« 泰正名画を読み解く術 | トップページ | アメリカのアクション映画2本 »

2009年12月22日 (火)

アート系の配給会社が危ない

今年はムービー・アイ、ワイズ・ポリシー、ザナドゥーがつぶれた。ムービー・アイと言えば『ミリオン・ダラー・ベビー』を配給した会社だし、ワイズ・ポリシーは『ブロークバック・マウンテン』を買ったところ。ともにアカデミー賞映画だ。ヘラルド、ギャガ、日活、アミューズなどもっと規模が大きかった会社は数年前に別の会社に買い取られた。そして今年はその次の規模の会社がなくなっていった。

実は先日ある小さな配給会社の友人から資金繰りについて相談された。ムービー・アイのように40億円を超す負債とは比較にならないくらい小さなものだったが、堅実な経営をしていたはずの会社だったので、ショックを受けた。そういえば、10日ほど前に別の中堅の映画会社の買い付け担当者から「もはやアート系の洋画配給はビジネスとして成り立たない。今後はNPO法人とか作って若者への映画教育をやりたい」と打ち明けられていたばかりだった。

ハリウッド映画とテレビ局が作る日本映画以外への観客がこの10年で激減している。大手洋画配給会社が潰れたのは、90年代以降にバブル的な買い付け合戦を演じた配給会社自らの責任もあるかもしれない。しかしそれを超えた外国への無関心やアート系映画への拒絶反応が広がりつつあるではないだろうか。
関係者に話を聞くと、アート系映画の不況は世界的なものらしい。各国で難しい映画が当たらなくなったという。もっと言えば、多様な文化を求める精神が失われつつのかもしれない。

今年のカンヌ国際映画祭のコンペに出た20本のうち配給が決まったのは4、5本という。東京国際映画祭期間中に開かれたシンポジウムで聞いた話だ。少し前まではすべて売れていた。今やミハエル・ハネケもラース・フォン・トリアーも買い手がいない状態だ。

今年の外国映画配給本数は350本を切るだろうといわれる。そして来年は300本以下。かつては450本以上封切っていたのに。

|

« 泰正名画を読み解く術 | トップページ | アメリカのアクション映画2本 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/47083788

この記事へのトラックバック一覧です: アート系の配給会社が危ない:

« 泰正名画を読み解く術 | トップページ | アメリカのアクション映画2本 »