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2009年7月20日 (月)

「野村仁 変化する相-時・場・身体」展

六本木の国立新美術館で野村仁の大きな個展を見た。これまで画廊での小さな個展や、ほかの作家と一緒の展覧会しか見ていなかったが、2000平米の新美で見て初めてこの作家の重要性がわかったような気がした。
これまでの印象は、一言で言うと「関西の宇宙系誇大妄想の人」。ところがこれが緻密な地球や天体の観察のうえになりたった真摯な探求だったことがよくわかった。毎日同じ場所で太陽を日の出から日の入りまでを写真に撮り、その365枚の写真をつなげるという気の遠くなるような作業の結果が、あの不思議な美しさを持つ立体作品だったとは。
1998年に東京都現代美術館で開かれた河原温の個展を見た時と同じように、脳髄まで刺激するような眩暈にとらわれた。今月27日までだが、必見。
竹橋の近代美術館で見た吉原治良や藤田嗣治の個展にしても、世田谷美術館で見た堂本尚郎の個展にしても、日本人作家のきちんとした個展は胸を打つ。もっともっと見たいものだと思う。
それにしても同じ会場で「ルネ・ラリック」展と公募の団体展もやっているとは、新美とは本当に正体不明の美術館である。あるいは日本の美術界、あるいは文化行政のいい加減さを象徴する21世紀日本的な居直りと言うべきか。まあ、外国人には全く理解されないことだけは事実だ。

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