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2009年11月29日 (日)

炭鉱の一日

昨日は午前中ぼんやりしていてフィルメックスに行く時間を逃してしまい、目黒区美術館で「‘文化’資源としての<炭鉱>」展を見た。その後は東大の「炭鉱映画祭」なるものに出かけた。戦後日本に重要な役割を果たした炭鉱がどのように表現されているかをじっくりと見た一日。

目黒区美の展示は、炭鉱が美術、写真、グラフィックでどう描かれたかをたどるものだ。出だして山本作兵衛の水彩画に圧倒される。筑豊炭田で炭鉱夫として半世紀を過ごした山本が60歳を過ぎて取り組んだもので、炭鉱夫の日常を描いたヘタウマ漫画風の絵に手書きの解説がはいっている。ユーモラスだが鬼気迫るものがある。
次に土門拳らの写真が続く。田嶋雅巳の「炭鉱美人」シリーズは炭鉱の老女たちの肖像写真だが、その晴れ晴れとした表情が心に残った。そして野見山暁治や富山妙子の黒々とした絵画。菊畑茂久馬の巨大な壁画。
廊下まで埋め尽くす作品群に圧倒された。正直なところ、川俣正たちの現代作家の印象は極めて薄い。
正木基学芸員が編集した作家や関係者のインタビューを含むカタログは力作。

映画祭の方は、吉岡宏高さんという、「炭鉱の記憶推進事業団」の代表を務める方のレクチャー付きで実に珍しい映画が揃った。以下はそのリスト。
「黒い炎」1960年 大映(北炭) 前半25分
「立坑」1960年 松岡プロダクション 約23分
「燃えよ石炭」1970年 制作会社不明(常磐炭砿) 38分
「愛と希望の炭鉱」1967年 東映(通産省) 約27分
炭鉱を掘る仕事がどんどん近代化されていく過程が手に取るようにわかる映像だった。600メートルの地下まで降りてゆくシーンには驚いた。

実を言うと、私の父は九州の炭鉱で石炭を入れる紙袋を作る会社を営んでいた。フィルメックスどころではない。ポレポレ東中野の特集上映「映像の中の炭鉱」にも通わないと。

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