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2009年10月17日 (土)

東京国際映画祭:その2

今日から始まる東京国際映画祭は、まだコンペ作品の試写を3本見ただけだが、数ページのチラシを見るとわくわくするものが多い。

まずは「ワールド・シネマ」のセクションだ。最近のアート系映画の不況で公開がされなくなったジャック・リヴェットやケン・ローチの映画が並ぶ。ベネチアで話題になったトム・フォードの『シングル・マン』やトルナトーレの『バーリア』もある。ディレクターの趣味の良さと情報量がうかがえる。

「アジアの風」はさらに際立っている。キアロスタミやエリア・スレイマンやフルーツ・チャンの作品がはいっているだけでもすごいのに、ヤスミン・ハマドやシャヒーンの回顧上映もある。さらにアン・ホイの新作に70年代のテレビ作品、そしてアジアのフィルム・アーカイブ特集。このセクションは本当に世界に胸を張れる内容だ。

それに比べて生彩を欠くのが、コンペ。試写で見た3本『ACACIA』『ボリビア南方の地区にて』『ストーチーズ』はどれもそこそこよかったけれど、ほとんど無名の監督作品ばかりで「見栄え」がしない。有名監督作品の世界初上映がほかの映画祭のコンペに取られてしまうのはわかるけれど、このコンペの陣容では世界から注目されることは難しい。何といっても日本はアメリカに次ぐ大マーケットなのだし、できる前に配給会社が買っている映画も多いのだから、公開が決まっている作品も含めて国際映画祭の常連監督の世界初上映を増やさないと。

「特別招待作品」については何とも玉石混淆で、各映画会社から頼まれました、という感じか。本来なら「ワールド・シネマ」で上映されるレベルで既に海外で上映された映画(で国内配給が決まっていないもの)を中心に、公開が決まっている年末や正月用の秀作を加えるべきだろう。最近私が試写で見た映画でも、『ずっとあなたを愛してる』、『千年の祈り』、『フローズン・リバー』とか『セラフィーヌ』とか明らかにハイレベルの作品はいくらでもあるのに。

ここ数年、東京国際は一時期に比べるとずいぶん良くなったけれど、まだまだ世界に胸を張れるレベルからはほど遠い。これまでがひどすぎて、話題作の世界初上映が集まらないのはわかるけど。

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