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2010年4月20日 (火)

今度のスコセッシはわかりやすい

『シャッター・アイランド』を見た。日曜の夕方で、公開後2週間たつのに600席を超す日比谷のスカラ座が8割が埋まっていた。結論から言うと、私にはずいぶん面白かった。スコセッシの映画は、ストーリーがわかりにくいけれどおもしろいというのが定番だが、今回はずいぶんわかりやすかった。謎解きをメインテーマにしているぶん、きちんと配分よく語っている感じだ。

1954年。船の中でディカプリオが船酔いをする冒頭のシーンから、何とも不穏な雰囲気が漂う。島に着いても、出てくるのは怪しげな人ばかり。失踪した女性患者レイチェルが出てきたと思ったら、後で岩間に隠れる元医者の別の女性だったり、同僚がいつの間にか疑惑の医者だったり。さらに戦時中にナチスのユダヤ人収容所で見た風景や、妻や子供とのやりとりがはさまれる。何だかわからないが、どんどん窮地に追いつめられてゆく感じがいい。
何よりそれぞれのシーンが、フィルムノワールの濃厚な雰囲気を醸し出し、登場人物も過不足ない。ベン・キングズレーや、マックス・フォン・シドーの端正で怪しげなたたずまいは最高だ。

読売新聞に「全体としてはまとまりに欠けるきらいもある」と書かれていたが、私にはスコセッシの最近の映画としては最もまとまっているように見えた。日経新聞で渡辺祥子さんが吹替え版の方がいいと書いていたので、今度は吹替え版で見てみたい。

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» 映画:シャッターアイランド Shutter Island “超”日本語吹替版の感想。逝って良し! [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
久々にスコセッシがおもしろい映画をとった(笑)という噂の、シャッターアイランド。 けっこうハラハラドキドキな出来らしく、それなりに期待していたのだが...... えっ?!、となったのが、“超”日本語吹替版。 あまりに気になった(笑)ので、なんとか鑑賞した。 その結果は..... 逝って良し! 原語派の私としては、せっかくのベン・キングスレーのセリフは、ちゃんと本人の声で聞きたい。 ディカプリオはどうでもいいけど(笑) しかも! 肝心のシーンがあるのだが、ここが“超”日本語吹替版では、ワカラナ... [続きを読む]

受信: 2010年4月21日 (水) 05時26分

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