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2010年4月

2010年4月30日 (金)

イタリア映画祭2010:その(1)

今年もGW恒例のイタリア映画祭が始まった。早いものでもう10年。観客は老若男女で多種多様だが、最近勢いがなくなったフランス映画祭より盛り上がっている感じがするのは、シネコンと大ホールの差だけだろうか。見た映画の中から、まずはベテラン監督が健在ぶりを示した『勝利を』と『バール・マルゲリータに集う仲間たち』について触れたい。

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2010年4月29日 (木)

本を捨てること

福岡伸一氏の文章は好きでよく読むが、一週間前の週刊文春の連載で、大学院の時にアメリカへ行くことになって本を一切合財5万円で売った話が書かれていた。「その後、何度も何度も苦い悔恨にさいなまれた。あの本がもう一度読みたい。たしかどこかにこんなことが書いてあったはずだが。その素敵なフレーズは正確にはどんな表現だったのか……私にとって、私の蔵書は私の時間そのものだったのだ」。彼は今後はiPadで間に合うような結論を書いているが、本気だろうか。

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2010年4月28日 (水)

ちょっと物足りない展覧会2本

六本木で、そこそこおもしろいがちょっと物足りない展覧会を見た。1つは国立新美術館の「アーティスト・ファイル」展で、もう1つは森アーツセンターの「ボストン美術館展」。「アーティスト・ファイル」は、新美が年に一度やる現代作家のグループ展で、特色はなんと「テーマがないこと」だ。

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2010年4月27日 (火)

『アイスバーグ!』と『ルンバ!』は驚きの映画

とんでもない映画を見た。7月公開の『アイスバーグ!』と『ルンバ!』で、監督・主演はベルギーのアベル&ゴードンというカップル。最初『アイスバーグ!』を見始めた時は、ちょっと前衛的な映画かなと思ったが、不思議なギャグの連続で、物語は全く予測不能な方向に展開してゆく。

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2010年4月26日 (月)

森村泰昌の誇大妄想と沢木耕太郎の作りすぎと

東京都写真美術館で「森村泰昌 なにものかへのレクイエム」展を見た。かつてマネやゴッホの絵画を自らが変装した写真で再現していた森村氏は、もはや絵画を超えて歴史上の人物の物真似に関心を移している。

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2010年4月25日 (日)

安くてボリュームたっぷりでおいしいフランス料理2軒

先週は安くてやたらに量の多いフランス料理店にたて続けに行った。1つは神楽坂の「ラ・マティエール」、もう1つは三宿の「ブラッスリー・ドゥ・クワン」 。前者はコースのみ、後者はアラカルトだが、どちらも料理だけで5000円以内という安価なうえに、単なるビストロを超えた手の込んだ料理を供する。そして何より量が多く、どの1品もお皿にどっさりだ。

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2010年4月24日 (土)

『1Q84』第3巻を読む

前にも書いたが、四半世紀前の学生時代の頃から、村上春樹はどこか好きになれなかった。これまでの小説はたぶん半分くらいしか読んでいないし、手元にある『!Q84』の1、2巻も奥付を見ると9刷と11刷だ。で、今回初めて村上の小説を初刷りで買った。1年前から社会生活を「降りた」ので、世の流行について行こうとしているのかもしれない。

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2010年4月23日 (金)

寂しいSF映画2本

SFにしてはずいぶん寂しいアメリカ映画を2本見た。1本は現在上映中の『月に囚われた男』で、もう1本は5月8日公開の『9 ナイン』。小学生の時に人類初の月面着陸をテレビで見て以来、どうも月をめぐる映画は好きでだいたい見る。『月に囚われた男』もいかにも私好みのテーマなので、期待して見に行った。

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2010年4月22日 (木)

フランスで「ご近所さんの日」が流行るわけ

最近エール・フランスの機内誌を読んでいたら(飛行機には乗っていません)、先日花見のことを書いた時に触れたフランスの「隣人たちのパーティー」について、浅野素女さんという在仏のジャーナリストが書いていた。

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2010年4月21日 (水)

『仏像図解新書』は究極の仏像入門

かつて(実はそんな昔ではない)、美術についての文章を書いていたことがある。しかし仏教美術については一度も触れていない。書こうにも、あまりにも知らなかったから。
先日、本屋で石井亜矢子氏の『仏像図解新書』という新書を手にして、思わず買ってしまった。著者と会ったことがあることもあるが、何より図解入りで仏像の見方を懇切丁寧に説明してあったからだ。

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2010年4月20日 (火)

今度のスコセッシはわかりやすい

『シャッター・アイランド』を見た。日曜の夕方で、公開後2週間たつのに600席を超す日比谷のスカラ座が8割が埋まっていた。結論から言うと、私にはずいぶん面白かった。スコセッシの映画は、ストーリーがわかりにくいけれどおもしろいというのが定番だが、今回はずいぶんわかりやすかった。謎解きをメインテーマにしているぶん、きちんと配分よく語っている感じだ。

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2010年4月19日 (月)

スラヴォイ・ジジェクの『アバター』論

仏誌Les cahiers du cinemaの3月号にスラヴォイ・ジジェクが『アバター』論を書いていた。ジジェクと言えば、構造主義以降の哲学者のスターとして邦訳も山ほどあるが、映画をめぐる文章も多い。さすがに『アバター』のように、文化論的議論を呼ぶような映画には何か言いたいのかもしれない。

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2010年4月18日 (日)

春はタケノコ

神楽坂のはずれというか、矢来下の信号脇に「かねこ」という間口の小さな店がある。外から見るとカフェバー風だが、「天婦羅」などと書かれた幟が立っている。中では手前の丸いカウンターに気取らないオヤジたちが集まり、赤い顔の板前さんと話し込んでいる。そこで現在「タケノコ尽くし」を出しているが、これがめっぽううまい。

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2010年4月17日 (土)

『短命の食事 長命の食事』を読む

別に長生きしたいとは思わないし、むしろ元気で絶好調の時にぽっくり死んだ方がいいと思っているつもりだが、題名を見て駅の本屋で思わず買ってしまった。年のせいだろうか。著者は丸元淑生氏で食事で健康になるような本をたくさん書いている人のようだ。

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2010年4月16日 (金)

この四半世紀の変貌

吉見俊也氏の『ポスト戦後社会』を読んだ。これは岩波新書の「シリーズ日本現代史」の9巻目で、各巻を一人の筆者が担当している。吉見氏は万博についての本など、従来の社会学に収まらない文化論的な視点でおもしろい本を何冊も描いているが、日本の現代史を描いたこの本にも興味深い視点がいくつもある。わずか四半世紀で、日本はこんなに変貌したのかとあらためて驚くばかりだ。

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2010年4月15日 (木)

演出過多の映画

おもしろいがやや演出過多の日本映画を2本見た。5月15日公開の『書道ガールズ』と5月22日公開の『トロッコ』だ。一方は日テレ製作、ワーナー配給の拡大公開作品で、もう一方は単館系の映画だし、演出も全くタイプの違う映画だが、ちょっとお涙頂戴なところだけは共通している。

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2010年4月14日 (水)

常連さんの店は苦手

築地場外の「めし丸」という店に行った。築地6丁目の有名な店で、昼食も賑わっているらしい。例によって年上の友人の手配だが、6時半に着くと、カウンターと大きなテーブルが常連さんで埋まっていて、私たち3人は奥の小さなテーブルへ。おいしくて安いのは間違いなかったが、自分たち以外が常連さんばかりで、ちょっと疎外感を感じた。

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2010年4月13日 (火)

『華麗なるアリバイ』は極上のミステリー

この夏公開されるフランス映画『華麗なるアリバイ』の試写を見た。実に計算され尽くした極上のミステリーだった。監督はパスカル・ボニゼールで、もともと映画評論家や映画研究家として有名で(邦訳もある)、ジャック・リヴェットなどの脚本を書き、最近数本の映画を監督しているが、日本で公開されるのはこれが初めてだ。6月公開の『モダン・ライフ』のレイモン・ドゥパルドンもそうだが、フランスでは有名でも日本は初登場というパターン。

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2010年4月12日 (月)

小学校の英語教育反対

先週木曜の朝日新聞夕刊の広告特集で、「小学校の英語教育反対」の4ページ特集があった。厳密に言えば漫画「ドラゴン桜」の副読本「16歳の教科書」が朝日新聞に出張して「40歳の教科書」を作ることになり、第一弾が「英語の早期教育」ということらしい。この構えの複雑さはわかりにくいが、書いてあることは真っ当だ。

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2010年4月11日 (日)

大塚英志の『大学論』を読む

大塚英志氏の『大学論』を読んだ。「いかに教え、いかに学ぶか」という副題がついていたので、思わず書店で買ってしまった次第。私より少し年上の大塚氏は、何だか元祖オタクという感じで、『彼女たちの連合赤軍』などちょっと強引に自分たちの時代を正当化する論理が苦手だったが、この本はおもしろかった。というより、大学で教え始めた私にピッタリの本だった。


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2010年4月10日 (土)

「レバンテ」のカキの懐かしいおいしさ

昔、有楽町の駅前に「レバンテ」という一軒家の店があった。カキが食べたくなると連れだって出かけていたので、再開発で建物が壊されると知った時は悲しかったものだ。閉店前にもう一度と、会社の同僚たちと行ったのを覚えている。その店が国際フォーラムに移ったのは知っていたが、今回初めて行ってみた。

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2010年4月 9日 (金)

欧州の歴史もの映画2本

丁寧に作られた歴史ものヨーロッパ映画の試写を2本見た。共に初夏公開で、1本はプーピ・アヴァーティ監督のイタリア映画『ボローニャの夕暮れ』。もう1本はジェーン・カンピオン監督のイギリス映画『ブライト・スター』。前者は第二次大戦中から戦後にかけてのボローニャが舞台で、後者は19世紀初頭のロンドン郊外の話だが、ともに若い娘の痛切な恋愛を扱いながらも語り口の違いが興味深かった。

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2010年4月 8日 (木)

ほれぼれする三菱一号館美術館

丸の内の三菱一号館美術館が「マネとモダン・パリ」展でオープンした。内覧会が2日あったので、2日目の夜のに出かけて行ったが、建物というか、全体の環境にほれぼれしてしまった。かつての洋館を復元した建物が表にあり、広い中庭にはレストランなどがあって、美術館の入り口はその奥にある。

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2010年4月 7日 (水)

ブログを初めて今日で1年

このブログを始めたのは会社員を1年前に辞めてしばらくしてからなので、数えてみると今日でちょうど1年になる。最初はアクセスも一ケタで、更新も時々だったが、9月くらいからなぜか毎日更新するようになった。もともと自分用の備忘録だったが、だんだん友人たちに気づかれたこともあり、ちょっと表向けの顔をするような文章になっていった。

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2010年4月 6日 (火)

花見ふたつ

今年は珍しく、自宅の近所の花見に誘われた。ひとつは、近くに住む大学の先生宅の桜を愛でる会で、もう一つは、住んでいるマンションの中庭の桜の花見会。大学の先生の方は、編集者とか、日本に住む外国人とか、近くの画廊主とかが集まってシャンパンを飲んでちょっと業界な感じだったが、もう一つは同じマンションの住民が集まって飲み食いをするというもので、これが案外おもしろかった。

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2010年4月 5日 (月)

『マイレージ、マイライフ』にちょっと感情移入

ようやく『マイレージ、マイライフ』を見た。公開して2週間もたったのに、シャンテは満員だった。映画の方は、アカデミー賞の候補にいくつもなったり新聞各紙が絶賛している割には、私にはいま一つピンとこなかったが、ジョージー・クルーニー演じる主人公にちょっとだけ感情移入してしまった。

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2010年4月 4日 (日)

「私が愛してやまない町、東京」

先日、東京が昔に比べて外国人にずいぶん愛されている、という話をここに書いたが、6月に公開される『モダン・ライフ』のレイモン・ドゥパルドン監督について調べているうちに、彼が東京をいかに好きかという文章にめぐりあった。2008年に出たルイ・ヴィトンの東京ガイドの中に「私が愛してやまない町、東京」という題で書いている。

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2010年4月 3日 (土)

『ナニカアル』の不穏当さ

どうも桐野夏生にはまったようだ。最新作の『ナニカアル』を本屋で見たら、買わずにはいられなかった。桐野夏生が林芙美子の戦時中の不倫を書くというだけで、もう不穏当な感じが漂ってくる。本の題名自体が思わせぶりだし、オビには「女は本当に罪深い」と書かれている。

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2010年4月 2日 (金)

渡津海のたたずまい

3月半ばから宴会が続いている。私自身は会社員を辞めて「闘い」から降りて一年になるが、それゆえにか面白がっていろいろな送別会やら歓迎会やらに声がかかる。送別会のような大人数の時に、おいしいお店にめぐりあうことはあまりない。そのような宴会の合間に、四半世紀前にお世話になった方と神楽坂の「渡津海」に行った。

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2010年4月 1日 (木)

ドゥパルドンの映画がとうとう来る

フランスの写真家でドキュメンタリー監督のレイモン・ドゥパルドンの映画が、日本で初めて映画館にかかる。6月に公開される『モダン・ライフ』がそれで、実は長編だけでも既に20本近く撮っているベテラン監督だが、これまで1本も日本で劇場公開されなかった。

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