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2009年5月18日 (月)

アメリカ映画がヨーロッパを描くとき

「天使と悪魔」を見ていて、途中で死んでしまう警部役のイタリア人俳優、ピエルフランチェスコ・ファビアーノが可愛そうだった。彼の本国での人気は大変なもので、毎年東京で開かれる「イタリア映画祭」でもだいたい出演作品がある。ヨーロッパの俳優がアメリカに出るとずいぶんな扱いを受けるのが通例のようだ。
彼はスパイク・リーの「セント・アンナの奇跡」(8月公開)にも出ているが、こちらも途中で死ぬ。この映画にはオメロ・アントヌッティ(タヴィアーニ兄弟の傑作の数々!)やヴァレンティナ・チェルヴィ、ルイジ・ロ・カーショ(「輝ける青春」)などイタリアの名優が次々に脇役で出る。ドイツ人だって、クルスチャン・ベルケルやアレクサンドラ・マリア・ララ(「ヒトラー 最期の12日間」の秘書)など、一流どころが揃っている。そうまでしてアメリカ映画に出たいのかなあと思う。
もっとも「天使と悪魔」のロン・ハワード監督やスパイク・リー監督は、英語を中心にしながらも、イタリア語の部分はイタリア語で、ドイツ語、フランス語も現実のままにしゃべらせる。それだけでもリアリズムを重視するまともな監督たちだとわかる。もちろん映画自体も2本共に見ごたえ十分だ。最近の「ワルキューレ」もそうだが、ハリウッドの場合、ヨーロッパが舞台でももすべてを英語で撮影してしまうことがほとんどで、この2人は実は例外なのだ。イタリアやドイツからきちんと実力のある俳優を選んでいることからもそのまじめさがわかる。

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