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2009年9月30日 (水)

『ずっとあなたを愛してる』

12月26日の公開されるフランス映画の試写を見た。現在公開中の『幸せはシャンソニア劇場から』もそうだが、最近のフランス映画は良く練られた作りの一般向けのものが増えた。小説家フィリップ・クローデルの第一回監督作品だが、これもその一つだろう。

ストーリーは、自分の息子を殺して15年間刑務所で過ごした女性が、迎えに来た妹と空港で出会うところから始まる。しばらく妹の家族と暮らすことになるが、妹とその夫や子供たち、そして事実を知らない周りの友人たちとどのように触れ合っていくかがテーマだ。主人公を演じるのはイギリス人女優のクリステン・スコット・トーマス。最初のシーンでは全くのすっぴんで現れて、人々と触れ合うにつれて少しづつ人間らしい雰囲気を増しつつも、何かを強く内に秘めた感じは終盤まで変わらない。その孤独感の強さが全身に表れている。その絶対的な孤独に少しずつ近づく妹やまわりの人々も、それぞれに問題を抱えている。
実に細かく書き込まれたシナリオだが、逆にそこが少しばかり説明的に思えるかもしれない。あるいは全体がフランスのインテリ社会の人々を描いているので、そこが気になる人もいるだろう。
撮影は丁寧で、編集も無駄がなく抑制がきいている。男性監督の映画だが、女性たちの心理を中心に据えたフェミニズム映画だ。
最後のバルバラの歌「いつ帰ってくるの」も心に沁みた。

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