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2009年12月25日 (金)

『息もできない』は久々の本格的不良映画

東京フィルメックスでグランプリを取ったのに見逃していた韓国映画の試写を見た。ヤン・イクチュンの第一回作品だが、見ているうちに久しぶりの生粋の不良監督が出てきた気がした

。『その男、凶暴につき』の頃の北野武というか、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の頃のジム・ジャームッシュというか、『風櫃の少年』の頃の侯孝賢といったらいいのか、あるいは『青の稲妻』の頃のジャ・ジャンクーか、とにかく映画に本物の不良っぽさを感じる。そのうえ主人公のチンピラを演じているのも監督自身という。
ストーリーは家庭に問題があってチンピラになった主人公が、同じように問題の多い家庭の女子高生と出会う。それだけの話だが、その根本にある父親への憎悪や社会への不信感が画面にみなぎっている。特に主人公の目つきや態度が本物の不良である。まわりにいる人々も実に細かく描かれていて、それぞれが真実の叫びを発している。

来年3月頃に渋谷のシネマライズほか公開とのこと。ライズでは驚異的な韓国映画『母なる証明』が記憶に新しい。これはポン・ジュノの熟練の技だが、『息もできない』は新人監督の思いが画面をひた走る。既にして来年のナンバーワンが決まったような気さえした。


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