« 『クヒオ大佐』 | トップページ | お盆休み »

2009年8月12日 (水)

『副王家の一族』

久しぶりに豪華絢爛なイタリア映画の試写を見た。『湖のほとりで』もそうだが、最近はイタリア映画もフランス映画みたいになってセンスがいいのだが、こういう大河ドラマ的な歴史ものが少なくなった。

ロベルト・ファエンツァ監督の演出はいささか大仰だけど、19世紀後半から20世紀前半のイタリア統一時代のシチリアの貴族の光芒をじっくり描いていて、2時間を超すが退屈しない。衣装やセットの豪華さはヴィスコンティの『山猫』を彷彿とさせる。時代も『山猫』とほぼ同じだし、コンチェッタとかタンクレディとか『山猫』でおなじみの名前も出てくる。同じシチリアだが、『山猫』はパレルモ、こちらはカターニャの貴族だ。もちろんこの映画には『山猫』のような気品はない、というよりあえて地方貴族の醜悪な部分も描いている。
物語は、金と権力を握る父親と、それに反発する息子のドラマが中心だが、こうした大河ドラマ仕立てなら、せめて息子が恋愛をつらぬくとか、メロドラマ的な要素が欲しかった気はする。
もっともすばらしかったのは、往年の女優ルチア・ボゼー。主人公の大叔母を演じ、心の支えとなる。アントニオーニの『ある愛の記録』(1950)で演じたミラノの裕福な若妻の優雅な姿は忘れられない。50年以上たったこの映画でも、その優雅さは残っていた。
晩秋に公開。

|

« 『クヒオ大佐』 | トップページ | お盆休み »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/45903845

この記事へのトラックバック一覧です: 『副王家の一族』:

« 『クヒオ大佐』 | トップページ | お盆休み »