死亡記事
有名な人が亡くなると、新聞に死亡記事が出る。一面に出て写真入で100行もあるものもあれば、社会面の下の方に7、8行で済ますものも多い。で、「文芸春秋」は現存する有名人に自分の死亡記事を書いてもらうという企画をやった。、それを文庫にまとめたのが『私の死亡記事』。久しぶりに手に取ったがやはり面白い。
阿川佐和子は「それにしても美しい人を失った。余談だが、美人長命という言葉が辞書に載るようになったのは、阿川さんがきっかけであったとは、あまり知られていない話である」と書く。
鹿島茂「200X年、迷路のようになった書庫の中で、必要な古書を探しているとき、突如、関東地方を襲った平成大地震によって崩れ落ちた古書の下敷きになり、死亡」。
桐野夏生「10月7日、香港の上環地区にある永安老人病院で死亡した日本人女性が、二十年前に失踪した作家の桐野夏生さん(74歳)とわかり、周囲を驚かせている」。
関川夏央が残した本人の言葉「葬式には私が愛した女たちが津波のように押し寄せてくるだろう。悲嘆と嫉妬の叫びで会場が混乱するのは死んだ本人としても不本意だから、整理券を出して時間差で告別するようにしてもらいたい」。
中野翠「最期の言葉とすべく、かねて用意の「風になりたい」という言葉を呟いたつもりが、ろれつが回らず、「粥を食べたい」と間違われ、ムッとしたとたんにこときれたという」。
そのほかにも多くの人が書いているが、大半がまじめに自分の自慢話をしているのにも驚く。
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