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2009年10月12日 (月)

たった1日の山形国際ドキュメンタリー映画祭

今年は某映画館でのトークショーと後輩の結婚式にはさまれてわずか1日しか山形に行けなかったが、やはり行ってよかった。今では映画好きの映画関係者は少なくなったが、ここにはそういう人々が全国から集まる。2年ぶりにここで会う人々も多い。

そうして彼らとともに山形の豊かな食を楽しみ、山形の人々の温かいもてなしに触れる。まだ夏の気配が残っている東京よりだいぶ寒いのも心地よい。
朝に着いて夜9時過ぎまで見たせいで、1日に5本半も見た。スイスにおける難民受け入れ施設を扱った『要塞』に、ブラジルの郊外に住む貧しい少年たちを追いかけた『生まれたのだから』。ともに出てくる人々がときおり見せる予想外の言動がいいが、鋭さはない。ベテランのハルムート・ヴィトムスキーの『ダスト―塵―』は、世界に充満する塵という存在を追いかけた科学映画で、おもしろいが退屈してしまう。逗子の米軍基地を扱った『フェンス』は途中までしか見られなかったが、大津幸四郎のキャメラが捉える老人たちの語りがなんともいい。夜7時からはギィ・ドゥボール特集の『分離の批判』と『スペクタクルの社会』。『分離』はゴダールみたいでちょっとおもしろかったが、『スペクタクル』のくどさにはちょっとうんざりした。「真の革命のためには五月革命をあと10回くらいやる必要がある」と言われても。それにしても、300人の会場が満員なのに驚く。

昔に比べて大学生が多い。聞いてみると、立命館や多摩美などの映像学科はバスを仕立てて来ているという。小学生じゃあるまいし、大学の先生も大変な時代になった。

この映画祭は、最近は司会を地元ボランティアがやるなど、ローカル色がどんどん強くなった。その分上映作品に先鋭さがなくなったように思える。せっかく世界的に有名になった映画祭なのだから、単なる地方イベントにするのは惜しい。
『精神』や『嗚呼満蒙開拓団』のような今年すでに東京で公開された力のあるドキュメンタリーを、特別招待として上映するのも一案だろう。山形の人にも見て欲しいし、世界から集まった映画関係者にも見せるべきである。

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