2019年5月20日 (月)

『きみと、波にのれたら』の水と火に酔う

6月21日公開の湯浅政明監督のアニメ『きみと、波にのれたら』の試写を見た。この監督は、2年前に『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』を見てその表現の自由さに仰天した。さて今度はどうなるかと期待したら、何と純愛ものだった。

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2019年5月19日 (日)

都写美から文化村へ

長年美術の仕事をしていたので、映画を見ると近くにある美術館に寄ることが多い。ガレルを見に恵比寿に行って東京都写真美術館で宮本隆司展などを見て、映画美学校で試写を見てから文化村のザ・ミュージアムで「印象派への旅」展を見た。

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2019年5月18日 (土)

またガレルを見る

先日フィリップ・ガレル監督の『ギターはもう聞こえない』(1991)を見たが、もう1本の『救いの接吻』(89)もなぜか日に日に見たくなってとうとう最終日に見に行った。こちらは白黒だし、ガレル本人が監督を演じ、妻も息子も父親もそのままの役で出てくると聞いて、これはやめようかと思っていたのだが。

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2019年5月17日 (金)

展覧会をめぐる本:その(2)

高橋明也氏の『美術館の舞台裏』を読んでいて、「あっ!」と思ったことがある。「カタログ・レゾネ(作家の全作品総目録)についてですが、日本の作家に限ってはめったに作成されることはありません。雪舟や伊藤若冲にもカタログ・レゾネは存在しない」。専門家には自明のことかもしれないが、一度も考えたことがなかった。

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2019年5月16日 (木)

クリス・マルケルの『不思議なクミコ』をめぐって:その(3)

クリス・マルケルについてもう一度だけ。昔、彼にインタビューしようとしたことがあった。1997年の夏から秋にかけて東京都現代美術館で開催された「ポンピドー・コレクション」展の「朝日」の担当だった私は、準備のために学芸員や新聞記者を連れてGW頃にパリに行った。

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2019年5月15日 (水)

ギョーム・ブラックの描く夏の日

夏の始まる頃に見るのにピッタリなフランス映画の秀作を見た。6月8日から公開の『7月の物語』で、監督は『女っ気なし』や『やさしい人』のギョーム・ブラック。この監督の映画はこれまでヴァンサン・マケーニュという禿げた30代の俳優がダメ男を演じていたが、今度は国立演劇学校の学生たちと撮ったという。

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2019年5月14日 (火)

なぜ新聞小説を読むのか

新聞社には16年半も務めたのに、新聞の連載小説を読んだことはなかった。友人の記者が柳美里の連載『8月の果て』で苦しんでいた時も、関心がなかった。そんなものは単行本になって読んだ方が効率がいい、毎日読むなんて暇な人のすることだ、と考えていた。それなのに最近は「朝日」の連載小説を毎日読んでいる。

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2019年5月13日 (月)

『主戦場』の問題点

日系アメリカ人のミキ・デザキ監督のドキュメンタリー『主戦場』を劇場で見た。予告編を見て「見なくていいかな」と思っていたが、ある友人がフェイスブックで満員で入れなかったと書いていたので、妙に興味が湧いた。

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2019年5月12日 (日)

展覧会をめぐる本:その(1)高橋明也著『美術館の舞台裏』

最近、展覧会をめぐる長い文章を書くことになり、関連の本を読んでいる。美術館や博物館の歴史から、いわゆる博物館学の本、そして新聞社事業部員や百貨店催事担当者の回想記までいろいろだが、なかなか私にとってのツボに触れる本がない。そんな中で「自分の考えに近い」と思ったのが高橋明也著『美術館の舞台裏―魅せる展覧会を作るには』。

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2019年5月11日 (土)

ユスターシュに浸る:その(3)

ジャン・ユスターシュの初期中編『わるい仲間』(1963)と『サンタクロースの眼は青い』(1966)は1990年代にパリで出張の合間に見たはずだが、全く記憶にない。やはり初期作品は気になるので見に行った。

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2019年5月10日 (金)

マッチョ系レストランの隆盛を憂う

私が教える大学の近くに「野郎ラーメン」というのがある。店名が毛書体のなぐり書きで、「腹が減ったら野郎に来い!」とも書かれている。もちろん客は男性ばかりで、かならず「ガテン系」と言うのか、工事現場の服装の男たちがいる。

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2019年5月 9日 (木)

ユスターシュに続き、ガレルに浸る

この連休はジャン・ユスターシュの全作品上映があったが、ポスト・ヌーヴェルヴァーグの監督として並び称せられるフィリップ・ガレルの未公開作品も上映された。調べてみるとガレルは1948年生まれでユスターシュより10歳下だが、ガレルはデビューが早いので2人の活動時期は重なっている。

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2019年5月 8日 (水)

神楽坂は中華の激戦区

昔、神楽坂は「フレンチ激戦区」と言われたことがあった。確かに東京日仏学院(今は「アンスティチュ・フランセ東京」)があり、学院内にそこそこのフランス料理店はあるが、そのほかは人が言うほどのことはないと思っていた。銀座や表参道や中目黒には全くかなわない。しかし、最近の中華は違う。

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2019年5月 7日 (火)

『嵐電』はすばらしい

5月24日公開の鈴木卓爾監督『嵐電』がすばらしかった。何がいいのかと言えば、「嵐電」と呼ばれる京都の市内電車が見ていて実に魅力的だった。正式には「京福電気鉄道嵐山本線」と言うことをこの映画で知った。

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2019年5月 6日 (月)

紙ものの展覧会:トムとジェリーからウィーン分離派へ

フェイスブックで岡田秀則さんが触れていたので、銀座松屋に「トムとジェリー展」を見に行った。アニメの「トムとジェリー」は小さい頃にテレビでよく見た。展覧会場に入ると主題歌が聞こえてきて、一挙に少年時代へ逆戻りした気分に。

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2019年5月 5日 (日)

『もう一人の彼女』の李香蘭

川崎賢子著『もう1人の彼女 李香蘭/山口淑子/シャーリー山口』を読んだ。一生の間に中国、日本、米国で活躍し、3度も名前を変えたこの女優については、自伝『李香蘭 私の半生』があるし、四方田犬彦氏の研究『李香蘭と原節子』があるので、もはや付け足すことはないかと思っていた。

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2019年5月 4日 (土)

ユスターシュに浸る:その(2)

最初、ジャン・ユスターシュ特集と聞いた時、これは後で修復版ブルーレイが出るのかと思った。ところが前回の『ぼくの小さな恋人たち』もそうだったが、今度見た『ママと娼婦』(1973)も打ち込み字幕の35㎜だった。つまり、ブルーレイ発売の予定はない。

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2019年5月 3日 (金)

天皇即位と「朝日」

新天皇の即位をめぐる「朝日」のおめでた紙面はうんざりだが、中にいくつかおもしろい記事があった。まず外部筆者がおかしい。1日朝刊に寄稿した作家の古井由吉氏は、平成元年を1991年と勘違いしたというボケのような話から始まる。

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2019年5月 2日 (木)

ユスターシュに浸る:その(1)

突然ジャン・ユスターシュの全作品上映が始まって驚いている。彼の映画は『ママと娼婦』(1973)以外には、短編の『わるい仲間』、『サンタクロースの目は青い』、『不愉快な話』、『アリックスの写真』くらいしか見ていない。とりあえず未見のカラー長編『ぼくの小さな恋人たち』(74)を見た。

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2019年5月 1日 (水)

「クリムト展」を見る

先日、六本木の国立新美術館で「ウィーン・モダン クリムト、シーレへの道」展を見たので、今度は上野の東京都美術館で「クリムト ウィーンと日本1900」展を見た。結論から言うと、両方見るとクリムトがよくわかる、と思った。

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2019年4月30日 (火)

やはりおもしろいイタリア映画祭:その(2)

自分が選んでいた時もそうだったが、イタリアほどの映画の伝統のある国ならば、年に10本はあるレベル以上の映画がある。日本で映画館で公開されるかは別の話だが。今日書く3本もなかなか見ごたえがあった。

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2019年4月29日 (月)

「令和」盛り上がりへの違和感

街を歩いていると、あちこちで「令和」の文字を目にする。店の入口に大きく文字が書かれ、酒やお菓子にまでこの文字がある。私はその雰囲気をなぜか不快に思う。「平成」になった時は、全く盛り上がりに欠けていた。というか、昭和天皇が亡くなって「自粛」ムードが支配していた。

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2019年4月28日 (日)

やはりおもしろいイタリア映画祭:その(1)

イタリア映画祭は2001年に自分が作ったものだが、最近は時間がなくてはあまり見ていなかった。今年は余裕ができたので久しぶりに何本も見た。最初に見た3本の感想は、「ベテランも若手監督もなかなかやる」というもの。

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2019年4月27日 (土)

「ウィーン・モダン」展の見どころ

GW前に、東京都美術館では朝日新聞社主催の「クリムト展」、国立新美術館では読売新聞社主催に「ウィーン・モダン」展が始まった。副題はそれぞれ「ウィーンと日本 1900」、「クリムト、シーレ 世紀末への道」でかなり似ている。

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2019年4月26日 (金)

『マルリナの明日』に愕然

5月18日に公開されるインドネシアの女性監督モーリー・スーヤーによる『マルリナの明日』を見た。「ナシゴレン・ウェスタン」と銘打たれているが、ナシゴレンはインドネシア料理に出てくる甘酸っぱいチャーハンのようなもの。つまりは「インドネシア流西部劇」なのだが、これが愕然とする映画だった。

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2019年4月25日 (木)

太陽のありがたみ

私は太陽の日差しが好きだ。みんなそうだと言われるかもしれないが、日本人はそうとも言えないところがある。そう思ったのは、スポーツクラブでランニングマシンに乗って走っていた時。係の人が「窓のカーテンを閉めましょうか」と聞く。私は外の庭の光景が好きなので「このままで結構です」と断る。すると妙な顔をされる。

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2019年4月24日 (水)

『麻雀放浪記2020』の希薄さを楽しむ

白石和彌監督の『麻雀放浪記2020』を劇場で見た。ピエール瀧出演のために公開が危ぶまれたが、予定通り公開したことが話題になっていた。この公開を応援したいと思って見に行ったが、週末にもかかわらず客の入りはかなり少なかった。

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2019年4月23日 (火)

25年ぶりの歌舞伎:続き

25年ぶりに見た歌舞伎の演目は「実盛物語」「黒塚」「二人夕霧」。歌舞伎は「通し狂言」といって、1作品を通しでやることもあるが、普通はこうした名場面集が多い。猿之助が壮絶な踊りを見せる「黒塚」、おおらかな上方和事の「二人夕霧」に比べると、「実盛物語」は、素人には見ていて一番難しいというか、コンテクストが多すぎた。

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2019年4月22日 (月)

クリス・マルケルの『不思議なクミコ』をめぐって:その(2)

私のトークは『A.K.』と『不思議なクミコ』の上映後だったので、『A.K.』の日本語版ナレーションを担当した蓮實重彦氏に、どんなきっかけでやることになったのかを事前にメールで聞いた。その返事は「野上照代さんに頼まれたから」というものだったが、その時に「クミコ」さんが昨年亡くなったことが書かれていた。

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2019年4月21日 (日)

25年ぶりの歌舞伎

かつてよく行ったのに、今はパッタリ見なくのに、オペラやクラシックやジャズのコンサートがあるが、歌舞伎や能・狂言もその一つ。歌舞伎を見始めたのはほかより遅くて、1986年春に東京に出てきてから。

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«『僕たちは希望という名の列車に乗った』の迫真性