« 世田美のオルセー展に失望 | トップページ | 目まいのする小島信夫の遺作 »

2009年11月27日 (金)

ジャック・ロジエは永遠に若い

来年1月末に「ジャック・ロジエのヴァカンス」としてユーロスペースほかで公開される6本のうち、『メーヌ・オセアン』(1985)の試写を見た。ロジエといえば『アデュー・フィリピーヌ』(1960)でゴダールやトリュフォーらと並んでヌーヴェルヴァーグの旗手だったが、本国でさえいつの間にか忘れ去られていった監督だ。

実は四半世紀前の公開時にパリで見たらあまりに面白かったのでもう一度見て、ある雑誌に投稿したことがある。試写室への到着が15分ほど遅れることになったので、宣伝の方にあらかじめ「用事で少し遅れますが、中身は全部覚えていますから」と伝えていた。
ところが覚えていると思ったのは大きな間違いで、各シーンごとに驚いた。次の場面の予測が全くつかない。とりわけどんどん新しい登場人物が出てくるたびに面喰ってしまう。例えば突然メキシコ人興行師が毛皮のコートを着て現れるだけでむやみにおかしい。あの強いスペイン語なまりのフランス語。
不思議なバカンスから人生が変わると思いきや、翌日の勤務に間に合わないという自体に転換する。永遠に引き延ばされるような不思議な日常と悲喜劇。こんな映画はほかにない。成熟を拒むジャック・ロジエは永遠に若い!

|

« 世田美のオルセー展に失望 | トップページ | 目まいのする小島信夫の遺作 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/46870150

この記事へのトラックバック一覧です: ジャック・ロジエは永遠に若い:

« 世田美のオルセー展に失望 | トップページ | 目まいのする小島信夫の遺作 »