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2009年10月24日 (土)

東京国際映画祭:その6/まとめ(上)

数年前から東京国際映画祭がだいぶ良くなった。アジア部門は既に暉峻氏が担当し始めてからよくなっていたが、長い間コンペがひどかったのに比べると、昨年あたりからはかなり見応えがある作品が揃ったと思う。
しかしながらトップの依田巽氏が唱える「4大映画祭入り」は、はてしなく遠い。

コンペ作品は地味すぎで、話題性がない。「あの監督の新作の世界初上映」といった話題が欲しい。もちろんハリウッドの話題作の初上映も必要だ。特別招待のセクションは、正月映画の顔見世興行と化していてあまり意味がない。大手映画会社が宣伝に利用しているだけだ。「ワールドシネマ」部門はほかの国際映画祭に出た秀作で日本公開が決まっていないものを集めていて興味深いが、むしろこちらを中心に特別招待を組み立てるべきだろう。スコリモフスキーやアン・ホイなどのミニ回顧上映は素晴らしいが、やるならもっと本格的にやらないと。

具体的な改革プランを提案したい。
まず何より1名のディレクターをたてて、すべての上映作品の選考責任者とすることが不可欠だ。カタログにも明記する。現在の矢田部氏が最適かどうかは別にして、これまでのディレクターで最もいいのは間違いない。
ディレクターは送られてくるDVDを見たり海外の映画祭に行く以上に、内外のプロデューサー、監督、セールス会社、国内配給会社との緊密な関係を保つことが重要だろう。とにかく世界初上映の話題作を集める人脈と腕力が必要となる。コンペはアジア作品を3分の1から半分入れるくらいがいいだろう。
場合によっては数年の間ディレクターに外国人を立てる手だってある。ディレクターの下には若手のアシスタントを数名置いて、人材を育てる。あるいは海外の映画人に強い人脈を持つ柴田駿、堀越健三、蓮實重彦といった数少ない日本の人材に特別アドバイザーとして手伝ってもらう手もあるだろう。
もちろんディレクターは特別招待部門も担当し(東宝の社員にやらせている場合ではない)、ワールド・シネマなどという日本的解決法は廃止する。
アジア部門は東京国際のウリだから、ディレクターの下にアジア部門ディレクターを置く。現在の石坂氏は最適な一人だろう。
後発の映画祭は企画力で勝負しないといけないから、レトロスペクティヴ部門をきちんと設けて映画史の再発見を行う。このディレクターは毎年変えてもよい。
日本映画は数年前に「ある視点」を設けたのはいいが、この1年の話題作を20本ほど一回ずつでも上映するセクションがあってもいい。ベルリンにはそういうセクションがある。外国の映画関係者にはきっと喜ばれるし、日本人も見損なった話題作を監督の舞台挨拶つきで見られたら嬉しいはずだ。

次回は会場、運営、予算などについて書く予定。

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