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2010年1月

2010年1月31日 (日)

『プレシャス』は筋金入りの黒人映画

アメリカ映画に黒人が出演するのはラテン系と共に今やお定まりになったが、本当に黒人の視点から描いた映画は意外と少ない。古くはサイレント時代ののオスカー・ミショー(昔、フィルムセンターで何本もやった)、最近ではもちろんスパイク・リー。リー・ダニエルズが初めて監督した『プレシャス』は、この系譜に連なる筋金入りの映画だ。

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2010年1月30日 (土)

都写美とかBunkamuraとか

最近、「ウィリアム・ケントリッジ展」や「束芋展」がすばらしかったので、現代美術の映像を評価する気分になっている。で、「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクトアニメーションの源流」展を見に恵比寿の東京都写真美術館にでかけた。

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2010年1月29日 (金)

シネカノン倒産とミラマックス廃業と映連発表と

今朝の朝日新聞に、去年も邦画優勢という映連の発表とシネカノンがつぶれたニュースが並んで載っていた。ネットではアメリカの独立系大手のミラマックスが廃業したというニュースも流れている。いろいろ考えることがあったので、今日は既に1本書いたけど、「号外」を書く。

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いまさらながら『OUT』を読む

桐野夏生の『IN』に衝撃を受けたと友人に話したら、『OUT』の続編かと聞かれた。確かに本のオビにも「『OUT』より12年目の衝撃」と書かれている。実は『OUT』は読んでいなかったので(というか、この小説家はほとんど読んでいない)、いまさらながら読んでみた。

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2010年1月28日 (木)

この10年の最高の映画は

フランスの『カイエ・デュ・シネマ』誌の2月号は毎年「去年のベストテン」を選ぶのだが、代わりに今年は2000年代のベストテン映画というのを選んでいてこれが意外におもしろい。『カイエ』の同人だけではなく、外部の映画評論家や映画監督にまで頼んでいる。外国人にも頼んでいて、日本からは蓮實重彦氏や黒沢清、青山真二両監督が参加している。

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2010年1月27日 (水)

映画『NINE』の豪華絢爛に酔う

3月19日に公開されるロブ・マーシャル監督『NINE』の試写を見た。久しぶりに豪華絢爛な映画を見た気がする。
豪華な理由の一つは、オールスターキャスト(この言葉も久しぶり)だ。ダニエル・デイ=ルイス演じる監督を、妻のマリオン・コティヤール、愛人のペネロペ・クルス、主演女優のニコール・キッドマン、衣装デザイナーのジュディ・デンチ、母のソフィア・ローレンなど9人の女たちが取り囲む。

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2010年1月26日 (火)

食べ頃白菜の簡単レシピ

霜が降りた後の白菜は、天の恵みのようにおいしい。『danchu ダンチュー』最新号はシチューとスープ特集で、旬の白菜を使ったレシピ「焼き白菜とベーコン煮」があったので、作ってみた。実に簡単でうまい!

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2010年1月25日 (月)

日経の映画評に誘われて『海角七号』を見る

少し前の日経新聞の金曜夕刊で宇田川幸洋氏が絶賛していたので『海角七号 君思う、国境の南』を見た。宇田川氏の文章は「陽気な群像喜劇のもりあがりのなかに、ときおり、引揚船のイメージと愛の手紙が、まぼろしのように交差し、詩情をあたえる」と書かれていてどうしても見たくなったのだ。日経の映画評には、時おり思わず映画館に走りたくなる文章がある。

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2010年1月24日 (日)

大学生の文章力

私の勤める大学は、1月末に授業が終わる。実は教師にとってはそれからが忙しくなることが最近分かった。学期末試験の採点をし、レポートや卒論を読み、それらに点をつける。あるいは入試問題作りと立ち会い、そして採点。
とにかく学生の文章を何十も、何百も読む。特に原稿用紙百枚前後の卒論を20本ほど読む。そんな中で、全く日本語の基本ができていない文章によく出会う。

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2010年1月23日 (土)

計算しつくされた映画はおもしろいか

最近見た試写で、よく計算された映画だなと思うものが2本あった。今月30日に公開されるアメリカ映画『パラノーマル・アクティビティ』と2月20日公開の行定勲監督『パレード』だ。全くジャンルもタッチも違う映画だけど、観客をどう乗せるかを徹底的に計算している点が、妙に気になった。ちなみに結末はなぜか似ている。

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2010年1月22日 (金)

『テレビの青春』の静かなおもしろさ

年末に森達也氏の『放送禁止歌』と小林信彦氏の『テレビの黄金時代』という昔のテレビを扱った本をここに書いたが、また同じような本を読んでしまった。去年出た今野勉氏の『テレビの青春』だ。
いまはテレビを見ないくせに、1960年代後半から70年代末まではテレビばかり見ていたせいか、昔のテレビの話は大好きなのだ。

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2010年1月21日 (木)

『フィリップ、君を愛している!』に高笑い

なぜか詐欺師の映画が大好きだ。中学の時に見た『スティング』に始まって、最近では『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』とか、『ディボース・ショー』とか、直近だと『インフォーマント!』がよかった。で、3月に公開する痛快な詐欺師映画『フィリップ、きみを愛している』の試写を見た。

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2010年1月20日 (水)

ルノワールの絵を馬鹿にしてはいけない

ピエール=オーギュスト・ルノワールといえば、丸々と太った裸婦が草原に立っている絵ばかり描いた画家だと思っていたが、それだけではなかった。国立新美術館で開催されるルノワール展の内覧会に行って、正直そのおもしろさに驚いた。

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2010年1月19日 (火)

『ニューヨーク、アイラブユー』またはオムニバス映画の現在

10人の監督がニューヨークを描くオムニバス映画『ニューヨーク、アイラブユー』をの試写を見た。2年ほど前に見た『パリ、ジュテーム』と同じプロデューサーだから続編のはずだが、日本での配給元が違うし、パリ編があまり当たらなかったこともあってか、別物として売り出しているようだ。

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2010年1月18日 (月)

桐野夏生の『IN』の恐ろしさ

不倫は怖い、しかしやめられない。主人公を編集者と不倫をする小説家に設定し、さらにその小説家は別の物故小説家の不倫を描いた私小説の真相を取材して書くというのが主なストーリーで、結果として小説というシステムそのものの恐ろしさを見せる奇妙な小説が、桐野夏生の『IN』だ。

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2010年1月17日 (日)

『1968』からはじまる:その②

年末から正月にかけて小熊英二の『1968』全2巻を読んで感激し、1月2日に「これから折に触れて何度かに分けて書きたい」と書いたけれど、それから一度も書いていないことに気がついた。
新年会と称して何度か酒を飲んで、友人たちにこの本のすばらしさをしゃべりまくり、もう済んだような気分になっていたようだ。考えてみたら、このブログが続いている最大の理由は、酒を飲む回数が減ったからかもしれない。
それはともかく、もう一度『1968』について、重要な点だけでも書く。

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2010年1月16日 (土)

「濱壹」は魚料理の天国

おいしい魚料理を食べるのに最高の店に出会った。先日、年上の友人に連れられて4人で出かけた「濱壹」のことだ。御成門駅から歩いて2、3分のところにあるのだが、何ともわかりにくい。ようやく見つけて入ると、あまり歓迎する雰囲気もなく、2階に通された。狭い空間にテーブルが3つ。およそしゃれた雰囲気はなく、むしろ殺風景なくらい。

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2010年1月15日 (金)

『アバター』は本当におもしろいか

話題の『アバター』をようやく見た。とにかくみんながほめるので期待して日劇に行ったが(日曜夕方で満員だった)、実は不満が残った。おもしろくないとは言わない。特にナヴィの国の造形の美しさ、繊細さはすばらしいし、特にくらげのような空を舞う生物や空を舞う大きな翼の鳥、巨大な木など見ていて何とも気持ちがいい。

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2010年1月14日 (木)

『卒業』を今見てみると

最近見た映画で2本も『卒業』(1967)のシーンが引用されていた。現在公開中の『(500)日のサマー』と2月から上映される『恋するベーカリー』だ。
この映画はどうもアメリカ人には特別の意味を持つらしい。アメリカの著名な映画研究者、デーヴィッド・ボードウェル(1947年生まれ)も確かどこかでこの映画を「ようやく自分たちの世代の映画がアメリカにも現れたと思った」と書いていたはずだ。で、四半世紀ぶりにDVDで見た。

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2010年1月13日 (水)

私にとってのロメール

エリック・ロメールが死んだ。知ったのは昨日の朝9時過ぎ。新聞記者の友人から電話があった。「シネ・ヴィヴァン六本木で何本も見たよね」と話をした。
ロメールは同じヌーヴェル・ヴァーグのゴダールやトリュフォーと違って、最初の『獅子座』(1959)以来長い間日本で劇場公開されなかった。最初に映画館で公開されたのはたぶん『海辺のポーリーヌ』(1983)で、1985年のことだ。だから日本で最初から順を追って同時代的にロメールを見た人は、フランス留学組以外はいなかった。

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2010年1月12日 (火)

フランスの日本化

最近外国に行くと、世界がだんだん日本化してるような気がすることがあるけれど、仏雑誌Le nouvel Observateurの年末の合併号で「この10年でフランスで現れたもの」という記事を読んで、その思いを強くした。取り上げられているのは、「自転車の流行」「喫煙ゾーン」「飛行場の混乱」「分別ゴミ回収」「スシ」「携帯電話」「CDの終焉」「動画サイト」「オープンキッチン」「スーパー・ナニー」「ロフトストーリー」(おわり2つはテレビ番組)。

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2010年1月11日 (月)

ケントリッジ展の衝撃

東京国立近代美術館で開催中の「ウィリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた」展が抜群におもしろい。始まったばかりだが2度も行ってしまった。
これまでベネチア・ビエンナーレや横浜トリエンナーレでも作品は見ていたけれど、今回初期から最新作まで見て、本当にすごいと思った。

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2010年1月10日 (日)

ナチスをめぐる映画2本

実を言うとナチス関係の映画が好きだ。自分でもその理由はわからないが、だいたい見ている。ヒトラーは出てこないが、ナチスの影響が色濃い映画を2本見た。現在公開中の『誰がため』と3月20日公開の『アイガー北壁』で、ともに迫力満点だ。

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2010年1月 9日 (土)

山田詠美の『学問』に我を忘れる

年末の本屋で、山田詠美という名前と『学問』という題名の取り合わせがおもしろくて買った小説だ。帯に「私ねえ、欲望の愛弟子なの」と書かれていたのも引っかかった。
地方の田舎に生きる4人の少年少女を描いたものだが、その語りのうまさに我を忘れて読んだ。

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2010年1月 8日 (金)

『輝ける青春』が一位

「イタリアに好奇心 7日遅れのコッリエーレ・デッラ・セーラ」というブログがある。イタリアの新聞からおもしろそうな記事を翻訳して載せているので、よく見る。
そのブログにイタリアで年末に載った2000年代のイタリア映画の人気投票が翻訳されていた。一位は断トツで『輝ける青春』だ。 あの6時間のドラマに涙した日本の観客も多いと思う。

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2010年1月 7日 (木)

老いた母と暮らすということ

最近会った映画会社の女性の友人が「正月に田舎で母と一緒にいたら本当に疲れた」と言う。老いた父が大変なのは最初からわかっているが、母親も意外にめんどうなのだ。それが知的、あるいは芸術的なタイプだったらなおさらだ。ちょうど萩原朔美『死んだら何を書いてもいいわ 母・萩原葉子との百八十六日間』を読んでいたので、そう思った。萩原朔美氏というと何だか親の七光りでいつの間にか要領よく映像作家や大学教授になった人だと勝手に思っていたが、この本は奥が深い。

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2010年1月 6日 (水)

「流れすぎる」映画

珍しくハリウッド・メジャーの試写を見た。メリル・ストリープ主演の『恋するベーカリー』だ。前に『沈まぬ太陽』を評して「テレビのような」と書いたけれど、これはそんなことはない。よく練られたシナリオとメリル・ストリープを中心に過不足なく配置されたキャストが流れるように家庭劇のアンサンブルを見せてくれる。

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2010年1月 5日 (火)

束芋の皮膚感覚

横浜で映像の展覧会というと、「ヨコハマ国際映像祭」の悪夢が甦ってきそうでいやだけれど、横浜美術館で開催中の「束芋 断面の世代」展はおもしろかった。2001年の「横浜トリエンナーレ」で最年少の出品作家として注目された1975年生まれの女性が、その後どのように自分の世界を広げていったかを存分に見せてくれた。

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2010年1月 4日 (月)

『黒澤明という時代』の重み

小林信彦氏は小説よりエッセーがおもしろい。週刊文春の連載はほぼ毎週読んでいるし、特に昔のテレビや映画のことを書くと実にリアリティがある。
彼の近著『黒澤明という時代』は、その意味でこれまでの黒澤論と違った時代の重みを感じさせる言葉が並んでいる。研究でも評論でもない。黒澤論としてはむしろ薄い本だ。
封切り時に見た時の「感触」を思い出し、その時の周囲の状況を書き起こす。その想起力のたくみさでぐいぐいひっぱってゆく。遠慮なく書く一言、一言が実に重い。

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2010年1月 3日 (日)

「軽子坂上ル」は普通でうまい

神楽坂通りから一本はずれたところに軽子坂がある。坂の入口に名画座「ギンレイホール」がある通りだ。そこを上っていくとそこそこの評判のイタリア料理やフランス料理やおでん屋があるのだが、年末にそこの「軽子坂上ル」を友人と訪れた。

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2010年1月 2日 (土)

『1968』から始まる:その①

実を言うと年末の28日から今日まで、ずっと小熊英二氏の『1968』を読んでいた。同じ去年出て話題になった2冊本でも、『1Q84』ではないので念のため。
上下巻各約千ページ、原稿用紙にして5千枚という大著で、17章あるけれど各章が単行本くらいある。27日に本屋で、上巻のヘルメットをかぶったあどけない少女の表紙写真を見て、どうしても買いたくなった。何と計14,280円で、二冊持つと腕にぐっと重みがかかる。読み始めても重すぎて、ソファで片腕に支えることはまず無理だった。

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2010年1月 1日 (金)

新年の挨拶に代えて

去年の4月に転職と同時に始めたブログも、はや8カ月過ぎた。全部で260回も書いて、計2万近くもアクセスがあったことに正直驚いている。この4カ月の平均は約150で、日によっては800を超すことも。これが多いのかどうかもわからないが、写真も広告もリンクもない文字だけのブログにしては上出来だと、自分で勝手に思っている。少し批判めいたことを書いた時などちょっと怖い。
アクセスは全国各地からあり、海外も多い。韓国映画について書くと、韓国からのアクセスがある。

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