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2010年3月15日 (月)

今年のフランス映画祭はハイレベル

3月18日から22日まで開催されるフランス映画祭は、試写を見る限り例年になくレベルが高いように思える。もはや以前ほど日本でフランス映画が売れなくなったので、あえてアート度の強い作品を並べているのだろうか。

未公開では『リグレット』と『旅立ち』の2本の不倫映画のすばらしさについて先日書いたが、ジャック・オーディアール監督の『アンプロフェット』もよかった。刑務所に入ったアラブ人青年のマリックが、そこで読み書きを覚え、コルシカのマフィアのボスに仕えながら次第に自らの生き方を決めて行く過程を繊細に描いた新作だ。主人公の顔つきや話し方が少しずつ変わってゆく様子が実に細かく描かれている。この映画はシネカノンが買ったけれど、会社更生法申請中なので公開の見通しは立っていないという。ぜひ公開してほしい。

巨匠アラン・レネの新作『風にそよぐ草』も公開が決まっていない。財布を無くした中年の女性と、それを拾った中年の男性の出会いを描いたものだが、登場人物の無意識の心の動きをオフの声で読み、幻想と現実の間をさまよう不思議な瞬間をユーモラスに映像化している。後半、finの文字が出て、フォックス社の終りの音楽が鳴るので、これで終わりかと思うと、映画は続く。映画は何をしてもいいのだと、つくづく思った。

ほかに配給が決まっていない作品では、『テルマ、ルイーズとシャンタル』及び『バス・パラディアム』も見た。前者は50歳前後の3人のおばさんが集まって、『セックス&シティ』のような物語を繰り広げる。あまりにあけっぴろげで、ちょっとうんざりするが。『バス・パラディアム』はそれなりによくできた音楽映画だが、1970年代から80年代ののロックがピンと来ない世代には、少し難しいかもしれない。

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