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2009年9月22日 (火)

『シャネル&ストラヴィンスキー』

現在、ココ・シャネルが主人公の映画が2本(『ココ・シャネル』と『ココ・アヴァン・シャネル』)公開中だが、来年正月に公開されるもうひとつのシャネル映画の試写を見た。ツウの間ではこれが一番いいということだったので期待していたが、確かにおもしろい。

この映画がいいのは、ストラヴィンスキーとシャネルの二人の天才のそれぞれの創造の過程をきちんと見せていることだ。ストラヴィンスキーは、1913年の「春の祭典」の大騒ぎになった初演と21年の成功した再演がきっちり見られる。シャネルの場合は、南仏のグラースで「5番」の香水を作る過程を丁寧に見せている。
シャネルの服作りのシーンがあまり多くないのは残念だけど、その分主演のアナ・ムグラリスの着るドレスの数々のすばらしさが補ってくれる。
ディアギレフやニジンスキーの特徴まできちんと描いているて、全体としてはシャネル以上にストラヴィンスキーの映画と言った方がいいだろう。
二人の愛がテーマのはずだが、シャネルが提供する家にストラヴィンスキーの一家が住むという完全な所有関係にあることもあって、さほど盛り上がらない。むしろそんなじりじりとしか関係がいいのかもしれないが。もちろんかわいそうなのはストラヴィンスキーの妻だが、ロシア人のエレーナ・モロゾヴァの白く病的な顔はその役にぴったりだ。
出だしにシャネルが恋人と英語で話すので、『ココ・シャネル』(シャーリー・マクレーン版)のように全編英語かと思いきやそれは恋人ボーイが英国人だったからで、ストラヴィンスキーもディアギレフもニジンスキーもみんなロシア語で、そのほかは全部フランス語というように、言語には実に忠実に迫っている。
個人的には「春の祭典」のLPレコード(小沢の指揮だった)を高校の時から聞いていたので、これが全編に流れるだけで嬉しかった。全編をアール・デコで統一した美術も目に快い。映画としてのできはよかったかどうかは考える気にならなかった。

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