« 『私の中のあなた』 | トップページ | ビストロ・ヴィヴィエンヌ »

2009年8月 5日 (水)

ドキュメンタリー2本

対照的なドキュメンタリーの試写を2本立て続けに見た。
1本はアメリカ版「ヴォーグ」誌の編集長アナ・ウィンターの1ヶ月を追った『ファッションが教えてくれること』。

雑誌や本などの編集に携わった人なら誰でも知っている締め切り前の日常が描かれていて、ファッションに疎い自分には普通のドキュメンタリーにしか見えないが、ファッション好きにはディテールがたまらないことだろう。私がむしろ驚いたのは、編集長があそこまでページのすべてに目を配っていること、その目配りは文章などの内容ではなく、どう見えるかというヴィジュアルのみであることだった。編集長と絶えず対決するクリエイティヴ・ディレクターのグレースの存在感が、この映画を退屈さから救っている。9月公開。
もう1本は昭和30年〜40年代に撮られた写真や映画やインタビューを中心に、岩手県の山村の近代史を再現した『こつなぎ』。明治の農地改革以降、岩手県の小繋村で村人が共同に所有していたはずの入会地の山がいつの間にか個人の所有物となり、それをめぐって親子三代の闘争が始まる。裁判は明治、戦前、戦後と第三次まで続くが、昭和41年に最高裁で村人は負けてしまう。この映画のすごいところは、何十年も忘れられていたジャーナリストたちの映像や記録を現代に甦らせたことで、日本各地にこうした貴重なフィルムや写真がまだあるのではないかと思ってしまう。こちらはまだ劇場公開が決まっていないという。是非みんなに見て欲しい映画なのに。
ドキュメンタリーは、最新のNYのファッション業界であれ昭和30年代の東北の山村であれ、通常見ることのできない世界を見せてくれる貴重な存在だ。

|

« 『私の中のあなた』 | トップページ | ビストロ・ヴィヴィエンヌ »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/45842504

この記事へのトラックバック一覧です: ドキュメンタリー2本:

« 『私の中のあなた』 | トップページ | ビストロ・ヴィヴィエンヌ »