2017年9月19日 (火)

ベネチアで読む『ぼんち』

10年近く前にベネチアに行った時、山崎豊子の『沈まぬ太陽』全5冊を読んだ。たぶんその時来ていた朝日の記者から借りたと思う。おもしろ過ぎて、するすると読んだ記憶がある。それもあって、今回ベネチアに行く時に持って行った一冊が同じ山崎の『ぼんち』。

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2017年9月18日 (月)

『彼女がその名を知らない鳥たち』の衝撃

10月28日公開の白石和彌監督『彼女がその名を知らない鳥たち』の試写を見た。この監督は『凶悪』で注目を集めたが、現代社会の問題を直視しながら人間の奥に潜むとんでもない悪を描く名手だと思った。

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2017年9月17日 (日)

カッセルをさまよう

ベネチアの映画祭の後にパリに数日滞在している間に、ドイツのカッセル・ドクメンタにも足を伸ばした。カッセル・ドクメンタとは、5年に1度開かれる大規模な現代美術展だが、ベネチア・ビエンナーレのように国別のパビリオンも賞制度もなく純粋なテーマ重視のため、少なくともかつてはベネチアよりも重要視されていたと思う。

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2017年9月16日 (土)

ベネチアもこれで最後か:その(9)そのほかの映画

まだベネチアの話かと言われるかもしれないが、「朝日」もやっと昨日の夕刊に記者の報告を載せているので、まだ触れていないいくつかの作品について書いておきたい。まず受賞作品で個人的に今一つだったのが、銀獅子の審査員大賞のイスラエルのサミュエル・マオス監督「フォックストロット」。

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2017年9月15日 (金)

セザンヌの肖像画の衝撃

パリで一番おもしろかったのは、オルセー美術館で開催中の「セザンヌ:肖像画」展。セザンヌといえば、もちろんリンゴなどの静物画や山などを描く風景画で知られる。実際に肖像画は200点もないという。

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2017年9月14日 (木)

坂本龍一はヒーローだった

大島渚監督の葬儀の時、坂本龍一は弔辞の冒頭で「あなたは私のヒーローでした」と言った。このことを思い出したのは、11月4日公開の『Ryuichi Sakamoto: Coda』を見た時。これは現在65歳の彼を追ったドキュメンタリーで、ベネチア国際映画祭でワールド・プレミアだった。

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2017年9月13日 (水)

ベネチアもこれで最後か:その(9)ブーイング映画

映画祭のプレス上映では、時々大ブーイングが起こることがある。今回一番大きかったのは、ダーレン・アロノフスキー監督の「マザー!」Mother!だろう。作家を演じるハビエル・バルデムとその妻役のジェニファー・ローレンスが演じるある種のホラー映画だが、上映後のブーイングは大きかった。

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2017年9月12日 (火)

ベネチア、パリ

いつ頃からか、ベネチア国際映画祭の後にパリで数泊するようになった。イタリア映画祭の企画準備を始めた1990年末から、2007年にイタリア映画祭から離れるまで、9月初めはだいたいその経路をたどった。

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2017年9月11日 (月)

ベネチアもこれで最後か:その(8)イタリア映画

もう受賞結果が出ているが、ベネチアに来たからにはイタリア映画についてもっと書きたい。パオロ・ヴィルズィの「レジャー探し」についてはもう述べたが、コンペではほかにマネッティ兄弟の「愛と銃弾」Ammore e malavitaとセバスチアーノ・リーゾの「ある家族」Una famigliaがあった。

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2017年9月10日 (日)

映画以外の2017年ベネチアの話:その(2)

ベネチアの結果は出たが、ここではあえて違う話を書く。私は外国にいても早寝早起きだ。ベネチアでも5時頃起きる。ある朝起きて窓を開けて空気を吸っていたら、大きな蜂が舞い込んできて、部屋の中をぶんぶん回りだした。新聞紙を丸めて殺そうかと思ったが、かえって刺されと思うと怖い。

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2017年9月 9日 (土)

ベネチアもこれで最後か:その(7)賞予想

今回の最大の特徴はアメリカ映画や英語の映画に秀作が多いことだろう。そのうえ、イタリア人のパオロ・ヴィルズィまで英語で撮っている。マーティン・マクドナーは英国の監督で、新作「ミズーリ州エビング郊外の3つの看板」Three Billboards Outside Ebbing, Missouriは英国映画という表記だが、配給はアメリカのフォックス・サーチライト。

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2017年9月 8日 (金)

ベネチアもこれで最後か:その(6)日本映画

今年は例年になく、日本映画や日本に関連した作品が多いベネチアだった。実は邦画は昨年、一昨年とコンペに入っていなかったのが、今年は是枝裕和監督の『三度目の殺人』が出た。公式上映に参加したが、かなりいい反応だったと思う。

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2017年9月 7日 (木)

ベネチアもこれで最後か:その(5)

現在のベネチア国際映画祭のディレクター、アルベルト・バルベラの映画的趣味は古典的だ。アメリカ、フランスの映画を好み、中南米や中近東とアジアを少し入れる。もちろんイタリアの映画には力を入れる。当然だが、国を超えて似た感じの映画が揃う。

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2017年9月 6日 (水)

ベネチア・ビエンナーレに安心

この10年ほど前から、現代美術がわからなくなった。コンセプトを造形的な力で見せるタイプはだんだん減って、参加型とか思いつきネタ型とか映像ごまかし型が多くなって、深く考えさせるものがなくなった。2年ごとに開催されるベネチア・ビエンナーレもその傾向が強いので、今回も心配だったが行ってみた。

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2017年9月 5日 (火)

ベネチアもこれで最後か:その(4)

今年のベネチアの話題の一つは、VR(ヴェーチャル・リアリティ)映像のコンペができたこと。私の大学の卒制でもこの3月にはVR作品があったけれど、これまではきちんと見たことがなかった。

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2017年9月 4日 (月)

映画以外の2017年ベネチアの話:その(1)

ベネチアに行くために朝9時着のパリ経由の飛行機を取ったが、11時のプレス試写を見る必要が出てきた。難しいかと思っていたが、飛行機は5分前に着き、荷物も早めに出てきた。船着き場まで歩き始めるが、どうもいつもと違う。

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2017年9月 3日 (日)

ベネチアもこれで最後か:その(3)

これまでコンペを中心に作品を見てきて思うのは、世界の今後や未来を見せる映画が多いということだ。レバノンのジアド・ドウエイリ監督の「侮蔑」The Insultは、レバノンに住むパレスチナ人ヤセルとレバノン人でキリスト教徒のトニの小さな喧嘩から始まる騒動を描く。ヤセルはトニを殴ってしまうが、これがはずみで裁判沙汰になる。

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2017年9月 2日 (土)

ベネチアもこれで最後か:その(2)

着いた翌日に財布を落としたと勘違いした事件もあったが、今日は映画のことを書きたい。ここ数年のベネチアは、前半にアメリカ映画の話題作が集まることが多い。『ゼロ・グラヴィティ』『バードマン』『ラ・ラ・ランド』などがこれまでオープニングに並び、ベネチアはいつの間にかアカデミー賞争いの前哨戦となった。

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2017年9月 1日 (金)

ベネチアもこれで最後か:その(1)

また、ベネチア国際映画祭に来てしまった。最初が1992年だから、もう25年前。2001年にイタリア映画祭を始めることになり、99年頃から毎年のように通っていた。その習慣が、今でも続いている。

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2017年8月31日 (木)

『アウトレイジ 最終章』に考える

ベネチアに着いたがまだ書くことがまとまらないので、この映画祭のクロージング上映となる『アウトレイジ・最終章』を試写で見たので書く。日本での公開は10月7日。見終わると「何言うてんや、どあほ」「あんたら、それでええんか」と思わず話せないはずの大阪弁が出てきそうな気がする。

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2017年8月30日 (水)

鈴木邦男『天皇陛下の味方です』に考える

例によって天皇関係の本を読んでいるが、自分が心情的に近いなと思ったのは、実は鈴木邦男氏だった。もちろん彼はかつては一水会の代表で、新右翼の論客だった。この本は「亡き三島由紀夫と野村秋介に捧ぐ」と書かれているし。

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2017年8月29日 (火)

『エル』の爽快さ

ポール・ヴァーホーヴェン監督、イザベル・ユペール主演の『エル』を劇場で見た。実は3度目で、昨年5月のカンヌで見て、8月頃パリの映画館で見ていた。あの極めてフランス的な映画を日本の観客の中で見たらどうだろうか、と思った。

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2017年8月28日 (月)

自分はノスタルジア症候群か

40歳後半あたりから、だいたい仕事も暇になって同窓会が流行りだす。そうでなくても、何十年ぶりの友人と会うことが多くなった。そんな時私は嬉しくて興奮するのだが、おおむね相手はそれほどではないことが多い気がする。

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2017年8月27日 (日)

『夜明けを告げるルーの歌』にうなる

去年のアニシー国際アニメーション映画祭で、グランプリを取ったのが湯浅政明監督の『夜明けを告げるルーの歌』。次席の優秀賞を取った『この世界の片隅に』を抑えての受賞だった。この監督は、その前(といっても今年)の『夜は短し歩けよ乙女』が抜群に良かった。

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2017年8月26日 (土)

玉音放送の本当の中身

最近、映画と天皇について調べているが、映画で天皇の存在が一番出るのは「玉音放送」ではないだろうか。特に「耐え難きを耐え忍び難きを忍び」という一節はテレビでもよく出てくる。ところが考えてみたら全文を読んだことはなかった。

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2017年8月25日 (金)

ヌーヴェル・ヴァーグの功罪:その(7)

前にもここで書いたが、ヌーヴェル・ヴァーグと伴走した映画評論家ジャン・ドゥーシェのインタビューが『週刊読書人』でえんえんと連載されている。去年パリで出会った20代半ばの久保宏樹さんによるもので、最新の8月25日号で21回にもなる。

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2017年8月24日 (木)

『天皇陛下の全仕事』に頭がクラクラ

『天皇陛下の全仕事』という新書を読んだ。もちろん学生の映画祭「映画と天皇」の準備のため。山本雅人という産経新聞の元皇室記者が書いたものだが、「天皇の仕事がいかに多いか」を知って頭がクラクラした。

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2017年8月23日 (水)

好きな人は好きだろう『ベイビー・ドライバー』

もともと音楽を聴かない私は、音楽を中心に据えた映画が苦手だ。クラシックやジャズか日本の歌謡曲ならまだ少しは知っているが、この映画のようにアメリカのポップス音楽が最初から最後まで流れっぱなしだと、ちょっと引いてしまう。

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2017年8月22日 (火)

大宅壮一に笑う

大宅壮一は「駅弁大学」や「一億総白痴化」などの造語で知られるし、大宅文庫は雑誌の図書館として有名だ。しかし彼の書いた文章はほとんど読んだことがなかった。今回、必要があって少し読んでみた。

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2017年8月21日 (月)

ファティ・アキンの軽やかな新作

トルコ系ドイツ人のファティ・アキンは、ドイツにおける移民問題を追及した『愛より強く』(2004)や『そして、私たちは愛に帰る』(07)のようにずっしりと重い映画も作れば、『ソウル・キッチン』(09)のように見たら踊りたくなる楽しい作品も作る。

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«「遠藤利克展」を見に北浦和へ