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2009年11月26日 (木)

世田美のオルセー展に失望

世田谷美術館で11月29日まで開催中の「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー」を見に行ってがっかりした。作品が少なすぎる。「オルセー美術館展」といえば2階の展示室も使う大型企画展を想像するが、何と1階の展示室も埋まらずに解説ビデオなどでごまかしているありさまだ。

そのうえ、モーリス・ドニやピエール・ボナールなど同時代の絵画はブリヂストンなどすべて国内の所蔵品で、10点以上ある。これで「オルセー美術館展」とはちょっと無理がある。「アール・ヌーヴォー展 オルセー美術館を中心に」が普通だろう。
またアール・ヌーヴォーと言えば定番で出てくるガラス作品が少なく、家具が中心だ。確かにガレのガラス作品などは日本に傑作がたくさんあるし、ダイニング・ルームや書斎の家具は日本には少ないから意義はあるのだけど、椅子や机ばかり並んでいても「アール・ヌーヴォー」の華やかさは感じられない。地下鉄の入り口で有名なギマールの椅子や天井灯のデザイン画などを見てもしょうがない。華やかなはずのサラ・ベルナールのコーナーが、川崎市市民ミュージアムなどのミュシャのポスターが中心では既視感が漂う。

後半の日本の陶芸の影響を受けた悪趣味な作品を見ながら、今春に公開されたフランス映画『夏時間の庭』を思い出した。映画の中で実際のオルセーのアール・ヌーヴォー担当のティエボー学芸員が「寄贈を受けるのはいいけど、ほとんど展示される機会がないではないか」と言う。今回日本に来た家具やデッサンや陶芸はオルセーでほとんど展示されていない作品なのではないだろうか。

開催中の文化村の「ロートレック展」もそうだし、30数点の油絵しかなかった今春の「ゴーギャン展」(東京国立近代美術館)もそうだけど、新聞社やテレビ局任せで開催だけが決まっていて、後で作品が揃わなくて大慌てというパターンが多くなったような気がする。フランスの美術館は高額な借用料を取りながら、数十点でごまかすという詐欺まがいの商法を身につけたようだ。もちろん騙される方が悪いのだけれど。

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