『大学教授という仕事』を読む
新聞広告で見た瞬間にピンときて、アマゾン経由で買った杉原厚吉氏の『大学教授という仕事』は、ちょっと期待外れだった。
新米大学教師の私としては、もっとリアルな暴露的なものを想像していたが、あまりにも普通な本だった。
東大工学部の大学院を出てそこの教授となった人の話だから、何も奇想天外なことはない。ただ、それゆえにまともなエリート教授が何をしているか、考えているかがよくわかっておもしろかった。こういい人は私の周りにはあまりいそうにないので。
大学の教授は「教え方を教わっていない」。そのうえにカリキュラムもない。それはその通りだ。しかし、「教壇は最良の勉強の場」とも書く。確かに教える内容を考えながら、そして実際に教えながら自分の研究テーマを深めてゆくのが理想だが…。
理系は論文を英語で書くという。そうしなければ日本国内でしか通用しない、という。これは大変だ。
大学内の管理運営の仕事は割り切って楽しむこと。ううん。
研究費獲得は、審査の側の立場を考えて書類を作ること。はあ。
大学教授は、結局セルフマネージメントである。そのためには「緊急ではないが重要なこと」に締め切りを課して、「態勢が整わなくてもともかくシュートを打て」。そう言われても。
私などは態勢以前の問題なので、エリートのこの人の例はとても参考にはならないが、こんなにまじめな先生がいるのだということを知るだけでもためになった。日本は安泰である。
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