安ワインに挑む
この数年間、ワインはいつも「カクヤス」で買っていた。20種類くらいの銘柄は4本買うと1割くらい安くなって900円ほどで、かなりいいワインを選べた。5、6年前は「メドック」まであったが、どんどんレベルは落ちていった。
この数年間、ワインはいつも「カクヤス」で買っていた。20種類くらいの銘柄は4本買うと1割くらい安くなって900円ほどで、かなりいいワインを選べた。5、6年前は「メドック」まであったが、どんどんレベルは落ちていった。
三宅唱監督の『旅と日々』を劇場で見た。この監督は『君の鳥はうたえる』(2018)、『ケイコ目を澄ませて』(22)といった力作に驚いてきたが、『夜明けのすべて』(24)ではある種の軽みが出ておもしろかった。
名前は聞いたことがあった。ネリー・カプランは1980年代から90年代のパリで「知る人ぞ知る」ような感じの女性監督だったと記憶するが、1本も見たことがなかった。今度この監督の作品が12月26日から4本まとめて公開されるという。
東京国際映画祭は安藤裕康チェアマン、市山尚三プログラミング・ディレクター、石坂健二シニア・プログラマーの体制が今年で5年目となり、少なくとも上映作品の外国からの見栄えはずいぶんよくなった。なぜ東京でこのラインナップなのか、というのはある程度明確になったと思う。
私は神楽坂のはずれに住んでいるが、最近、ここにも外国人が増えた。もともと付近にホテルはなかった。一番近いのが20分ほど歩く椿山荘で、そうでなければ早稲田か高田馬場か飯田橋か。ところが数年前に、歩いて5分以内の場所に20室ほどのミニホテルが2つできた。
もう受賞結果も出たが、まだ触れていない作品について書いておきたい。結果について言えば、『パレスチナ36』のグランプリは妥当だろう。国際映画祭はその時々のトピックに反応することが多いので、今のパレスチナ問題の起源を見せるこの映画は「政治的に正しい」し、映画としても見ごたえがあった。
市山氏がディレクターになってから確実に変わったのは、彼が東京フィルメックスの時代に見せていた作家性の強い監督の作品がコンペに入っていることだ。今回で言えばイスラエル出身のアモス・ギタイ監督の『ポンペイのゴーレム』、カンボジア出身のリティ・パン監督の『私たちは森の果実』など。
映画祭なので珍しく連投。コンペで良かった作品について書いておく。まず中国のチャン・リュル監督の『春の木』は、30代の女優の生き方を描くが、その繊細な人間描写が胸に沁みた。最初に春樹(チュンシュ=女性)のオーディションのシーンが出てくる。
東京国際映画祭の期間中には、よく知らない外国人からメールが来る。おおむねフランス人が多く、フランスに住む日本人やフランス人の紹介で会いたいというもの。そういうメールは基本的にOKして、映画祭の合間に珈琲か昼食をご馳走する。
さて、東京国際映画祭はよくなったのか。もちろん、基本的にはずいぶんよくなった。公式カタログ(2300円!今はプレスにも配布されない)には、少なくとも2020年にはあった首相や経産大臣や都知事の写真や挨拶はなくなった。これだけでも「後進国」の感じがだいぶ減る。
今年も昨日から東京国際映画祭が始まった。1985年に始まったが、最初の数年は2年に1度だったので今年で38回目。最初は邦画大手などの「話し合い」で上映作品を決めていたが、国際映画祭にはディレクターが必要だとわかって、2003年からコンペにプログラミング・ディレクターが設けられた。
長い間、「将来」のために努力してきた気がする。のんびり好き勝手にやっていたのは中学生までで、高校生になってからは「いい大学」に入らないと思ってきたし、大学生の時は「いい仕事」をするために頑張らないといけないと常に考えていた。
ここに書いたように、先日、鹿児島へ行った。福岡生まれなので鹿児島は何となく馴染み深いが、ほとんど行っていない。考えてみたら、中学3年生の時、つまり50年くらい前のことだった。1度はたぶん修学旅行で鹿児島、宮崎、大分に行ったはず。
NHKの朝ドラ「あんぱん」が終わって少しだけど「ロス」状態になった気がする。なぜか毎朝あの番組を見ると嬉しくなった。正直に言うと戦前の部分に比べたら戦後は単調になったが、それでも「柳井崇」=「やなせたかし」が少しずつ有名になるのを見るのは気持ちよかった。
山形ではコンペは2本しか見なかった。イグナシオ・アグエロ監督の『亡き両親への手紙』はちょっと失望した。この監督は『100人の子供たちが列車を待っている』が1989年の第一回映画祭で上映され、その後映画館でも公開された。
9月初旬に10日ほどヨーロッパに行ってから、どうも飛行機や新幹線にばかり乗っている。ようやく心身が慣れた9月末に義兄が亡くなり、葬儀で福岡を往復した。葬儀場が空港からさほど遠くなかったので、思ったほど疲れなかった。
現在開催中の山形ドキュメンタリー映画祭は2年に1度の開催だが、1991年の第2回から毎回通っている。といっても全部は見ていなくて、おおむね金曜夜から休日になる月曜夜までの滞在。大学に移ってからは月曜が休日でも授業だが金曜は普通は授業がないので、おおむね木曜夜入りで日曜夜帰りの3泊。。
パリ、ブリュッセルから戻ってひと月になるが、まだ触れていない美術展がいくつかあるのでもう1回だけ。去年、5年ぶりにパリに行ってルーヴル美術館やポンピドゥー・センターの常設展を見た。特にルーヴルは「モナリザ」などの部屋を除けばガラガラなので、名画を見ながら何とも豊かな時間を過ごせた。今回はオルセー美術館の常設を見た。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』を劇場で見た。この監督は大好きな映画が多いが『リコリス・ピザ』(2021)が全くピンと来なかったので、ちょっと心配だった。しかし今回はこれまでにないくらいハマってしまった。
今回6年ぶりにエール・フランスに乗ったが、機内上映のリストに日本映画がなかったのに驚いた。かつては日本便なら必ず最新の日本映画があったものだが。あるのはフランス映画とメジャーなアメリカ映画だけ。昔は日本映画のほか、韓国や欧州各地の映画も見られたが。
ここでは政治のことはめったに書かないが、高市早苗氏が自民党総裁に選ばれたら何か言いたくなった。事前の予想では小泉進次郎氏が優勢だったが、SNS工作とか神奈川県での党票操作などが影響したのか失速した。
昔、何度か高知県立美術館と仕事をしたせいで、この美術館からは今でも案内が送られて来る。そこで開かれる展覧会のチラシなどを見るだけだが、「これは見てみたい」と思ったのが「絵金」の展覧会だった。
ではパリで何をしていたのか。4晩のうち2晩はいつもの友人と、あとの2晩はほかの面々と夕食だった。昼間は展覧会をいくつか見て映画を1本見て、あとはウロウロした。一番気持ちよかったのは、パリの街中を1時間ほど歩いたことか。
管虎(グアン・フー)監督の『ブラックドッグ』を劇場で見た。中国の砂漠に近い町が舞台だが、その野放図な視覚的で抽象的な展開に目を奪われてしまった。映画で最初から最後までビックリし続けたのは、本当に久しぶりではないか。
今回、高くなったのは飛行機だけではない。ホテルは9年前に住んでいた13区のアパートに近い小さなホテルがお気に入りだが、どんどん高くなるうえに今年は円が安いのでたまらない。9年前は1€=105円くらいだったが、今は170円だからレートだけで1.5倍以上になる。
大友啓史監督の『宝島』を劇場で見た。『国宝』と同じく3時間超えだし、製作費も25億円というし(業界では外向けにはかなり多めに言うことがよくあるが)、俳優も永山瑛太、妻夫木聡、窪田正孝、広瀬すずと実力派が揃っている。
先日、パリやブリュッセルに行った時に読んでいた本は、何と高階秀爾『カラー版 名画を見る眼Ⅰ-油彩画誕生からマネまで』。昨年亡くなられた高階さんは何度も会ったし、取材でコメントをもらったこともある。ある画家のホームパーティやフランス大使館の夕食会でもご一緒した。
ジャン=リュック・ゴダール監督『シナリオ』を劇場で見た。18分の遺作『シナリオ』と、ゴダール自身が制作ビジョンを語るドキュメンタリー映像 『シナリオ:予告篇の構想』が36分で計54分。シニア割引もない一律1700円の「特別料金」。
先日、ブリュッセルでタッチ式のクレジット・カードで地下鉄やバスに乗った話を書いたら、パリに住む知り合いから、フランス以外はヨーロッパはどこもそうなりつつあると教えてもらった。フランスはいったいどうしたのだろうか。
最近のコメント