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2009年8月 1日 (土)

『戦場でワルツを』

久しぶりに映画を見終わってガツンと殴られた気がした。イスラエル製のアニメ/ドキュメンタリー『戦場でワルツを』のことだ。カンヌや東京フィルメックスで上映されて好評なのは聞いていたが、これほどとは思わなかった。

最初はまるでつげ義春の漫画のように、もさっとした中年男が「記憶がないんだ」と語り始める。最近日本の完成度の高い作画のアニメを立て続けに見たせいもあって、その稚拙な絵はヘタウマにさえ見えた。主人公はいろいろな人に会って、24年前のレバノン戦争について話を聞く。その記憶がアニメで再現される。その映像のリアルさに驚いた。いつも銃の音が響くやり切れない戦場の日常がそこにはあった。それぞれの心象風景が、痛いように伝わってくる。アニメでここまでできるか、と心底驚いた。
壁に一列に並んで家族全員が銃殺される場面や、家族の虐殺を悲しんで道一杯に広がって泣く女たちの場面を見て、これは実写以上に真実だ、と思っていたら画面はそのまま実写に変わり、しばらくして終わる。
原題はWaltz with Bashir(バシールとワルツを)だが、バシールとは当時人気があって暗殺されたレバノンの大統領の名前のことだった。町中に張られたバシールの大きな写真。
この秋に銀座のシネスイッチで公開という。シネスイッチがこんな作品をやるとは驚きだ。通常は渋谷でかける映画だろう。銀座の浮遊(富裕)層的な女性たちを集めるのにたけたシネスイッチの積極的な新しい冒険か、あるいは最近それほど単館系に当たる作品が少ないからか。

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