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2009年4月28日 (火)

花田清輝

花田の映画論集「ものみな映画で終わる」を読み始めて、そのおもしろさに驚いた。なんとなく、戦後左翼の黒幕のような気がして、これまで避けていたのだが。デ・シーカの「靴みがき」を論じて、「すこぶるあやしげなふしぶしがあり」「とうてい、ローマの町などに実在しているしろものではない」と断じる爽快さがいい。チャップリンを時代遅れというのは間違いで、むしろルネ・クレールが遅れていると言い放つ。朝日新聞で映画評を書いていた津村秀雄をこきおろす。今の評論家にはこのように好きなものを好きという自由さはない。
高崎俊夫氏が編者だが、この方の最近の映画出版への貢献度は特筆すべきだろう。

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