« 成島柳北の欧州日記は爽快 | トップページ | テリー・ギリアムの新作にブニュエルを思う »

2009年11月 6日 (金)

日本向けのアジア映画2本

日本市場に向けたようアジア産の正月映画2本の試写を見た。1本は『私の頭の中の消しゴム』のヒットが記憶に新しい韓国のイ・ジェハン監督の『サヨナライツカ』、もう1本は『山の郵便配達』のヒット以来日本でおなじみの中国のフォ・ジェンチイ監督が台湾で撮った『台北に舞う雪』。どちらも丁寧につくってあるのに、あるいはそれゆえにどこか退屈してしまった。

『サヨナライツカ』は辻仁成原作で、主演が中山美穂と西島秀俊の全編日本語の映画。イ・ジュハンはその原作以上に思い入れたっぷりに撮る。この過剰なまでに凝りに凝った演出は、確かに今の日本の監督にはできないだろう。特に中山美穂への思い入れはすごい。たぶんこの映画ほど彼女が魅力的に見える映画は後にも先にもないだろう。
でもその過剰さに私はほとんどついていけなかった。もともと辻仁成のロマネスクな世界があまりピンとこないせいかもしれない。フジテレビなどが提供のこの映画が当たるのかわからないけど、ハマる人はハマるのだろうなと思った。

『台北に舞う雪』は、全く違った意味で思い入れたっぷりの映画だ。田舎の駅でスーツケースを持った女が降りた瞬間から、濃密な物語世界が立ち込める。まるでシーンごとに説明字幕が出てくるようにわかりやすいラブ・ストーリー。田舎町の駅や坂の上のアパートなど実に映画的な場所が丁寧に撮られているのに、まるで日本のテレビのような演出のわかりやすさに退屈してしまった。
これも好きな人は好きだろうがという映画。こちらは製作から日本の会社が出資している。

そういえば同じような感想を持った『きみに微笑む雨』も日本の会社が製作段階から出資していた。ひょっとして「日本向け」というので監督が配慮しすぎたのだろうか。

|

« 成島柳北の欧州日記は爽快 | トップページ | テリー・ギリアムの新作にブニュエルを思う »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/46686939

この記事へのトラックバック一覧です: 日本向けのアジア映画2本:

« 成島柳北の欧州日記は爽快 | トップページ | テリー・ギリアムの新作にブニュエルを思う »