ストラーロが撮るカラヴァッジョ
だいぶ前から楽しみにしていたイタリア映画『カラヴァッジョ』の試写を見た。2008年の「イタリア映画祭」で上映されたが、見逃していた。撮影がベルトルッチの『1900年』など華麗な映像で知られるヴィットリオ・ストラーロで、カラヴァッジョを演じるのが『輝ける青春』のマテオ役のアレッシオ・ボニ。
残念ながら演出はテレビ的でストーリー重視だったし音楽も少しうるさかったが、自分としてはカラヴァッジョのさまざまな名画がどのような状況で生まれたかが具体的にわかって実におもしろかった。2001年に東京都庭園美術館で見た奇跡的な「カラヴァッジョ展」が蘇る思い。
特にカラヴァッジョが絵を描く時に、光を探し求めて女性の顔がふっと浮かびあがるシーンなどは、さすがストラーロのカメラならでは。カラヴァッジョが地下牢に閉じ込めらたシーンでさえも、そこに差す光の神々しさといったら。カラヴァッジョの絵に出てくる闇の光が、ストラーロのカメラで手に取るように見えた。
『夜よこんにちは』でテロリストの1人だったパオロ・プリグリアが、カラヴァッジョの有名な絵「果物かごを持つ少年」のモデルになるマリオを演じているのもぴったりだ。
全体に詰め込みすぎの印象もあった。もしマリオ・マルトーネとか、マテオ・ガッローネとか、じっくり見せるタイプの監督が演出していたらもっとよかったのではと思う。
来年2月に公開。
同じ日に見た『(500日)のサマー』には少しかっがり。予告編で見てそこそこおもしろそうで、シャンテでかかる映画だしフォックスだしと思って見に行ったけど、たわいなさすぎる恋愛ゲームに退屈してしまった。恋愛模索中の高校生や大学生にはおもしろいかもしれないけど、40代後半の大人にはちょっと。こちらは1月公開。
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は不思議なSF(2026.04.08)
- 初期アサイヤスに震える:続き『無秩序』(2026.04.12)
- 『自然は君に何を語るのか』の自然とは(2026.04.04)


コメント