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2010年2月23日 (火)

雑誌「スイッチ」の大島渚

書店で雑誌を眺めていたら、「スイッチ」の最新号の表紙が大島渚監督の写真で驚いた。どう見ても最近の写真だ。中を読むと、本当に最近撮りに行ったようだ。もうメディアには出ないのかと思っていたが、やはり出たがりなんだと妙に納得した。

買って中の記事を読むと、あまり文章に驚くようなところはなかった。少なくとも大島さんの直接の言葉はないに近い。しかしちゃんと言葉は理解できるようで、明子夫人が何度も「パパ、もっと目を開けて」と言うと「分かっている!」と怒鳴ったという。それから監督の冨永昌敬が8ミリカメラをカラカラと回すと、ギッとカメラの方を睨んだという。
表紙も含めて大島さんは赤いマフラーを巻いているが、これは夫人が寒いと思って自分のマフラーをかけたのがそのままになったようだ。しかしその赤が実に似合っている。写真はホンマタカシ。
雑誌の撮影なんて断ることもできただろうが、あえてそれを受けるところが大島さんらしい、と思う。

そういえば、15年ほど前に大島監督に会って、パゾリーニについて聞いたことがある。その時彼は「パゾリーニみたいに作る映画ごとにスキャンダルを起こすのは大変な才能なんだよ、まあ僕もそうだけどね」と言った。作る映画ごとに話題になりたい、目立ちたい感覚は今回の写真からも伝わってくる。テレビに出ていたのは、あながち映画の資金作りばかりではなかったのだろう。

最近、『飼育』と『絞死刑』をDVDで見た。特に『抵死刑』は、悲劇と喜劇が混じり合った感覚が実に新鮮だった。渡辺文雄を始めとして、俳優たちの組み合わせが異様だ。小林信彦が黒澤論で書いているように、1960年代は大島渚と今村昌平の時代である。

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