2016年の五輪に東京が落ちたのを喜ぶ4つの理由
朝刊を見て、東京が選ばれなかったことを知った。本当に良かったと思う。理由の1番目は、これ以上石原知事が威張るのを見たくない、ということだ。エリート意識丸出しで言いたい放題。そうしてそのような人間を頼もしいと思う大衆の心性を見るのは本当につらい。
理由の2番目は、スポーツが国家意識と結びついて熱狂が生まれることへの嫌悪感だ。スポーツをするのは好きだが、野球もサッカーも相撲も見るのはあまり関心がない。それが国レベルでの競争になると積極的に嫌いになる。だからワールドカップやオリンピックの熱狂は苦手だ。東京でそれが行われたらその盛り上がりは大変なものだろう。それが7年かけて盛り上がるとも考えると、実に鬱陶しい。
3番目は、これ以上東京に新しい建物や道路が増えるのは勘弁して欲しい。潤うのは土建関係だけで、東京はさらに醜く、住みにくくなるだろう。
4番目は、これ以上東京に不良外人や彼らを甘やかすヘンな日本人が増えてほしくないからだ。オリンピックともなれば来日する外国人の数は膨大に増えるだろうから。またヘンな「国際化」や「国際人」論争が流行るだろうし。小学校から英語を教え始めている昨今、子供が外国人にヘタな英語を話しているのを想像するだけで嫌になる。
ところで朝日新聞の一面には、落選の「解説」(平井隆介の署名)として「計画の評判の良さを実際の票に結びつける人脈や人間関係」が欠けており、「世界に向けて発信力を持つ人材が育っていないこと」を理由に挙げていた。これはかなりの見当違いだと思う。じゃあ日本より先に負けたシカゴはどうなのか、サラマンチを擁するマドリッドはどうなのか。誰が見ても南米初の五輪というのは意義がある。ましてや新興国ブラジルだ。北京五輪がそうだったようにブラジルの経済発展や民主化に大きな支えになるだろうし世界経済にも影響は大きいだろう。IOC委員が接待合戦に負けずにそうした常識を持っていたことがわかったに過ぎない。平井記者の考えかもしれないが、新聞の一面で書くことではない。飲み屋で言うレベルの話だろう。
20年前にリオに行った時には、華やかさと貧困が同居している街だという印象を持った。コパコバーナ海岸を一人で歩いていると、黒人の少年グループがあちこちで集まってこちらを睨んでいて怖かった。空港からの道のスラム街もすごい。オリンピックが治安の安定に役立てばいいが。
個人的にはいったい都と国がどれだけの金額を招致運動に使ったかを詳細に書いてほしい。私の知り合いのアフリカ通のフランス人女性は、東京都から膨大な予算をもらってアフリカ各国へ運動のための旅行をしていたし。
そういえば朝日には、先日社説で鈴木宗男を外務委員長にするのはおかしいという意見が堂々と述べられていたけれども、よほど旧体制が好きな記者のトンデモ記事だった。少し前に出たアニメの殿堂をめぐる社説もすいぶんいいかげんだった。朝日は一面とか社会面とか社説とか目立つ所に時々トンデモ記事が見つかっておもしろい。考えてみたら読売もそうだけど。
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