2017年7月26日 (水)

『君はひとりじゃない』の味わい

2年前のベルリンで金熊賞を取ったポーランド映画『君はひとりじゃない』を劇場で見た。マウゴシュカ・シュモフスカという女性監督の映画だが、邦題が同日公開の『彼女の人生は間違いじゃない』みたいで、何となく遠慮していた。個人的にはこんな題名は苦手。

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2017年7月25日 (火)

ヌーヴェル・ヴァーグの功罪:その(4)

山田宏一さんが川喜多賞を受賞されるというので、久しぶりに彼の『友よ映画よ、わがヌーヴェル・ヴァーグ誌』を読んだ。かつて単行本で読んでいたが、手元に平凡社ライブラリーの増補版があったので、あちこちに持ち歩きながら分厚い文庫を読み終えた。

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2017年7月24日 (月)

『メアリと魔法の花』を楽しむ

スタジオジブリの製作部門が解体し、そこで活躍していた若手の米林宏昌監督と西村義明プロデューサーが立ち上げたスタジオポノックの第一回作品。それだけで見なければという気がしたので、劇場に出かけた。

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2017年7月23日 (日)

オーソドックスなフランス、イタリア料理店

最近、あまり奇をてらわないオーソドックスなフランス料理店とイタリア料理店に行く機会があった。外苑のフランス料理「アミニマ」は、前菜が20種、メインが5種くらいが黒板に書かれている。

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2017年7月22日 (土)

『立ち去った女』に流れる時間

前に書いたように、この夏から秋にかけて強烈なフィリピン映画が3本公開される。『ダイ・ビューティフル』は今日、『ローサは密告された』は7月29日。そして10月には真打ち、ラヴ・ディアスの『立ち去った女』。去年のベネチアで金獅子賞を取った時に見ていたが、再見した。

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2017年7月21日 (金)

「タイ」展の楽しさ

東京国立博物館で8月27日まで開催の「タイ~仏の国の輝き~」展を見た。そもそも私の仏教に関する知識はかなり低い。たぶん、文学や映画や美術でよく触れるキリスト教より知らない。だから日本の仏教とタイのそれがどう違うのかさえよく知らない状態で見たが、それなりに楽しめた。

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2017年7月20日 (木)

『笑う故郷』の複雑な魅力

9月16日公開のアルゼンチン=スペイン映画『笑う故郷』を見た。昨年のベネチアで主演男優賞を取った映画で、そこで見ていた。原題は「名誉市民」でその後の東京国際映画祭でもこの題名で上映されたが、今回2度目に見るとずいぶん違って見えた。

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2017年7月19日 (水)

「不良が文化を創ってきた」に同感

「朝日新聞」の土曜朝刊文化面では角川春樹と佐伯泰英の両氏による往復書簡が連載されている。個人的には2人ともマッチョな感じで好きではなかったが、書簡はなかなかいい。先日の見出しは「不良が文化を造ってきた」で角川氏の手紙だった。

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2017年7月18日 (火)

真夏の気分転換に『パイレーツ・オブ・カリビアン』

『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』を劇場で見た。あまりに暑い夏の気分転換にいいと思ったから。実際に大半が海を舞台にしたドラマなので、涼しさを味わった。大海が真っ二つに割れて、その奥で最後の戦いが繰り広げられるのだから。

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2017年7月17日 (月)

真夏の教授のファッション

最近は文科省の指導で、授業の回数が増えた。昔は年に25回前後だったのが、30回になった。そうすると7月末までの授業が普通になる。そんな真夏に教授は何を着るのか。

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2017年7月16日 (日)

黒沢清の大傑作

9月9日公開の黒沢清監督『散歩する侵略者』を見た。大傑作である。一見、B級のSF映画のようだが、実はかなり本格的で迫力満点。長谷川博己が小型飛行機に追われて逃げ回る『北北西に進路を取れ』のようなシーンもあるのだから。

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2017年7月15日 (土)

「サンシャワー」展に考える

国立新美術館と森美術館で同時開催の「サンシャワー 東南アジアの現代美術展」を見た。見たけれども、この展覧会についてどこから書いていいのかわからない。まず、会場に作品リストがなかった。

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2017年7月14日 (金)

『からゆきさん』を見た

木村荘十二監督の『からゆきさん』(1937)を見る機会があった。「からゆきさん」とは江戸末期から明治、大正にかけてアジア各地に売られた日本人娼婦のことで、九州出身者が多かったという。

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2017年7月13日 (木)

『「文藝」戦後文学史』に考える

佐久間文子著『「文藝」戦後文学史』を読んだ。もともと「文芸誌」というものを読んだことはほとんどないのだが、著者が昔の同僚だったので、買ってみた。これが予想以上におもしろかった。

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2017年7月12日 (水)

『ぼくたちの亡命』の古さと新しさ

内田伸輝監督の『ぼくたちの亡命』を見た。この監督の映画は東京フィルメックスでグランプリを取った『ふゆの獣』(2011)を含めて1本も見ていなかった。私の教えている大学の出身でもあるので、見たいと思っていた。

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2017年7月11日 (火)

『Matsushima』と『蓮香』のマニアック中華

最近は神楽坂の『エンジン』や四谷荒木町の『遊猿』など、若い中華のシェフが小さめの店で自由な味を展開する「ネオ中華」が増えた。この2軒はどちらかというと和食の要素を取り入れているが、最近行った代々木上原の『Matsushima』と白金の『蓮香』(れんしゃん)は、中国奥地の少数民族料理を追及しているマニアックな店。

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2017年7月10日 (月)

『禅と骨』の奇妙な魅力

9月2日公開の『禅と骨』の試写を見た。監督の中村高寛は、前作の『ヨコハマメリー』(06)が大好評だったが、見ていない。今回はドラマのパートがあって、余貴美子や緒川たまき、永瀬正敏、佐野史郎なども出ているというではないか。

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2017年7月 9日 (日)

『安倍三代』にやっぱり:続き

「反骨と反戦の政治家・寛の息子として生を受け、その父を最大の誇りにしつつ、父の‟遺産”の上に晋太郎は立っていた。しかもきらびやかな閨閥の列に連なった世襲のプリンスでもあったが、その人生に課せられた孤独と戦争体験がバランス感覚や優しさといった人格を作った」

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2017年7月 8日 (土)

『孤獨の人』に描かれた皇太子

必要があって、西河克己監督『孤獨の人』(1957)を名画座に見に行った。今の天皇が学習院高等科に通っていた頃の「ご学友」たちとの交流を描いた日活の珍しい映画だが、「珍品」というのではなく爽やかな佳作だった。

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2017年7月 7日 (金)

『安倍三代』にやっぱり

青木理著『安倍三代』を読んだ。この著者はだいぶ前に『日本の公安警察』を読んでおもしろかった記憶があった。その頃は共同通信の記者だったが、いまはフリーで活躍しているようだ。

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2017年7月 6日 (木)

『三里塚のイカロス』に考える

カメラマンの故・大津幸四郎氏の遺作となった『三里塚に生きる』(2014)の共同監督を務めた代島治彦監督が、続編として『三里塚のイカロス』を完成した。9月に公開されるというので試写を見たが、前作同様に、深く考えさせられた。

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2017年7月 5日 (水)

リサイクル生活へ:その(1)

インターネットやデジタル化によってこの20年間の日本に起きたのは、モノの極端な供給過多なのではないだろうか。衣服も住宅も食物も車も家電も。世界中がマーケットになり、安く早く売り尽くす資本家が巨額の富を蓄えた。

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2017年7月 4日 (火)

『ラスト・プリンセス』に泣く

韓国映画『ラスト・プリンセス―大韓帝国最後の皇女―』を劇場で見た。『八月のクリスマス』のホ・ジノ監督ということもあったが、日本統治時代に日本に連れてこられた韓国の皇女の話というだけで、見る義務があると勝手に思った。

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2017年7月 3日 (月)

『ダイ・ビューティフル』の優しいまなざし

去年の国際映画祭はフィリピン映画が席巻した。ベルリンではラヴ・ディアス監督が『痛ましき謎への子守歌』でアルフレッド・バウアー(銀熊)賞を取り、カンヌではブリランテ・メンドーサ監督の『ローサは密告された』が主演女優賞に輝いた。ベネチアでは再びラヴ・ディアスが『立ち去った女』で金獅子賞。

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2017年7月 2日 (日)

アルチンボルドは単なる「だまし絵」の画家ではなかった

アルチンボルドという奇想の画家の作品は、これまでパリのルーヴル美術館やウィーンの美術史博物館で数点を見たのみだったので、いつかまとめて見たいと思っていた。それが何と、上野の国立西洋美術館で個展が始まったので、見に行った。

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2017年7月 1日 (土)

ヌーヴェル・ヴァーグの功罪:その(3)

ヌーヴェル・ヴァーグを語るうえで、一番の問題というか踏み石となるのは、「作家主義」ではないだろうか。これは最初聞いた時はすばらしいと思ったが、だんだん疑問が生じてきた。この主義のポイントは、映画を監督のものとすることと、尊敬する監督の作品なら駄作でも評価すること。

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2017年6月30日 (金)

なぜかロメールに通う:その(3)

もう1本だけ、ロメールについて書いておきたい。『愛の昼下がり』(1972)は、1984年8月末にパリのダンフェルロシュローの映画館で見たはずだが、内容は全く覚えていない。今回見て思ったのは、たぶんこの内容だと当時は寝てしまったに違いない。

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2017年6月29日 (木)

ヌーヴェル・ヴァーグの功罪:その(2)

ジャン・ドラノワ監督の『田園交響楽』(1946)をDVDで見た。これも前回に書いた『肉体の悪魔』同様に、フランソワ・トリュフォーが「フランス映画のある種の傾向」(54)で名指しで非難した。この映画は46年の第一回カンヌ国際映画祭で最高賞のグランプリを取っている。

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2017年6月28日 (水)

ドゥパルドンの総集編としての『旅する写真家』

レイモン・ドゥパルドンは日本ではあまり知られていないが、私がかなり前から好きなフランスの写真家、映画監督である。9月に2012年の作品『旅する写真家』が公開になるというので、試写を見た。

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2017年6月27日 (火)

困ったお客さんの話:その(2)

(前の続き)東大生が犯人だとわかった私は、「なぜそういうことをしたのか」と聞いた。すると「見たい映画を見るためには何でもする、みたいな感じで」と答えた。「それは蓮實重彦先生の教えか」と聞くと「そうではないけど」と口をつぐんだ。

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