« 大学生の文章力 | トップページ | 食べ頃白菜の簡単レシピ »

2010年1月25日 (月)

日経の映画評に誘われて『海角七号』を見る

少し前の日経新聞の金曜夕刊で宇田川幸洋氏が絶賛していたので『海角七号 君思う、国境の南』を見た。宇田川氏の文章は「陽気な群像喜劇のもりあがりのなかに、ときおり、引揚船のイメージと愛の手紙が、まぼろしのように交差し、詩情をあたえる」と書かれていてどうしても見たくなったのだ。日経の映画評には、時おり思わず映画館に走りたくなる文章がある。

実際に映画館で見た感想は、期待したほどでもなかった。音楽映画ならではの盛り上がりははずしていなかったが、時々安易な盛り上げや甘い演出も目立った。新人監督とは思えないほど人の心をつかむコツを心得ているので、今後うまくいけば山田洋次のような大衆路線を歩むのではないだろうか。実を言うと宇田川氏の文章に、ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンとはいかなくても、相当繊細な映像を期待していたのだが。

日経の映画評は、日刊紙の中で最も魅力的だ。宇田川氏はアジアを中心にアクション映画を書き、渡辺祥子氏はアメリカ映画のメジャーどころを押さえる。村山匡一郎氏はドキュメンタリーや邦画について書き、中条省平氏や野崎歓氏はヨーロッパ映画に強い。思わず見たくなるような文章を書ける、50代を中心にした芸達者たちが専門別に揃っている感じだ。
読売や毎日は記者が書いているから、わかりやすいがおおむねおもしろみに欠ける。時々勘違いもある。朝日は外部筆者だが、70代のいささか弛緩した文章に呆れたり、40代の生硬で強がりな文章が鼻についたりすることもあって、日経に比べて明らかに生彩を欠いている。作品の選択も、時々首をかしげることも。

|

« 大学生の文章力 | トップページ | 食べ頃白菜の簡単レシピ »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/47385161

この記事へのトラックバック一覧です: 日経の映画評に誘われて『海角七号』を見る:

« 大学生の文章力 | トップページ | 食べ頃白菜の簡単レシピ »