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2010年1月29日 (金)

シネカノン倒産とミラマックス廃業と映連発表と

今朝の朝日新聞に、去年も邦画優勢という映連の発表とシネカノンがつぶれたニュースが並んで載っていた。ネットではアメリカの独立系大手のミラマックスが廃業したというニュースも流れている。いろいろ考えることがあったので、今日は既に1本書いたけど、「号外」を書く。

1989年に創業したシネカノンは、映画好きにとって輝かしい存在だった。キェシロフスキの旧作の上映から始まって、ケン・ローチの新作などアート系の映画を続々と配給し、『シュリ』で当てたかと思うと『パッチギ!』や『フラガール』の製作をする。映画館網もどんどん広げた。配給から始まって製作や興行にも手を広げたサクセス・ストーリーそのものだった。
ミラマックスと言えば、90年代に日本の配給会社(その多くは今はない)が競って作品を買ったところだ。タランティーノやマイケル・ムーアもあれば、アカデミー賞作品も多い。ニューヨークの立ち並ぶ高層ビルの夜景のロゴは、みんな覚えていると思う。
アート系映画の不振は日本に限ったことではないというのは、外国人からよく聞く。ミラマックスの場合は創業者のワインスタイン兄弟は既に追い出されて自分たちの会社を作っているし、ミラマックス自体がディズニー傘下でかなりメジャー化しているのでもはやアート系と言えるかわからないが、かつてアート系の星だったことは間違いない。日本とアメリカの独立系の希望の星が一挙になくなった気がする。

映連の発表で『ROOKIES』が興収一位だったことはどうでもよい。問題は邦画の公開本数が去年より30本も増えて、448本になったことと、洋画が去年より74本も減って314本になったことだ。ちなみに2007年は邦画407本、洋画403本で拮抗している。シネカノンは外国映画の配給から始まって、邦画製作に手を広げて失敗した。

ここからわかるのは、日本人が外国映画への興味を急速に失っているという事実だ。メジャーのアメリカ映画は相変わらず当たっているから、主にヨーロッパやアジアの映画がほとんど当たらなくなっている。アート系の配給会社は買い取られるかつぶれるところが続出し、生き残ったところは買い控える。

この悪循環を断ち切るのは、結局観客しかない。とにかく、映画館に行こう。『フローズン・リバー』や『抱擁のかけら』や『息もできない』やジャック・ロジエの映画を見よう。そうしないと、こんなおもしろい映画が見られなくなってしまう日が目の前に来ている。

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