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2009年7月13日 (月)

最近のイタリア映画

北イタリアを舞台にしたイタリア映画が、続けて2本公開される。
18日(土)の公開は、新人アンドレア・モライヨリ監督の『湖のほとりで』。山間の小さな村の湖のほとりで少女の遺体が見つかる。捜査に当たる刑事役のトニ・セルヴィッロは、人々のそれぞれに救う深い闇に向かい合うことになる。自らの闇も含めて。何より、トニ・セルヴィッロの演技がいい。サスペンスタッチでありながら、登場人物の奥深いところにせまってゆく力が新人離れしている。「アモーレ」や「マンジャーレ」ばかりではない、冷たいガラス細工のようなイタリアがそこにある。
8月1日(月)公開の『ポー川のひかり』は、巨匠エルマンノ・オルミが見せる愚直でシンプルな物語がいい。図書館じゅうの古書に釘を差すという奇行をした若い教授は、すべてを捨ててポー川のほとりに住みだす。集まってくる人々の様子が何とも自然だ。しかしその生活は長続きはしない。現代文明に素手で立ち向かうようなオルミの力技である。
この2本は昨年の「イタリア映画祭」で上映されたものだ。映画祭で紹介されて評価され、それが劇場公開につながるというのは、実に自然で幸福な成り行きだと思う。
北イタリアと言えば、25日(土)に公開されるスパイク・リー監督の『セントアンナの奇跡』も、大半はトスカーナ地方が舞台だ。アメリカ映画とはいえ、イタリア人が話すシーンはすべてイタリア語(正確にはトスカーナ弁)だ。1944年の「サンタンナの大虐殺」を描いたものだが、冒頭と終わりに出るルイジ・ロ・カーショ(『輝ける青春』のニコラ!)を始めとして、ヴァレンティーナ・チェルヴィやピエルフランチェスコ・ファビアーノ、オメロ・アントヌッティなど名優が続々と出演するので、イタリア映画ファンには見逃せないだろう。

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