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2009年8月 1日 (土)

現美で美術展を2本見る

東京都現代美術館で『伊藤公象』展と『メアリー・ブレア展』を見た。何ともすごい組み合わせである。
伊藤展は地下だったが、あの広い空間で無限に並ぶ陶の多様な作品群を見ると、その作家としての思考の並々ならぬ深さが十分に伝わってきた。

吹き抜けの大きな空間では、白い粉が集まって都市を作っているようだったし、ある部屋では壁に青い四角い陶の板が規則的に並び、手前に2種類の小さな陶が無数に転がっていた。そうして最後の部屋では壁をすべて覆い尽くす薄い紙。土について考えることから始まって、人間を含む生物全般の存在について、あるいは宇宙について問いかけてくるようで、少しめまいがした。
伊藤氏とは1990年頃ロスでご一緒したことがある。海辺の美術館で何時間も白い薄い陶を真ん中から並べていた姿を思い出す。
3階と1階はディズニーのアート・ディレクターとも言うべきメアリー・ブレアの原画から絵本までを大量に並べていて、こちらは伊藤展に比べてずいぶん人がはいっている。「シンデレラ」や「ピーターパン」などのキャラクターのイメージやとりわけカラー構成を決めていたのはこの女性だったのだ。それなりにおもしろかった。
現美は毎年夏休みに日テレ、ジブリと組んでアニメの展覧会をやっている。そうして1年間の入場者の3分の2以上を集める。石原都知事が館長に任命した日テレ議長の氏家氏のなせる技だ。しかし「現代美術館」でそうまでして入場者数がなぜ必要なのか。ここにもまた日本の美術館特有の矛盾がある。
そういえばショップのNadiffの位置が変わっていた。これまで情報コーナーと称してポスターを貼ってパソコンを並べていた場所にシャープに陣取っていてカッコいい。ハイビジョンシアターという時代錯誤のミニ劇場もなくなっていて、ブルームバーグと組んだ若手作家の展示やアーチストがデザインしたトイレになっていたりで、好感が持てる。ショップのあった場所は、常設展示スペースの一部となってヤノベケンジの巨大な作品があった。全体に実にいい感じの改装だと思った。

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