オープンキャンパス
最近、電車の中吊りなどで「○○大学 オープンキャンパス」という広告が目に付く。おおむね夏休み中が多いらしく、私の勤務する大学でもあった。
その大学を希望する高校生がやってきてキャンパスを見学するものだが、それではすまない。学部長の挨拶や模擬授業などはまだいいとして、個別相談まである。本人ならまだしも、多くは父兄同伴だ。「今年はどういう問題が出ますか」と聞く親までいる。親がさんざん話したあげくに「ほら○○ちゃん、あなたも質問しなさい」とくる。高校1年生が一家全員で遊びに来たりもする。
そういう見学者に大学側は無料バスを用意し、お土産まで配る。教師にとっては貴重な休日がつぶれる。それも年に何度もある。
家を売るのに「オープンハウス」というのがあるが、どうもそれから来た言葉で90年代の終わりごろから始まったという。中古の家を売るのは実際に見せないとわからないが、大学はそういうものではあるまい。
見せるなら、1週間とか期間を区切って本当の授業を見せたらいいと思う。少子化対策というのはわかるが、どこの大学も同じことをやっているのでは、あまり効果はないかもしれない。
将来も学生が集まってくるためには、いい授業をしてまともな学生を社会に送り出すこと、それを積み重ねることしかないと思うのだが。
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