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2010年1月27日 (水)

映画『NINE』の豪華絢爛に酔う

3月19日に公開されるロブ・マーシャル監督『NINE』の試写を見た。久しぶりに豪華絢爛な映画を見た気がする。
豪華な理由の一つは、オールスターキャスト(この言葉も久しぶり)だ。ダニエル・デイ=ルイス演じる監督を、妻のマリオン・コティヤール、愛人のペネロペ・クルス、主演女優のニコール・キッドマン、衣装デザイナーのジュディ・デンチ、母のソフィア・ローレンなど9人の女たちが取り囲む。

彼女たちはみな監督のグイドを愛し、ミュージカルのシーンではゴージャスな衣装を着てそれぞれの愛の形を歌い上げるのだからたまらない。
特にペネロペ・クルスの肉感的なダンスと歌は特筆ものだ。彼女は今、もっともセクシーに輝いている女優なのではないだろうか。あるいはマリオン・コティヤールの、ヘップバーンのような清楚な表情とシンプルな衣装も対照的で印象に残る。ソフィア・ローレンは、とにかく本人がそこに出るだけでイタリア映画の華麗な歴史そのものが浮かび上がる。
もう一つの豪華さは、フェリーニの『8 1/2』を下敷きにした設定にある。時は1965年、イタリア映画がフェリーニ、ヴィスコンティ、アントニオーニなどを中心に最も輝いていた時代である。チネチッタの5番スタジオには大きなセットが組まれ、無数の人々が走り回る中をカメラを載せたクレーンが駆け巡る。記者会見や夕食会の賑やかさもあの時代ならではだ。
疲れたグイドが逃げ込むのはローマ郊外の海岸、アンツィオの高級ホテルだ。ほかにも少年時代のペザロや後半のアンギアッラなどの海岸が、イタリアの優雅なバカンスを思わせて心地よい。とりわけ撮影が中止になって、2年後にアンギアッラの海岸をダニエル・デイ=ルイスとジュディ・デンチがゆっくり歩くシーンが繊細でいい感じだ。そしてこれが撮影の再開につながってゆく。登ってゆくクレーンに乗る監督と9歳の少年(監督の少年時代)。
『8 1/2』を下敷きにしているだけあって、アメリカ映画にしては一般には少し難しい内容かもしれないが、こういう大人向きの映画は是非当たって欲しい。
イタリア映画好きには、エリオ・ジェルマーノ、ヴァレリオ・マスタンドレア、リッキィ・トニャッツィといったイタリア映画祭で常連の俳優たちが脇役を占めているのも嬉しい。エリオ・ジェルマーノが演じる助監督は、監督に「ピエル・パオロ!」と呼ばれるが、これは初期にフェリーニの脚本を書いていたパゾリーニのことだろうか。

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