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2009年9月12日 (土)

現代美術の映像の貧困さについて

90年代後半からの現代美術シーンでスター的存在であるピピロッティ・リストが監督した80分の劇映画「ペパーミント」を見た。ベネチア国際映画祭のホリゾント部門での公式上映だったが、正直言って退屈した。

ピピロッティ・リストと言えば、横浜トリエンナーレや原美術館の個展でも、色彩を駆使した映像で不思議な空間を作り上げていたが、こと劇映画となるとうまくいかないらしい。ペパーミントと名乗る娘の大冒険だが、筋があまりにもたわいなく、凝りに凝った色彩も子供だましにしか見えない。
ベネチア・ビエンナーレの今年のイギリス館代表のスティーヴ・マックイーンの30分の映像もあまり面白くなかった。映像を流し続けるのではなく、映画館のように時間制で観客数を制限していたのでどんなにありがたいものかと並んで見たが、二つのスクリーンで別々の風景が映るだけで、何の工夫もない。時折、犬や人が出てくるがこれで何か意味を汲み取れとでもいうのか。
最近の現代美術では映像作品が多いが、おおむねつまらない。「恵比寿映像祭」なるものが今年から東京都写真美術館で始まったが、これも恐ろしく無内容だった。
現代美術で評価の高いと言われる映像作品を、一度映画評論家や映画監督に見せて論じてもらったらどうだろうか。一本一本で観客から金を取る映画の厳しさに比べて、大半の現代美術の映像は甘すぎるような気がしてならない。観客に見せようという気があるのかどうか。
ピピロッティ・リストの映画の後でデヴィド・リンチやグリーナウェーの美術作品を見たのでいよいよそう感じた。

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