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2009年7月30日 (木)

『わたし出すわ』

まず題名にクラクラっと来た。劇場の予告編で小雪が「そのお金、わたしが出してあげようか」というシーンを見て、すぐにも見たくなった。

そういうわけで森田芳光監督の10月31日公開の新作を早々と試写で見た。不思議な面白さだった。『ディア・ドクター』や『空気人形』のように映像にうなるというのではない。現代日本をほんの少しだけ先取りしたような、リアルでシュールな物語と、小雪を始めとして、黒谷友香、井坂俊哉、山中崇、小池栄子たちの無理のない等身大の演技が、妙に身につまされる感じなのだ。
話は簡単で、小雪演じる女性が東京で金融でお金をもうけて故郷の函館に帰り、かつての友人たち5人にお金を出して夢をかなえてあげるというものだ。お金があるはずの小雪は地味な格好をして小さなアパートに住む。友人たちもお金をもらって喜んで自分の夢をかなえる者もいるけれど、1万円の冷蔵庫を買ってもらって喜ぶ者や、結局いらないという者までいる。
日頃こんなにお金のことばかり考えているのに、いざたくさんあるとたいていは使い道に困る。そんな普通の日本人を巧みに描いている。登場人物と同様に、函館の街が普通に輝いている。
『の・ようなもの』や『家族ゲーム』の昔から、森田監督は日本の現代を描くのがうまい。特に今回のようなオリジナル脚本だと、ほんの少しだけ先の近未来を描く才能を発揮する。

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