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2009年12月13日 (日)

オリヴェイラの新作

今年101歳のマノエル・デ・オリヴェイラの新作『コロンブス 永遠の海』の試写を見た。コロンブスがイタリア人ではなく、ポルトガル人ではという説を信じ、その跡を追いかける夫婦。

時代は1946年から57年、60年とどんどん飛び、2007年になる。そこで夫妻を演じているのはオリヴェイラ夫妻だ。ニューヨークやバークレーであちこちを見て回る夫妻。実を言うと1946年に未成年だったということは、仮に20歳でも、2007年には81歳にしかならない。従って101歳のオリヴェイラよりふた回りは若いはずだが、元気な二人はむしろ70代にさえ見える。このあたりのごまかしもオリヴェイラらしいユーモアだ。
オリヴェイラ夫人のマリア・イザベルも若い。二人でどんなにお互いに愛し合ってきたかを語りあう。最後は彼女自身が郷愁(サウダージ)をめぐる歌を歌う。

静かなショットの積み重ねで物語は淡々と進む。シンプルそのものの作りが、上品な味わいを残す。
かつて世界を制覇したポルトガル人の誇りと郷愁。そのシンボルのようにような剣を持った少女が幻想のようにあちこちに現れる。

来年のGW公開。ポルトガルの歴史を振り返る内容だし、後半は自分も出演しているので遺作にふさわしい内容だと思ったが、なんとその次の作品もできあがっていて、日本公開が決まっているらしい。

2003年に来日した時、一緒に鎌倉の小津の墓に行ったが、彼は階段をわざと2段ずつぴょんぴょんと下りて、まわりをはらはらさせた。ずいぶんお茶目な人だった。いつまでも生きてほしいと思う。

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