文芸春秋「小沢一郎『新闇将軍』の研究」
電車の中づり広告で「文芸春秋」に立花隆の小沢一郎についての論文が載っていることを知り、駅で降りると思わず買った。もちろんかつての立花の「田中角栄研究」を思い出したからだ。
一本の月刊誌の論文が政権を倒したのは空前絶後と言われた論文のことである。
しかし雑誌を手にとってまずがっかりした。たった32ページしかない。読んでさらに落胆した。新しいことがまるで書いていないのだ。海部内閣を実質的に操作したとか、細川内閣成立の筋書きを作ったとかいう既に知られた話が続く。そして鳩山内閣を闇で操っていると書く。角栄と同じ「取引能力」と「恫喝能力」において抜群の才能を持っているらしい。
かつての「田中角栄研究」のように具体的な数字や未知の事実を挙げて、隠れた実像を暴くような姿勢はここにはない。これまでの知識とカンに頼った安易な類型化のように思える。
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