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2009年10月

2009年10月31日 (土)

どんどん良くなるアルモドバル

1990年代前半、いま思えば映画原理主義に近かった私にとって、ピーター・グリーナウェーやペドロ・アルモドバルといった映像派は、ある意味で異端だった。彼らはどこか映画とは違うところで勝負しているように思えたからだ。現在、グリーナウェーはほとんど美術の領域で生きているが、不思議なことにアルモドバルは、映画で物語を語ることの限界まで迫るような作品をいつのまにか何本も撮っている。


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2009年10月30日 (金)

ベタな映画2本

ベタな日本映画1本と韓国映画1本の試写を見た。山田洋次監督の『おとうと』とホ・ジノ監督の『きみに微笑む雨』。ふつうはこの2人の監督を比べたら、両方のファンが怒るかもしれない。それくらい違うけど、「ベタ」という表現が妙に会う。

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2009年10月29日 (木)

たまにはフランスの話を

フランスの映画雑誌『カイエ・ドゥ・シネマ』の編集長を辞めた(『ルモンド』紙が英国の出版社に売却したため)友人のジャン=ミシェル・フロドン氏からメールが来た。ブログを始めたという。

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2009年10月28日 (水)

アイ・ウェイウェイをどう評価するか

東京国際映画祭で映画をハシゴする合間に、森美術館で『アイ・ウェイウェイ展』を見た。例の北京オリンピックの鳥の巣の建築物を、スイスの建築家たちに協力して作った中国人だ。このチームの仕事は昨秋のベネチア建築ビエンナーレでも見たが、コンセプト力にショーアップが重なって見栄えがいい。

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2009年10月27日 (火)

『フローズン・リバー』は久々の大型新人の映画

1月公開のアメリカ映画の試写を見た。無名の女性監督の第一回作品だが、その質の高さに驚いた。まず凍った河の上を移民を輸送するという設定が、実に映画的なサスペンスを最後まで生みだす。いつ落ちるかわからないという状態が最後まで続き、それが後半の展開につながってゆく。

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2009年10月26日 (月)

『差別と日本人』に涙する

東京国際映画祭が終わって気分転換をしたくて、野中広務と辛淑玉の共著をようやく読む。部落出身の野中に在日韓国人の辛がどんどん質問をしてゆくが、二人の会話の中でこれまでに語らなかった真実がポロリと現れて、胸を打つ。

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2009年10月25日 (日)

東京国際映画祭:その7/まとめ(下)

今日は東京国際映画祭のコンペの結果が発表されるけど、それには後日触れることにして(結果次第)、この映画祭の運営面での改革案を書く。
場所は現在のシネコンでの開催は、やめた方がいい。

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2009年10月24日 (土)

東京国際映画祭:その6/まとめ(上)

数年前から東京国際映画祭がだいぶ良くなった。アジア部門は既に暉峻氏が担当し始めてからよくなっていたが、長い間コンペがひどかったのに比べると、昨年あたりからはかなり見応えがある作品が揃ったと思う。
しかしながらトップの依田巽氏が唱える「4大映画祭入り」は、はてしなく遠い。

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2009年10月23日 (金)

東京国際映画祭:その5

昨年まではプレス扱いでカタログをいただいていたが、今回は1800円(高い!)で買ったので遠慮なくカタログに対する批判を書く。

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2009年10月22日 (木)

東京国際映画祭:その4

どうしても好きになれない六本木のシネコンに通い続けるのは、ひょっとすると映画の神様が与えた試練かもしれないなどとくだらないことを考えながら、東京国際映画祭に通う。

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2009年10月21日 (水)

恐るべし韓国人留学生

大学の授業でどこまでハイレベルの内容を教えるかは、いつも頭の痛い問題だ。「自分が大学生の時には」という論理は通用しない。で、思い切って今回2年生の授業で、ベンヤミンの『複製技術時代の芸術作品』を取り上げた。

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2009年10月20日 (火)

東京国際映画祭:その3

昨日と今日で4本半見た。新たに見たコンペ作品、はポーランドの『ダーク・ハウス』とコロンビアの『激情』にイタリアの『テン・ウィンターズ』(途中まで)。どれもそこそこ質は高いが地味すぎる。

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2009年10月19日 (月)

文化交流の美名のもとに

ドイツ映画祭の会場で関係者と話していたら、「とにかく東京ドイツ文化センター所長のS氏がひどくて、何でも後からひっくり返す。来年も彼ならやれない」と話していた。そういえば同じような話をほかでも聞いた。

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2009年10月18日 (日)

作りすぎた公立美術館も統廃合を

3日前の読売新聞朝刊文化面で、美術修復家の岩井希久子さんが東京都美術館で開かれた「日本の美術館名品展」展覧会の作品チェックをして愕然とした話が載っていた。各地の公立美術館の作品は購入後何十年もそのままの場合が多く、埃がこびりついたりカビがしていたり、とにかく保存状態がひどいらしい。

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2009年10月17日 (土)

東京国際映画祭:その2

今日から始まる東京国際映画祭は、まだコンペ作品の試写を3本見ただけだが、数ページのチラシを見るとわくわくするものが多い。

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2009年10月16日 (金)

ドイツ映画祭始まる

山形のドキュメンタリー映画祭が終わったと思ったら、ドイツ映画祭が始まり、それが終わらないうちに東京国際映画祭が始まる。そんなに続けたら誰も行かないのではと思ったが、ドイツ映画祭の初日は400席で全回満員に近いという。

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2009年10月15日 (木)

羽田空港国際化賛成!

前原国交相が羽田の国際化を打ちだしたことが大きなニュースになっている。夕刊スポーツ紙では「羽田国際化、成田廃絶か」という見出しが躍っていた。高村薫が「アエラ」に「国民がこれほど政治ニュースに関心を持ったことはない」という意味のことを書いていたが、確かに私も今日は何を廃止するのかと新聞を読むのが楽しい毎日だ。

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2009年10月14日 (水)

文芸春秋「小沢一郎『新闇将軍』の研究」

電車の中づり広告で「文芸春秋」に立花隆の小沢一郎についての論文が載っていることを知り、駅で降りると思わず買った。もちろんかつての立花の「田中角栄研究」を思い出したからだ。

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2009年10月13日 (火)

東京国際映画祭:その1

まだ始まっていないけれど、コンペ作品の試写が始まったので忘れないうちに書く。今日はスペイン語圏の映画を2本見た。スペイン映画の『ストーリーズ』とボリビア映画の『ボリビア南方の地区にて』。

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2009年10月12日 (月)

たった1日の山形国際ドキュメンタリー映画祭

今年は某映画館でのトークショーと後輩の結婚式にはさまれてわずか1日しか山形に行けなかったが、やはり行ってよかった。今では映画好きの映画関係者は少なくなったが、ここにはそういう人々が全国から集まる。2年ぶりにここで会う人々も多い。

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2009年10月11日 (日)

カツマーとカヤマー対決

1週間前に出た「アエラ」で勝間和代と香山リカの対談があり、おもしろかった。一言で言うと香山の圧勝だ。

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2009年10月10日 (土)

孤独な父親が主役の映画3本

子供を持つ父親の気持ちをメインにすえた映画の試写を、偶然に3本立て続けに見た。『千年の祈り』(11月14日公開)、『新しい人生のはじめかた』(来春公開)、『ACACIA』(東京国際映画祭コンペ作品)だ。この年になると、この種の映画にすぐ涙ぐんでしまう。

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2009年10月 9日 (金)

日本のマイク騒音

数日前の朝日新聞で、5年間のフランス滞在を経て帰国した池澤夏樹氏が久しぶりの日本で感じたこととして、コンビニなどの生活の便利さと、列車内や路上などでのマイク放送の過剰さについて書いていた。

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2009年10月 8日 (木)

フランス人が見た「CMにみる日本社会の変遷」

先日東京日仏学院で、この40年の日本のCMにおける家族像をフランス人が分析する講演会があった。たまたま講師が知り合いのジャン=クリスチャン・ブーヴィエさんだったので出かけたが、内容は想像以上に面白かった。

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2009年10月 7日 (水)

「皇室の名宝」展に腰を抜かす

御即位20周年記念と銘打った皇室コレクション展の内覧会に行ってきた。大半は「三の丸尚蔵館」の所蔵品だが、皇居前の「三の丸尚蔵館」と言えば開館時間が短く小さな展示室しかないことで有名だ。いったいどこにこんなお宝を隠していたんだ、と言いたくなるくらい今回の出品作はすごい。

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2009年10月 6日 (火)

私はアニメがわからない

アニメに感動したことがない。宮崎アニメも「はあ」という感じだし、「エヴァンゲリヲン」も最新版を見たけどピンとこなかった。で、日仏合作の『よなよなペンギン』(12月23日公開)と米国製の『カールじいさんの空飛ぶ家』(12月5日公開)の試写見た。2本ともフルCGという。やはり感動はしなかったが、かなりおもしろかった。特に『カール』は。

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2009年10月 5日 (月)

六本木で展覧会3本

六本木で展覧会を3つ見てまわった。サントリー美術館で「美(うるわ)しの和紙」展(11月3日まで)、国立新美術館で「THE ハプスブルグ」展(12月14日まで)と「光 松本陽子/野口里佳」展(10月19日まで)。全くジャンルも内容も違う3本だったが、それがまたおもしろい。

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2009年10月 4日 (日)

「釣りバカ」22作で幕

数日前の朝日新聞に『釣りバカ日誌』が今年の22作目で終了するニュースが載っていておもしろかった。そこにつけられた表によれば、これを上回るのは森重久弥の「社長」シリーズ(33作)や「駅前」シリーズと「男はつらいよ」(48作)だけである。

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2009年10月 3日 (土)

2016年の五輪に東京が落ちたのを喜ぶ4つの理由

朝刊を見て、東京が選ばれなかったことを知った。本当に良かったと思う。理由の1番目は、これ以上石原知事が威張るのを見たくない、ということだ。エリート意識丸出しで言いたい放題。そうしてそのような人間を頼もしいと思う大衆の心性を見るのは本当につらい。

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2009年10月 2日 (金)

映画『牛の鈴音』または韓国映画のしたたかさとあざとさ

韓国のドキュメンタリー映画の試写を見た。最初は7館で封切られたところ、口コミでまたたく間に150館に広がったという触れ込みの映画だ。しかも話は農家の老夫婦と牛を撮っただけという。妙に気になって、見に行った。

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2009年10月 1日 (木)

『イル・バーカロ』の不思議な魅力

新宿3丁目の雑居ビルの地下セゾンプラザにあるベネチア料理店「イル・バーカロ」は不思議なレストランだ。まずロケーション。周りのテナントはラーメン屋とかばっかりでとてもおいしい店がある場所には見えない。

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