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2010年3月14日 (日)

『密約』の妙なおもしろさ

1978年にテレビ用に作られた『密約』を、4月10日から劇場で公開するという。最近の核持ち込みの密約が明らかになったニュースもあるし、なにか妙なものを感じて試写を見に行った。その勘は当たった。映画としてどうということはないのだが、時代をモロに引きずった感じがいい。

クロード・チアリのギターが全編に流れ、出てくる男たちのスーツはラッパズボン。成田闘争や銀座、新宿の映像が時代の雰囲気を伝える。毎日新聞や外務省はちゃんと本物の正面が映っている。

すべてが古き良き時代で今とは違うが、記者クラブにふんぞり返って威張っている新聞記者だけが今とあまり変わらない。それからふっくらした顔の吉行和子の演技が妙に生々しく、異彩を放っている。世間知らずのまじめな女性に見えて、実は不敵な笑いを浮かべるような、とんでもない女性を実にリアルに演じている。

作品のテーマである「報道の自由」とか「国民の知る権利」などは今やあまりピンとこないが、日本の政治家や外交官が、内と外を使い分けて姑息な手段を取ってきたことだけは明白だと思う。もちろん、やっていることが正しければ、外交交渉のすべてを国民に開示する必要なんてないとは思うが、ある一定の時間がたったら公開すべきだし、それ以上に公式文書は破棄してはならないはずだ。

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