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2010年2月

2010年2月28日 (日)

『アバター』から『第9地区』へ

まえにこのブログで『アバター』の文化人類学的分析を読んでみたい、と書いたら数日前の朝日新聞に生井英考氏など3人の分析が載っていておもしろかった。アクセス解析のログで見ると、朝日新聞からのアクセスが1日に5件はあるので、ひょっとしてこのブログを見て記事を思いついたのかな、などと考えると楽しい。
『アバター』と同じくらい文化論的な分析をしたくなる映画がGWに公開される『第9地区』だ。『アバター』の裏面と言ってもいいかもしれない。

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2010年2月27日 (土)

ガラパゴス化:その②

本屋で雑誌を立ち読みしていたら『クーリエ・ジャポン』という雑誌に韓国の「朝鮮日報」が日本のガラパゴス化を論じている文章があったので、買ってしまった。リーマン・ショック以降、株価の回復率が最も低いのは日本であるとか、韓国に比べて日本の輸出は欧米に偏りすぎているとか、いろいろショッキングなことが書かれている。

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2010年2月26日 (金)

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の反時代性

『ゲルマニウムの夜』が話題になった大森立嗣監督の新作『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の試写を見た。最近このブログで青春映画は親のカタキと書いたが、それは青春を謳歌して肯定する映画のことで、この映画はその真逆だ。
この映画の主人公は小さい頃に施設に入れられて、今は解体工事の会社に勤めるケンタとジュンの2人。そこにくっついてくるカヨという女。映画はその3人が網走の刑務所にいるケンタの兄を訪ねてゆくロード・ムーヴィーだ。

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2010年2月25日 (木)

『ガラパゴス化する日本』に唖然

少し前から「ガラパゴス化」という言葉を聞くようになったと思っていたが、その元祖の一人、吉川尚宏氏が書いた新書版の『ガラパゴス化する日本』を読んで、唖然とした。あまりにも当たっているからだ。
一言で言うと、今の日本はちょうどガラパゴス諸島のように独自の進化を遂げてしまい、世界に全く通用しない製品やサービスばかりになってしまったことを指す。だから日本の製造業の多くは国内市場のみを相手にしていて、人口が減る一方の日本は尻すぼみに向かうという。

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2010年2月24日 (水)

『抱擁のかけら』を再度見に行く

試写で見て、たいそう気にいったので、映画館にもう一度見に行った。何といっても、ペネロペ・クルスの格別に可愛い姿をもう一回見たかったこともある。彼女はウディ・アレンの『それでも恋するバルセロナ』やもうすぐ公開の『NINE』など、今やその魅力が全開状態にある。ましてやスペイン映画で、それもアルモドバル相手なら間違いがない。

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2010年2月23日 (火)

雑誌「スイッチ」の大島渚

書店で雑誌を眺めていたら、「スイッチ」の最新号の表紙が大島渚監督の写真で驚いた。どう見ても最近の写真だ。中を読むと、本当に最近撮りに行ったようだ。もうメディアには出ないのかと思っていたが、やはり出たがりなんだと妙に納得した。

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2010年2月22日 (月)

現美で岡崎乾二郎に心を打たれる

東京都現代美術館が毎年冬に開くアニュアル展はほぼ毎年見ている。年によってはかなり充実している。で、今年も出かけて行ったが、「装飾」がテーマだった。かなり時間をかけて作られた作品も多いのでそれなり見応えはあったがが、いま一つインパクトがない。「装飾」だからといって、みんなが細密画みたいな作品を作ることはないだろう。その中では水田寛や横内賢太郎の絵が気にいった。自分としては絵が好きなのだろう。4月11日まで。

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2010年2月21日 (日)

奥田英朗のテロ感覚

1年ほど前に出た奥田英朗の『オリンピックの身代金』を読んだ。昨晩読み始めて、もう読み終わってしまった。彼の小説は『サウスバウンド』や『家日和』しか読んでいないけれど、そこに出てくる反政府的な感じというか、テロを支持する感覚が好きだ。

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2010年2月20日 (土)

フランス映画における物語の現在

3月のフランス映画祭の試写で、出だしがそっくりなのに全く違うフランス映画2本を見た。1本は『ミック・マック』で、かつて『アメリ』で一世を風靡したジャン=ピエール・ジュネ監督の新作。もう1本は映画通に人気のアルノー・デプレッシャン監督の『クリスマス・ストーリー』。
『ミック・マック』は西サハラで父親が地雷で殺されて、30年後に成長した主人公も銃で撃たれて職を失うところから始まる。『クリスマス・ストーリー』は40年前に長男を6歳で亡くすシーンが出だしだ。共に最初に家族の死が映し出されてドラマチックに物語が始まるが、その後が全く違う。

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2010年2月19日 (金)

やっぱり「映像祭」は粉砕!

今年で2回目になる東京都写真美術館の『恵比寿映像祭』の内覧会に出かけた。確かに前回の惨状に比べたら少しは良くなったし、あるいは「ヨコハマ国際映像祭」のゴミの集積よりもマシではあるが、やはりおもしろくない。
去年はテーマはなかったが、今年は「歌をさがして」というテーマを設けている。

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2010年2月18日 (木)

日本の青春映画2本

青春映画はおろか、そもそも青春が苦手だ。高校なんて受験勉強ばかりで最低だし、大学も退屈だった。そのうえ、全くもてなかった。だから青春映画というのは、だいたい昔から親のカタキのような気がしている。
それでも『ソラニン』(4/3公開)と『武士道シックステーン』(GW公開)と、青春映画の試写を立て続けに見た。

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2010年2月17日 (水)

『大学教授という仕事』を読む

新聞広告で見た瞬間にピンときて、アマゾン経由で買った杉原厚吉氏の『大学教授という仕事』は、ちょっと期待外れだった。
新米大学教師の私としては、もっとリアルな暴露的なものを想像していたが、あまりにも普通な本だった。
東大工学部の大学院を出てそこの教授となった人の話だから、何も奇想天外なことはない。ただ、それゆえにまともなエリート教授が何をしているか、考えているかがよくわかっておもしろかった。こういい人は私の周りにはあまりいそうにないので。

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2010年2月16日 (火)

映画という因果な商売

フランス映画の新作『あの夏の子供たち』の試写を見た。いわゆる映画界の話で、自ら小さな映画製作会社を経営する40代後半の男が資金繰りが苦しくなってとうとう自殺してしまい、後に残された妻と3人の娘はそれを乗り越えて生きて行く。自分と同世代の男の話でもあり、見ていてひどく身につまされた。

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2010年2月15日 (月)

西原理恵子の激しい人生

西原理恵子の『この世で一番大事な「カネ」の話』を読んだ。1年ほど前に出た本だが、もう7刷だ。
買ったのは、装丁もそうだが、各章の扉に自筆の文字とイラストがあって、手作り感あふれる造本が気に入ったからだ。中身はさらに手作りで、極貧の少女時代から、バイトを追いかけた美大生時代、そして漫画家になって博打や外貨取引を漫画にしながら自らも損してしまう話、そして途上国を回って貧乏な子どもに接する話など、振幅の激しい生活の中から生まれた強烈な言葉が踊っている。

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2010年2月14日 (日)

ヘルツォークの新作とニュー・ジャーマン・シネマの現在

2月27日に公開されるヴェルナー・ヘルツォーク監督の『バッド・ルーテナント』の試写を見た。あのニュー・ジャーマン・シネマの旗手だった鬼才ヘルツォークがアメリカでニコラス・ケイジを主演に撮ったということ自体がおかしな話だが、映画はそれにもまして珍品だった。

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2010年2月13日 (土)

『葬式は、要らない』か

先日ある方が亡くなり、お通夜と告別式を手伝った。葬儀場に立って参列者を迎えながら、自分の葬式はどうなるのかを考えていた。そんな時に新聞の一面下の書籍広告を見てすぐ買ったのが、島田裕巳氏の『葬式は、要らない』という新書だ。読んで最もおもしろかったのは、戒名に関する記述だ。

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2010年2月12日 (金)

なぜ現代の日本でデモはないのか

『柄谷行人 政治を語る』を読んだ。学生の頃はニューアカばやりだったので彼の本は『意味という病』など何冊か読んだが、最近は全く読んでいない。この本はインタビュー集で、「60年代・70年代を検証する」という副題が気になって買った。

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2010年2月11日 (木)

あらためてスクリーンで古典映画を見ること

先週末から全国の東宝シネマズ系で「午前10時の映画祭」というのが始まっている。『ローマの休日』とか『アラビアのロレンス』とか、いわゆる外国の名画を50本、ニュープリントで入場料1000円(学生500円)で上映する。まるで文化庁の「優秀映画鑑賞会」の洋画版のような企画をなぜ東宝がはじめるのだろうか。東宝のことだから最終的にはビジネスになると踏んでのことに違いないが、DVDやテレビ放映、映像配信の時代にあえて映画館用にプリントを作って上映するとは。

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2010年2月10日 (水)

電車と漱石

実は電車に乗るのが好きだ。地下鉄ではない。最近は職場に行くのにほぼ毎朝郊外に向かう私鉄の各駅停車に乗るが、これがいい。ひなびた小さな駅は昭和の東京がそのまま残っている。そのうえラッシュと反対方向なので、ちょっと世捨て人になった感じだ。

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2010年2月 9日 (火)

『インビクタス』に見る南ア

先月見た「ウィリアム・ケントリッジ展」で急に南アフリカの歴史について考えていたら、最近立て続けにそこを舞台にした2本の映画を見た。封切られたばかりのイーストウッド監督の新作『インビクタス/負けざる者たち』と、突如アカデミー賞に4部門もノミネートされた『第9地区』だ。

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2010年2月 8日 (月)

柔らかで快適な日本?

なぜか今年は年末年始に知り合いの外国人が何人も来日した。ほぼ全員が、日本は快適だ、人は柔らかで親切で交通機関やホテルなどが見事に機能している、コンビニは極めて便利、食べ物はどこに入っても水準以上等々と満足げだ。

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2010年2月 7日 (日)

大学入試の怪

大学教員になって初めて入試を経験した。民間企業に勤めていた者から見ると、これは相当にヘンだ。500人の教室に20人ほどの教授や準教授が待ち構え、することといえば答案用紙や問題を配り、回収するだけ。そのあいだの1時間や1時間半はひたすら受験生を監視する。

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2010年2月 6日 (土)

『パリ20区、僕たちのクラス』とドキュメンタリーの現在

ローラン・カンテ監督のフランス映画『パリ20区、僕たちのクラス』を“ようやく”見た。ようやくというのは、2008年のカンヌでパルム・ドールを取ったのになかなか配給が決まらず、その年の末に売れて公開が今年の6月までずれ込んだからだ。カンヌの最高賞が売れないなんて、日本の洋画配給が行き詰っていることの象徴のようなできごとだ。

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2010年2月 5日 (金)

『オーケストラ!』または音楽映画の魅力

音楽をテーマにした映画は楽しい。『アマデウス』をはじめとしてモーツァルトやベートーベンを主人公にした映画はいくつもある。満員の荘厳な劇場で音楽を聴けるだけで気持ちが良くなる。
オーケストラができるまでを撮った映画も抜群におもしろい。個性的な演奏家たちが練習を重ねるうちにだんだん調和ができていって、最後にまとまればそれだけで映画になる。GWに公開される『オーケストラ!』もそんな期待を持って試写を見に行った。

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2010年2月 4日 (木)

奇書『この世のすべては私のもの』に惑わされた一日

ヘンな本を読んだ。大学に通うようになって私鉄によく乗るが、その出発駅に小さな本屋があってそこで見つけたわずか千円の薄っぺらい作りの本が『この世のすべては私のもの』。躁鬱病患者の手記だが、奇書という言葉がぴったりで、昨日は一日これに惑わされた気がする。

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2010年2月 3日 (水)

『ゴールデンスランバー』の不完全燃焼感

娯楽映画の楽しみの一つは、いくつもの小さな仕掛けが折り重なって最後に結実してゆくことだ。とりわけサスペンス映画ではすべての仕掛けが機能することが重要な要素となる。ヒッチコックやハワード・ホークズはその天才だが、アメリカ映画はおおむねその部分はしっかりしている。
『ゴールデンスランバー』はそこが決定的に弱い。

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2010年2月 2日 (火)

神山明氏の四半世紀

京橋のギャラリー東京ユマニテで神山明氏の個展が始まったので初日に出かけた。現代美術は好きでも普段は画廊までは行かないが、何人かは例外でその一人が神山氏だ。たぶん20年前ほどからかなりの作品を見ていると思う。

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2010年2月 1日 (月)

『右翼は言論の敵か』に見る最近の右翼像

鈴木邦男氏の『右翼は言論の敵か』を読んだ。鈴木氏は一度現代美術のシンポジウムでその話を聞いたことがあったが、静かでもの柔らかな話しぶりに「右翼には見えない」と思った。
既に何冊も本を出している氏の文章を読むのは初めてだったが、なかなかおもしろかった。

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