« 写真美術館で展覧会を3本見る | トップページ | 『シャネル&ストラヴィンスキー』 »

2009年9月21日 (月)

『脳内ニューヨーク』

11月に公開するチャーリー・カウフマンの初監督作品の試写を見た。チャーリー・カウフマンといえば、『マルコヴィッチの穴』や『アダプテーション』の脚本家として有名だが、自らの監督作品はそれらを上回るヘンな映画だった。

ストーリーは、不運続きで妻子にも逃げられた劇作家が、ある賞をもらったのをきっかけにその賞金でニューヨークそのものを舞台にした舞台を作るというもの。そう言うとおもしろそうだが、ほとんど神経症的な不条理な場面が続くし、新しい舞台もいつ始まったかわからないくらいメリハリがなく、まるで悪夢が続く感じなのだ。
あえて全体を不愉快な感じにしながらも、細部には自分の分身を含めて魅力的な人物がどんどん現れてきていよいよわからなくなる。最も怖いのは、脚本家を演じるフィリップ・シーモア・ホフマンがどんどんふけていくことで、ある時「この芝居の練習を始めて17年にもなるけど」と俳優に言われてしまう。
実人生と芝居が混じり合ってしまう極めて前衛的な内容なのに、まるで何でもないように淡々と撮られていて、見る人によっては単なる失敗作にも見えるだろう。
最近のアメリカ映画には、明らかにヨーロッパよりも自由で野心的な映画作りをしている作り手が多いように見える。

|

« 写真美術館で展覧会を3本見る | トップページ | 『シャネル&ストラヴィンスキー』 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/46268260

この記事へのトラックバック一覧です: 『脳内ニューヨーク』:

« 写真美術館で展覧会を3本見る | トップページ | 『シャネル&ストラヴィンスキー』 »