« 「レスラー」 | トップページ | Tarzan 別冊「太らない食べ方 完全BOOK」 »

2009年6月13日 (土)

「私は死んでいない」

フィルムセンターで開催されている「EUフィルムデーズ」で、ジャン=シャルル・フィトゥッシ監督の新作を見て腰を抜かしそうになった。シンプルでありながら、人生の真髄に触れてくる不思議な映画だ。例えばローマで少年が出会うドイツの老人との会話。少年がカフェに入って、エスプレッソを注文すると、横から音楽が聞こえてくる。カメラはするすると横に移動し、チェンバロを弾く女をとらえる。
せっかく出会った女がいなくなってしまい、途方に暮れる男。その男のいとこは、子供と共に逃げた妻を思い続ける。その母はみんなに囲まれて死ぬ。最後に響くモーツァルトの「レクイエム」。それを聞く女の顔が夕暮れに映るラスト。
登場人物を少なくし、2時間程度の映画を作れば、ちょうどマノエル・デ・オリヴェイラのように愛される作品も作ることができるに違いない。オリヴェイラ、ストローブ=ユイレ、ペドロ・コスタ、パオロ・ベンヴェヌーティといったヨーロッパの唯物論的映画の系譜に、新しい星が加わった。

|

« 「レスラー」 | トップページ | Tarzan 別冊「太らない食べ方 完全BOOK」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/45326953

この記事へのトラックバック一覧です: 「私は死んでいない」:

« 「レスラー」 | トップページ | Tarzan 別冊「太らない食べ方 完全BOOK」 »