったのは、年末年始が忙しいこと。なぜかというと、卒論の草稿を読むから。クリスマス前に預かり、読んで年末や年始に自宅近くのカフェで指導する。間に合わない学生は、年末や年始に速達で郵送してくる。

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2017年1月 3日 (火)

年末年始に考える:その(3)

年賀状をめくると、「親の介護」という言葉がよく出てくる。私の年になると、親が自分で1人で動けない状態になる人が多いのだろう。考えてみたら、昔はボケた老人は今よりずっと少なかった気がする。私が小さい頃には、周囲にそんな人がいた記憶はあまりない。

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2017年1月 2日 (月)

コテコテの『湯を沸かすほどの熱い愛』

最近映画館で予告編を見ていると、「余命何カ月」とか「残された日々」とかの内容の映画が多いような気がする。つまり死を知らされた人が必死に生きる話だが、当然ながら予告編の時点で既によく泣く。最近流行りの「泣ける」「お涙頂戴」の極みのような気がして、見る気がしない。

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2017年1月 1日 (日)

年末年始に考える:その(2)

神楽坂に住んで、今年の夏で20年になる。その前は約10年間を、武蔵関、高田馬場、行徳、豊洲、白山と転々とした。東京に住んで去年で30年になった。そんなことを考えたのは、年末にデジタル修復版ブルーレイで『東京物語』(1953)を見たから。

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2016年12月31日 (土)

年末に世界の映画を考える

今年は256本の映画をスクリーンで見た。そのうち166本はパリ滞在中だった。手帳を調べてみると、去年は230本で、2014年は251本だから、今年は少し多いくらい。

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2016年12月30日 (金)

年末年始に考える:その(1)

12月半ばに「クリスマスは嫌いだ」とフェイスブックに書いたのは、仏「カイエ・デュ・シネマ」誌でよく日本映画について書くステファヌ君だ。私は思わず「特に、日本においては」と書き加えた。そうしたら「英国はもっとひどいぜ」と書いた人がいた。

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2016年12月29日 (木)

斬新で際どい『汚れたミルク』

3月4日公開のダニス・タノヴッチ監督『汚れたミルク』を見た。2014年の映画だが、ようやくの公開。タノヴィッチという監督は、アカデミー賞外国語映画賞を取った『ノー・マンズ・ランド』の時から、斬新で際どい映画を作ってきた。

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2016年12月28日 (水)

わからない山本耀司展

世にも不思議な展覧会を見た。東京オペラシティアートギャラリーで3月12日まで開催の「画と機 山本耀司と朝倉優佳」。確か「朝日」の記事で、今年は三宅一生や山本耀司などの大御所の展覧会が目立ったと書かれていたから。

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2016年12月27日 (火)

映画『ショコラ』に考える

1月21日公開のフランス映画『ショコラ~君がいて、僕がいる~』を最終の試写で見た。ロシュディ・ゼムというアラブ系の名優が監督しているのも興味があったが、何よりも、リュミエール兄弟の映画に出ているギャグのコンビが主人公だというのを宣伝の方に聞いて、早く見たかった。

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2016年12月26日 (月)

『土竜の唄 香港狂騒曲』の客層

毎年のことだが、「正月映画」はどうも見る気がしない。いかにも「ある客層」を狙っている気がして、私は違うと言いたくなる。そこでちょっと外した映画はないかと考えて、三池崇史監督の『土竜の唄 香港狂騒曲』にした。

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2016年12月25日 (日)

36歳のゴダール

アンヌ・ヴィアゼムスキーの『彼女のひたむきな12カ月』を読んだ。ヴィアゼムスキーは、『中国女』(1967)を始めとして60年代後半のジャン=リュック・ゴダールの映画に出演し、生活をともにしていた女性だが、今は小説家として知られている。

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2016年12月24日 (土)

カラフルな『七人の侍』?

京橋のフィルムセンターに1月29日まで開催の「戦後ドイツの映画ポスター」展を見に行った。チラシでカラフルな色合いの『七人の侍』ポスターを見てびっくりしたからだ。7階の展示室にはまず、常設展示がある。

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2016年12月23日 (金)

宗教はビジネスか:その(2)

島田裕巳氏の『新宗教ビジネス』について、もう少し書きたい。創価学会は「ブック・クラブ」型のビジネス・モデルと書いたが、そうであれば、最も重要な作者の池田大作氏には莫大な印税収入が入るはずだ。しかし、ここですごいのは、彼がそれをほとんど懐に入れていないことだ。

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2016年12月22日 (木)

秋田蘭画に驚く

歴史が短く、まだまだ研究も進んでいない映画史に比べて、美術史では「再発見」や「再評価」がよく行われている気がする。1月9日までサントリー美術館で開催されている「小田野直武と秋田蘭画」展もその一つではないか。正直に言うと、「秋田蘭画」はどこかで聞いたことがあったが、小田野直武という画家は知らなかった。

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2016年12月21日 (水)

宗教はビジネスか:その(1)

「宗教映画祭」で山本政志監督の『水の声を聞く』(2014)を見て思ったのは、こんなに簡単に宗教団体を作れるのかということだった。そこで、「宗教映画祭」のパンフにも書いてもらった島田裕巳さんの『新宗教ビジネス』などを読んでみた。実は前から買ってあったが、読んでいなかった。

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