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2009年7月29日 (水)

ヱヴァンゲリヲン現象

夏休み前に学生から「先生の感想を聞かせて欲しい」と何度か言われたのが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』。こちらはテレビも漫画もこれまでの劇場版も前作の「序」さえも見ていないのでずいぶん尻込みしていたが、ふっと時間ができたので、もう込んでいないだろうと池袋でこっそり見た。
最初は「しと」と言われても「使徒」とわからなかったくらいだから、今回何が新しいのかさえわからない。ただ見ているとケンジの父との葛藤やレイとの純愛などへ収斂して行くドラマがそれなりにわかっておもしろい。未来的でありながら日本の日常を微視的に描いた映像は時おり美しく楽しい。列車から見る夕日の美しさなどはアニメで初めて見た気がする。女の子の萌えキャラも満載だ。
しかし主人公たちが国家のために戦い、一般の人々は虫けらのように避難するのみで、そのセカイ系的な発想にはちょっと怖くなった。オウム的な世界観に少し近いものがあるし、2年前に赤木智弘が「希望は戦争」と発言したことにもつながっているようにも感じられた。
何よりこの映画がたぶん200万人以上の人が見て、見ていない多くの人にはチンプンカンプンであるという現象がすごい。映画の中にはもちろんこれまでの説明的なものはないし、劇場パンフレットにもない。パンフにある対談は僕のようにわからない人には全くわからない。ましてやパンフの最後にあるグッズの数々にはめまいがする。この溝は埋まらないかもしれない。

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