2024年4月21日 (日)

アドリアーノ・アプラさんが亡くなった:続き

この4月15日に亡くなったアプラさんのことをもう少し書く。彼が2001年秋から翌年初めにフィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)で開催した「イタリア映画大回顧」のイタリア側の責任者だったのは、当時、チネテーカ・ナチオナーレの所長だったから。

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2024年4月20日 (土)

『ゲバルトの杜~彼は早稲田で死んだ』を見て

5月25日公開の代島治彦監督『ゲバルトの杜~彼は早稲田で死んだ』をオンライン試写で見た。私は試写は会場に行くのを原則としているが、これは日程が合わなかった。私の教える大学で学生向けの試写をする話もあり、オンラインで見ることに。

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2024年4月18日 (木)

アドリアーノ・アプラさんが亡くなった

イタリアのアドリアーノ・アプラさんが亡くなった、と書いてもほとんどの日本人にとっては「誰、それ?」かもしれない。ストローブ=ユイレの『オトン』(1970)の主役と書いても、「ああ」と言う人は多くはないだろう。

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2024年4月16日 (火)

『プリシラ』をどう見るか

ソフィア・コッポラの『プリシラ』を劇場で見た。この監督はある種のセンスでセレブの空気感を描くのに長けているが、今回はエルビス・プレスリーの元妻のプリシラ(ケイリー・スピニー)の若き日々を追いかけた。彼女の14歳から10年くらいの物語である。

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2024年4月14日 (日)

舟越桂さんが亡くなって2週間

彫刻家の舟越桂さんが3月29日に72歳で亡くなった。すぐにここに書くことをためらったのは、あれだけ有名な方だし、自分はほんの短い期間、接触しただけだったから。ところが今朝の「朝日」で酒井忠康さんによる追悼文を読んでいたら、いろいろなことが蘇ってきた。

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2024年4月12日 (金)

もう1度、ベロッキオの5時間映画を見る:その(1)

極端に長いイタリア映画には、妙に魅力がある。ベルナルド・ベルトルッチの『1900年』(1976年)は、1900年に始まって1945年の敗戦までを2人の青年を中心に描く5時間16分の壮大な叙事詩である。正確に言えば、最後には1970年代の「現代」も少しだけ出てくる。

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2024年4月10日 (水)

国立大学法人化20年

一昨日の「朝日」朝刊1面トップは「国立大法人化20年 本社調査」だった。2004年4月に国立大学が法人化され、20年がたつ。「朝日」が学長にアンケートを送ったところ、15%が「悪い方向に進んだ」、52%が「どちらかと言えば悪い方向に進んだ」。つまり67%、7割近くが失敗だったと答えている。

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2024年4月 8日 (月)

清水宏ふたたび:その(4)

くどいが、2月に見た清水宏についてもう一度だけ書く。大戦末期に松竹蒲田を追い出された清水は、自主制作を経て東宝・新東宝で数本作った後、1956年に大映に移って6本の作品を残した。そのうち、DVDになっているのは京マチ子と淡島千景に船越英二というスターが揃っている『踊子』だけ。配信もなければ、過去に衛星放送などでの放映も少なく、これは本当にもったいない。

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2024年4月 6日 (土)

高見順『敗戦日記』を読む:その(2)

この日記は作家の高見順が1945年の1月から12月まで書いたものだ。当時この作家は鎌倉に住んでいた。驚くのは毎月、月に10回ほど東京に出かけていることだ。日記では「文報」と略される「文学報国会」の委員を務めていたこともあるが、行くたびにまだ残っているカフェや飲み屋を探して酒を飲んでいる。

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2024年4月 4日 (木)

何はともあれ『オッペンハイマー』

クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を劇場で見た。去年の7月にアメリカで公開が始まって、早く見たいと思っていた。ノーランが原爆を開発した物理学者を描くなんて、それだけで刺激的だ。それに「オッペンハイマー」という名前の音の響きが、妙に気になった。

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2024年4月 2日 (火)

中平卓馬からブランクーシへ

7日まで東京国立近代美術館で開催の「中平卓馬 火|氾濫」展を見た。中平卓馬と言えば、雑誌『PROVOKE』における「アレ・ブレ・ボケ」の街頭写真が有名だ。いかにも1960年代末の混乱した政治、社会状況を活写した写真を集めている。

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2024年3月31日 (日)

『悪は存在しない』に驚く

4月26日公開の濱口竜介監督『悪は存在しない』を試写で見て、驚いた。またまた新しい世界を切り開いていたからだ。最初にタイトルが赤や青で鮮やかに出てきた時、「ゴダールじゃあるまいし」と思って心配になった。それは始まってもしばらく続く。

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2024年3月29日 (金)

高見順『敗戦日記』を読む:その(1)

最近、本を読まなくなった。理由はいくつもある。2020年春のコロナ禍開始時にオンライン授業用に買ったカメラ付きパソコンが、軽くて便利でいつも持ち運ぶようになったのが大きい。かつては大学用と自宅用を分けていたが、兼用にした。それからしばらくしてギックリ腰になり、パソコンと共に重い本を同時に運ぶのは避けるようになった。

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2024年3月27日 (水)

『青春ジャック』がおもしろかった

井上淳一監督『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を劇場で見た。見ながら真ん中あたりから私が笑いだしたらそれが劇場に広がり、その声がどんどん大きくなっておかしかった。何がそんなにおもしろかったのか。間違いないのは、描かれたのが1980年代前半だから。

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2024年3月25日 (月)

清水宏ふたたび:その(3)

今回清水宏をまとめて見て、一番驚いたのは『霧の音』(1956)だった。清水宏はやはり戦前の子供を中心とした映画が有名で、松竹を追い出された戦後は『蜂の巣の子供たち』(1948)などの戦災孤児ものを除くとあまり話題になっていない。大映に移ってからの「母もの」の評価も高くない。

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2024年3月23日 (土)

中国やフランスに憧れた日本の画家たち:その(1)

最近見た美術展で驚いたのは、明日まで出光美術館で開催の池大雅展。「生誕300年記念」というから18世紀、江戸中期の画家である。彼の絵はすべて中国風の文人画というか山水画で、炭絵の具を中心に時にかすかな色彩が混じる。

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2024年3月21日 (木)

最初にパリに行って40年がたった:その(4)

1984年の8月ひと月を過ごしたディジョンでは、もう一つ覚えている。午後の文学の授業でフロベールを読んでいた30代の美人の先生が、学生10名ほどを自宅の夕食に招待した。そこには今の彼氏と元カレの両方がいて、フランスの恋愛とはこういうものかと驚いた。

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2024年3月19日 (火)

『すべての夜を思いだす』の描く多摩ニュータウン

かつて多摩ニュータウンに住みかけたことがあった。住宅がどんどん高くなっていくバブル真っ最中の80年代末、私は多摩ニュータウンにある公団の新築マンションに申し込んだ。当時は10倍ほどの倍率で「補欠」だった。結局私まで回って来なかったが、当たっていたら住んでいたに違いない。

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2024年3月17日 (日)

最初にパリに行って40年がたった:その(4)

1984年3月にパリとプラハに2週間行った時、お土産はプラハの百貨店で買った自分用の革のバッグと、パリのクリニャンクールの蚤の市で女友達に買った中古の革のポシェットだけだったと思う。

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2024年3月15日 (金)

清水宏ふたたび:その(2)

今回清水宏を何本か見て、一番驚いたのは『明日は日本晴れ』(1948年)。これは最近になって見つかった映画で、見ていなかった。戦前の傑作『有りがたうさん』(1936)の続編と言われているが、確かに田舎のバスの運転手が主人公で乗客と繰り広げるてんやわんやで話が進む。

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2024年3月13日 (水)

最初にパリに行って40年がたった:その(3)

1984年3月、パリから夜行電車で20時間くらいかけてプラハに着いた私が泊まった3つ星ホテルは、一泊3000円ほどだった。夜の7時過ぎに教えてもらったホテルに着くと、運よく部屋があった。リュックを部屋に置いて何か食べようと外に出るが、真っ暗でレストランやカフェらしきものはない。

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2024年3月11日 (月)

ベッソンの『ドッグマン』を見る

リュック・ベッソン監督の『DOGMAN ドッグマン』を劇場で見た。彼の映画を映画館で見るのは、本当に久しぶりだ。1980年代にはジャン=ジャック・ベネックスとレオス・カラックスと共に「BBC」と呼ばれて、地味なフランス映画を刷新する映像派と話題になった。

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2024年3月 9日 (土)

国際女性デーに考える

昨日、朝起きて「朝日」を読んでいたら、1面トップが「単身の高齢女性 4割貧困」で、その下には「20代から男女賃金差」。天声人語には世界初の女性監督、アリス・ギイ。そしてその下の書籍広告は『ジェンダー事典』などすべて女性関連。

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2024年3月 7日 (木)

メンドーサの『狂宴』の不思議さ

フィリピンの巨匠、ブリランテ・メンドーサの映画が普通に劇場で公開されていると聞けば、やはり見たくなる。普通は映画祭でしか見られないから。新作『FEAST 狂宴』を見たが、題名のようなおどろおどろしいものではなく、シンプルに作られた一筆書きのような映画だ。

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2024年3月 5日 (火)

安井仲治展に驚く

東京ステーションギャラリーで4月14日まで開催の「生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真」を見た。どこかでポスターを見て気になっていたが、見て驚いた。既に去年から愛知県美術館や兵庫県立美術館で開催されたものの巡回で、生誕百年だから1903年生まれ。

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2024年3月 3日 (日)

最初にパリに行って40年がたった:その(2)

先日、初めてパリに行って荒井さんとランチで牛肉のシチューを食べたと書いたが、その後あれは「ブッフ・ブルギニョン」だったと思い至った。直訳すると「牛肉のブルゴーニュ風」で、赤ワインで牛すね肉や頬肉を煮込むブルゴーニュ地方の料理。

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2024年3月 1日 (金)

清水宏ふたたび:その(1)

大学院の授業の一環で、国立映画アーカイブで清水宏監督作品の特別試写をしてもらうことになった。配信もDVDもテレビ放映もユーチューブもない映画を何本か見ているが、いやはや、おもしろ過ぎる。

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2024年2月28日 (水)

最初にパリに行って40年がたった:その(1)

先日、北村陽子さんが亡くなられたという知らせを受けた。私より少しだけ上の65歳とは早過ぎる。彼女は早大でフランスの美術や文学を教えていたと思うが、私にとっては永遠に「1984年にパリで会った留学仲間」の1人。急にその頃のことを考えていたら、40年もたっていたことに気がついた。

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2024年2月26日 (月)

『落下の解剖学』を楽しむ

フランスのジュスティーヌ・トリエ監督『落下の解剖学』を劇場で見た。最近は原稿書きで忙しくブログ更新も昨年9月末から2日に1回にしたので、新作映画を見る回数も減らしている。ただこれはぜひ見たいと思った。

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2024年2月24日 (土)

#MeToo告発されるフランスの監督たち

フランス映画のヌーヴェル・ヴァーグはあまりに有名だが、その後に出てきた監督たちは「ポスト・ヌーヴェル・ヴァーグ」と呼ばれる。具体的にはジャン・ユスターシュ、フィリップ・ガレル、ジャック・ドワイヨン、ブノワ・ジャコー、シャンタル・アケルマンといった監督たちだ。

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«途中で元気がなくなる