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2009年9月 7日 (月)

ベネチア国際映画祭:その③黒澤シンポ

来年の黒澤明の生誕百年を前に、黒澤シンポジウムが開かれた。『羅生門』で黒澤を世界に知らせたベネチア映画祭としては、来年だとベルリンやカンヌに先を越されてしまうから先にやってしまう、ということだろう。

シンポを聞いた正直な感想は、準備不足で中身が薄く、新鮮味もないというものだ。15分遅れで始まって、16分のドキュメント映像を流した後は7人の参加者が一言ずつ思い出などを思いつきで話して30分経過し、後は会場にマイクを回すというその場しのぎの仕切り。
日本からは野上照代さんにドナルド・りチーの二人が高齢を押して参加し、イタリアからアルド・タッソーネ、フランスからミシェル・シマンなど錚々たるメンバーが揃った。しかし誰もペーパーを用意せず、テーマ別の討論もない。映像を除くとたったの1時間半しかなかった。
2003年に東京で開かれた小津生誕百年シンポのように2日間やれとは言わないが、もう少しきちんとするべきだろう。観客も100人もいなかったのは、みんな映画祭中ののシンポなんてそんなものとわかっているからか。
今後日本では新聞などでこの報告記事が出るだろうが、中身の薄さを指摘する勇気ある人がいるだろうか。
ベネチアクラスの映画祭は、ほかの映画祭との競争がすべてで、作品やシンポの中身よりも「一番最初にやる」といった話題性が優先されていると改めて感じた。
さて、日本では来年黒澤国際シンポは行われるのか。

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