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2009年8月26日 (水)

『気狂いピエロ』は不滅である

最近学生にゴダールの「きぐるいピエロ」おもしろかったです、と言われて「きちがいだよ」と訂正した。それがきっかけで、ほぼ四半世紀ぶりにDVDを見た。結果は想像以上におもしろかった。

最近ヌーヴェル・ヴァーグ初期のDVDを何本も見たが、学生時代に見ていた時に比べるとあまりおもしろくない。やはり映画館でないとだめなのか、あるいは当時の監督や俳優たちよりこっちが年をとってしまったからかと思っていたが、この映画は違った。
映画の中に映画、文学、日記、ネオンサイン、音楽、歌、ニュースなどあらゆる情報を過剰なまでに詰め込みながら、犯罪を犯した男女の逃避行を描く。2人はどんなに逃げても自由になっても、幸福はどんどん遠ざかる。物語さえも遠ざかり、映画そのものの本質だけが骸骨のようにさらけだされる。すべてが終わった後に言葉、音、色、太陽、海、死だけが元素のように残る。それがなぜか映画として美しいとはいったい何なのだろうか。
映画を解体させる過程を映画らしく撮ること。ゴダールはこの実現不可能な課題を『映画史』など最近に至るまで続けているようだ。

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