2016年8月29日 (月)

テレンス・マリック問題について

実を言うと、最近のテレンス・マリック作品が全くピンと来ない。彼の『ツリー・オブ・ライフ』(2011)を見て、その哲学的思考にしまいに退屈してしまった。その後の『トゥー・ザ・ワンダー』(12)をベネチアで見た時は、いい加減にしろと思った。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月28日 (日)

パリのささいなこと:その(5)

日本人にとって、パリで一番いらいらするのは、窓口で待つことだろう。最近暑いので市営プールによく行くが、チケットを売るのはたったの1人。だからチケットを買うだけで10分待つこともある。これはスーパーも同じで、10人客がいても1人でゆっくりやる。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月27日 (土)

「イン・ザ・ルーム」の現代性

今、アジア映画はどれもおもしろい。アピチャッポンのいるタイやメンドーサのいるフィリピンはもちろんのこと、30年前には映画産業そのものがが存在しなかったシンガポールにさえ、おもしろい映画がどんどん出ている。カンヌで見たボー・ジュンフェン監督の「弟子」apprenticeもそうだった。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月26日 (金)

1952年のカンヌ

1951年9月のベネチアで黒澤明の『羅生門』が金獅子賞を取って以降、日本映画が海外の映画祭で毎年のように賞を取ることになる。実は数ヶ月前のカンヌでも『また逢う日まで』が出品される予定だったが、字幕が間に合わず短編『稲の一生』が出たのみだった。1952年のカンヌは、『羅生門』に続けと各社が競って出そうとした。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月25日 (木)

作家映画2本:「モカ」と「カップルの経済学」

ロカルノで「ピアッツァ・グランデ」(大広場)で上映されるものは、コンペ作品ではない。既にカンヌで話題になった作品や、一般にもわかりやすい映画が多い。そこで上映されていたフレデリック・メルムー監督の「モカ」Mokaをパリの劇場で見た。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月24日 (水)

オリンピック嫌いから映画祭嫌いへ

ようやくオリンピックが終わった。パリのアパートにテレビはあるが、そもそも見ない。それでも新聞は読むので、日本もフランスもオリンピックの記事が増えてうんざりする。あるいはフェイスブックで映像が流れる。日本はメダルの獲得数が過去最多らしいが、そんなことがどうして嬉しいのだろう。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月23日 (火)

シャルル・グレールからビキニへ

ベルリンから来た友人がオルセー美術館に行きたいと言うので、「シャルル・グレール展」を見ることを条件に付き合った。実はこの画家の名前は聞いたことがなかったが、ルノワールやモネの師だったアカデミズムの画家というだけで見たくなる。フランスで初の個展らしい。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月22日 (月)

シネマテークの常設展示に考える

シネマテークは8月いっぱい休みなので、7月末にシネマテークの常設展示を休館前に久しぶりに見ようと思った。9月以降はベネチアそのほかでバタバタになるから。32年前にシャイヨー宮のシネマテークで見た時の展示は、正直に言うと骨董市のようだった記憶がある。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月21日 (日)

『釜山行き』の驚異的娯楽度

今日から、ちょうどあと1ヵ月後にパリを発つ。だんだんバカンス明けが始まり、映画館で新作が増えてゆく。封切られたばかりの韓国映画『釜山行き』を見た。ヨン・サンホ監督、コン・ユ主演で韓国で大ヒット中というが、5月のカンヌのコンペ外上映でも大好評だった。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月20日 (土)

ヴェルサイユのオラファー・エリアソン

日本から知り合いの家族が来て、どこか一緒に観光して欲しいという。もともと観光は苦手だが、ヴェルサイユ宮殿では現代美術作家のオラファー・エリアソンがインスタレーションをしていると聞いていたので、このついでに行くことにした。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月19日 (金)

『ポケットの中の握り拳』のベロッキオ

マルコ・ベロッキオ監督の第一回長編『ポケットの中の握り拳』(1965)を久しぶりに4K復元版で見た。最初の映画に監督のすべてが現れているとはよく言うことだが、今回見てまさにその通りだと思った。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月18日 (木)

パリのささいなこと:その(4)

先日、「電気とガスのメーターを測定に来るので、12時から14時まで家にいてください」と貼り紙があった。友人と昼食の予定だったので、私が自宅で作ることにして待った。12時ちょうどにドアを叩く音。友人かと思ったら、野球帽をかぶったボクサーのような黒人男性が立っていた。スパイク・リーかと思った。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月17日 (水)

『風櫃の少年』ノスタルジア

久しぶりに侯孝賢監督の『風櫃の少年』(1983)を見た。ボローニャのラボにスコセッシのフィルム・ファウンデーションがお金を出した4K復元版だが、今回はベルギーのシネマテークがイニシアティブを取ったようだ。昨年のベネチアのクラシック部門に出ていた。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月16日 (火)

音痴の歌姫比べ

これからしばらく、パリの日常に戻る。スティーヴン・フリアーズの新作、「フローレンス・フォスター・ジェンキンス」を見た。大富豪の音痴の歌姫の話と聞いて、どこかで聞いたことがあると思ったら、この春に日本で公開したフランス映画のグザヴィエ・ジャノリ監督『偉大なるマルグリット』にそっくりの話。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月15日 (月)

24年ぶりのロカルノ:その(5)

カンヌの時と同じく、賞の発表の前日にパリに戻ってパソコンで受賞結果を見た。映画祭最終日は上映作品も少なくなるので、私にはこれで十分。受賞の言葉などは映画祭のサイトに出ているから、記事は書ける。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月14日 (日)

パリのささいなこと:その(3)

既にロカルノの受賞結果が出たが、書く余裕がないので、パリのネタを載せたい。フランスは美食の国として、知られている。しかしながら、前にここに書いたように、ワインに詳しい人は極めて少ない。そもそも普通の食事でも、味というものがほとんどわからないフランス人が半分はいる気がする。

» 続きを読む

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年8月13日 (土)

24年ぶりのロカルノ:その(4)

今回のロカルノで思うのは、女性監督の活躍だ。コンペ17本のうち6本が女性、先日書いた男女で監督した「スラヴァ」と「ミスター・ユニヴェルソ」を加えたら8本になる。これはたぶん意識的な選択だろう。カンヌやベネチアでは、コンペに女性が1人いたらいい方だから。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月12日 (金)

映画以外のロカルノの話:その(2)

ロカルノの最高賞は「金豹賞」。ベルリンが「金熊賞」、ベネチアが「金獅子賞」、カンヌが「金棕櫚賞」だが、日本ではカンヌだけカタカナで「パルムドール」。だからロカルノのシンボルは豹で、期間中は町中が黄色に黒の紋の豹の帯で囲まれる。さて、豹はロカルノにいるのか。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月11日 (木)

24年ぶりのロカルノ:その(3)

コンペを中心に見ているが、気になった作品について書き留めておきたい。『風に濡れた女』と「鳥類学者」については既に触れたが、同じくらいおもしろかった映画が2本あった。1つはブリガリア映画の「スラヴァ」Slava、もう1つはオーストリア=イタリア合作の「ミスター・ユニヴェルソ」Mister Universo。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月10日 (水)

映画以外のロカルノの話:その(1)

前回のロカルノでは、グランド・ホテルに泊まった。駅近くの丘に立つ壮麗なホテルで、当時は1泊4万円ほど。たいしたことのなさそうな3つ星が2万円以上だったので、そこに決めた。それは1925年のロカルノ条約が結ばれた歴史的施設で、その銘板もあった。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 9日 (火)

24年ぶりのロカルノ:その(2)

ロカルノ映画祭はベネチアやトロントを一か月後に控えているため、昔から差別化を図る努力をしている。1つは過去の作品の特集回顧上映をやることで、1983年の成瀬巳喜男特集は、成瀬を世界的に「発掘」したものとして語り継がれている。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 8日 (月)

24年ぶりのロカルノ:その(1)

1992年以来、24年ぶりにロカルノ映画祭に来た。このスイスの山奥のマジョーレ湖に面した優雅な保養地に前回行ったのは、最初の職場の語学「研修」でパリに3ヵ月いた時。いまも在外「研修」と称して、また同じようなことをしているとふと思った。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 7日 (日)

『ファーゴ』に考える

全く恥ずかしい話だが、コーエン兄弟監督の『ファーゴ』(1996)を始めて見た。厳密には監督はジョエル・コーエンとクレジットされているが、イーサンと共同脚本だし、イーサンが製作なので兄弟の作品だろう。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 6日 (土)

パリのささいなこと:その(2)

なぜか日本食を食べていない。我慢しているわけではなく、アパートの近くには中国人やベトナム人経営の和食しかないので、行かない。オペラ座付近の日本料理店には朝日新聞のパリ支局の方に連れて行ってもらったが、そこにいる日本のパリ駐在員たちや日本好きのフランス人インテリたちを見て、行く気が失せた。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 5日 (金)

ベルリンで見た映像の展示

ベルリンの話をもう少ししたい。この街は、パリと同じくらい展覧会が充実している。島にいくつもの博物館が集積する地区があり、ラファエロやフェルメールを何点も持つ絵画館がある。もちろんナチやユダヤ関係の博物館もある。さらに「ウィリアム・ケントリッジ」展や「スペイン美術の黄金の世紀展」など企画展も多かった。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 4日 (木)

「ギボールは戦争に行く」と「カルミナ!」のユーモア

フィリップ・ファラルドーというカナダの監督は、日本でも『ぼくたちのムッシュ・ラザール』や『グッド・ライ 一番優しい嘘』(未見)が公開されている。同じカナダでも、グザヴィエ・ドランのように繊細な才能を炸裂させるわけでも、ドゥニ・ヴィルヌーヴのように激しいドラマを見せるわけでもない。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 3日 (水)

パリのささいなこと:その(1)

かつてここで日常のささいだが気になることをまとめたが、パリ編を書き留めたい。毎日2階から道を歩く人を眺めているが、アジア人とそれ以外は歩き方が違う。アジア人は腰を中心に足を擦る。ヨーロッパ人やアフリカ人は足に力を入れて歩くので上体が大きく揺れる。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 2日 (火)

16区の展覧会をハシゴ

16区は高級住宅街として知られるが、私の住んでいるアパートからはかなり遠い。だからその地区の展覧会をいくつかまとめて見た。パリ市立近代美術館の「アルベール・マルケ展」、となりのパレ・ド・トーキョーの「ミシェル・ウェルベック展」に、近くのギメ国立東洋美術館の「アラーキー展」。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 1日 (月)

『セリーヌとジュリーは舟でゆく』の溶ける時間

ジャック・リヴェット監督の『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1973)を始めてきちんと見た。たぶん20年ほど前に東京日仏学院で見たはずだが、途中で寝てしまった。今回見て、奇妙奇天烈な物語が3時間15分も続くのだから無理もないと思った。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月31日 (日)

シャンティ城とベルリンのラフェエロ

パリ郊外というより、急行で20分のオワーズ県にシャンティ城がある。そこには膨大な絵画のコレクションがあり、とりわけラファエロはすばらしいと聞いていたので、行ってみた。駅まではよかったが、その後が大変だった。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«川喜多かしことヒロコ・ゴヴァースの跡を追って:その(1)