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2009年11月10日 (火)

何十回目かのロートレック展に考える

渋谷の文化村で今日から始まる「ロートレック・コネクション」展のオープニングに出かけた。展覧会のオープニングは久しぶりだが、考えるところが多かった。

まず何より来ている人々の顔ぶれ。現役の美術館学芸員や大学で教える美術史家もいたけれど、多くは時間に余裕のある「過去の人々」だ。10年以上前に某百貨店で販売促進部長だった人や、展示施工会社の社長をやっていた人、ずいぶん前に定年で美術館長を辞めた人等々。ちょっと物悲しい気もしたけれど、それを来ていたフランス人に言ったら、「こういう人々に招待状を送り続けるというのは、日本の美しい習慣」と言われた。

展覧会を見始めて、すぐに既視感を感じた。有名なロートレックのポスターはもちろんだが、むしろそれ以外のゴーギャンやマネ、ドガなどの作品に対してだ。キャプションを見ると「国立西洋美術館」や「ひろしま美術館」とある。チラシにフランスのアルビのロートレック美術館長の言葉があったので、てっきりそこのコレクションかと思ったら、百余点の展示作品のうち国内作品が半分以上だった。アルビの所蔵作品は10点あまり。

そもそも「ロートレック・コレクション」展だと思っていたのだが、よく見ると「ロートレック・コネクション」だった。まさか人をだまそうと思って作った題名ではないだろうけど、間違いやすい。従って「ロートレックとその時代」という感じの中身である。だから19世紀末のフランス名画なら何でもOKという感じのゆるさだ。

ロートレックの有名な版画は川崎市市民ミュージアムやサントリー・ミュージアムの所蔵。京都工芸繊維大学も相当出品している。日本人はこうした世紀末パリの雰囲気が大好きなのだとつくづく思う。そういえば、来年三菱が丸の内に作る美術館も、目玉はロートレックのコレクションだという。確かに版画は何十枚も残っていて購入価格が安いし、ロートレックなら一般受けもしやすいのだろうけど、それにしても何だかなあ。21世紀も泰西名画は続く。

「ロートレック・コネクション」展は12月23日まで。来年、北九州や広島に巡回。

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