「シネマ大吟醸」
太田和彦氏の本は3月に前の職場に寄贈されてきたものだが、雑誌掲載時にかなり読んでいたこともあり、そのままになっていた。今日、電車の中で読んで成瀬の「鶴八鶴次郎」や島津保次郎の「兄とその妹」、清水宏の「小原庄助さん」といった隠れた傑作に対する愛のある記述に引き込まれてしまった。後半の名画座放浪記では、大井武蔵野館、銀座並木座、目黒シネマ、高田馬場パール座といった今はなくなった映画館が触れられていて、泣きそうになった。並木座で成瀬を見て、偶然似合った友人と三州屋で一杯、という日々が懐かしい。太田さん、これは貴重な本です。ありがとうございました。
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