« ACTミニシアター | トップページ | 新聞の映画評 »

2009年7月 2日 (木)

『グッド・バッド・ウィアード』

8月末にシャンテほかで公開される韓国映画の試写を見た。
1960年代以降の「マカロニ・ウェスタン」とはアメリカの西部劇をイタリア版で作ったある種のパロディ映画だったが、この映画はそれを1930年代の満州に移しかえ、韓国の監督が人気の韓国俳優を中心に中国人や日本人を使って撮ったとんでもない代物だ。題名のGood, Bad, Weirdはもちろんセルジオ・レオーネがイーストウッドらを使って撮った『続・夕陽のガンマン』(1966, The Good, the Bad and the Ugly)やその後に作られた同種の映画から来ている。つまり最初から善玉と悪玉をきちんと分けて、物語ではなくひたすらアクションの面白さを競う映画だ。
満州に走る鉄道を馬車で襲う出だしからわくわくしたが、ひたすら銃撃戦だけで、途中で少し退屈してしまう。宝物が埋蔵された場所をめぐる争奪劇で、イ・ビョンホン、チャン・ウソン、ソン・ガンホの人気の3俳優に加えて中国人や日本兵も入り混じって大騒ぎする。中国人は中国語、日本人は日本語を話すが、大勢出てくる日本兵(チラシにはクレジットされていないが白竜も演じている)が全員間抜けな死に方をして1人もいなくなるのがおかしい。最後にたどり着いた場所で3人が銃撃戦をやるあたりからまた盛り上がる。その場所に突然石油が涌くのも爽快だ。
感じとしては三池崇監督の『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』に近いかもしれない。イ・ビョンホンを軸に韓国ドラマファンに売りたいのはわかるけど、チラシやプレスに少しでいいから西部劇やマカロニ・ウェスタンへの言及が欲しいところ。映画の最後にはOriental Western by Kim Jee-Woonとまで出てくるのだから。それにしてもオリエンタル(東洋の)・ウェスタン(西洋の)とはおかしな言い方だ。
西部劇の黄色い砂の濃厚な大地と違って、中国奥地の妙に白っぽい地面や澄み過ぎている青空も妙に新鮮だった。
白といえば主演3人の歯が輝くように白いのも印象的だ。昔パリで韓国から来た女子学生に「日本人と韓国人を見分ける一番簡単な方法は、歯を見ること。日本人は歯が汚いから」と言われたのを思い出した。 韓国では歯を磨くことを小さいときから厳しくしつけるらしい。
さてこの映画は「メチャクチャ デ イイノダ」がキャッチフレーズ。前売りは写真プレゼントもあって絶好調と聞くが、どの程度ヒットするか。

|

« ACTミニシアター | トップページ | 新聞の映画評 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/45519779

この記事へのトラックバック一覧です: 『グッド・バッド・ウィアード』:

« ACTミニシアター | トップページ | 新聞の映画評 »