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2009年10月25日 (日)

東京国際映画祭:その7/まとめ(下)

今日は東京国際映画祭のコンペの結果が発表されるけど、それには後日触れることにして(結果次第)、この映画祭の運営面での改革案を書く。
場所は現在のシネコンでの開催は、やめた方がいい。

シネコンではまともな入場や舞台挨拶もできやしない。そもそもシネコンの映画祭というだけで、海外からの信頼は全く得られまい。まだ1985年に始まった当初のNHKホールと文化村の方がましだった。
カンヌやベルリンやベネチアには、映画祭のための専用会場がある。ベネチアのみ1000人規模と小さいが、ほかは5000人規模の会場だ。ベネチアも来年に向けて新会場を建設中だ。
もし「アニメの殿堂」の建築予算の百億があったら、あるいは東京オリンピックの準備費150億円があったらとか考えてしまうが。専用会場は、映画祭期間以外は見本市や試写会などに使うことが可能なはずだ。
とりあえずは銀座地区が最もふさわしい。東京国際フォーラムを中心にマリオンの映画館、朝日ホール、読売ホールやシネカノンの映画館を使えば、少しは恰好がつく。国際フォーラムなら豪華な入場もできる。フィルムセンターは、特に海外から貴重な古い映画を借りることを考えると、レトロスペクティヴ部門にぴったりだ。

いずれにしてもプレスやバイヤーなどが映画を見る機会が、1本につき複数回ないと話にならない。ネット予約が必要なプレス用上映とはそもそもおかしい。プロが見たい映画を見られないような環境が続く限り、一度来た海外の関係者は二度と来ないだろう。国際映画祭は何よりもまずプロの映画関係者のための場だ。日本観客のための映画祭なら、別のやり方がある。今はどっちつかずだ。

グリーン・カーペットは悪くはないが、二流の感じが漂う。オリンピックと一緒で、はやりの「環境」では映画祭も国際的に勝てません。

予算は、企業協賛金や入場料収入を除くと競輪団体の補助金に東京都、経産省、文化庁、国際交流基金などの助成金が入り組んでいるが、せめて国の助成金は一本化できないか。省を超えた映画庁やメディア庁があればいいのだが。民主党の目玉になると思うけど。少なくとも国や都からの助成金が3億円は欲しい。そのくらいないと、大手映画会社に頼まれた映画ばかりを上映することになって、映画祭の自主性が保たれない。文化庁が今年映画に出した補助金がフィルムセンターなども含めて21億円というから、できないことではないと思うが。

東京フィルメックスは、少ない予算の中でがんばっているが、一ヶ月後に同じ東京でやるとはやっぱりおかしい。東京国際の上映作品の質があがったせいで、作品を取り合っている感じで東京フィルメックスの個性が見えなくなってきた。例えば、ヤスミン・アフマドの回顧上映は、イメージで言うとフィルメックスにぴったりだ。一方でフィルメックスはメルヴィルの回顧上映をやるなど、完全にかつての個性を失っている。そのうえ双方ともずいぶん不完全な回顧上映だ。
作品だけでなく、若手が運営しているフィルメックスの方が若い観客に浸透しているため、観客も取り合っている。フィルメックスは今年の10周年を機にに、その役割を終えたということで中止することを提案したい。それが国益につながる。林加奈子氏や市山尚三氏をはじめとする貴重な人材は、ぜひ東京国際映画祭に生かしたい。日本の映画のためを考えて、双方の映画祭がそれくらい大人になってくれたらいいのだけど。

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